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  雨の死神 作者:翡翠
羅凪編です。
人の時
28句 誰も知らない自分 1
私は、自分自身に無理をしていることを知っていた。
いつも、自分ではない自分で他人と接していた。
そんな事、自分で分かっていた。
分かっていた事なのに…。

なのに…。


≪ぅ…大嫌い!!!≫

「羅凪ちゃん、遊ぼう!」ニコッ
「いいよ。何して遊ぶの?」
「お花でも摘もう!!」ニコッ
「うん!」ニコッ
幼い頃の自分は他人に、自分自身の気持ちを知られたくないせいか、
偽りの自分を創って他人と接していた。
そんな毎日が私の日々を覆っていた。

「羅凪ちゃん!明日私の家に来ない?」
「えっ?いいの?」
「いいよ!私と羅凪ちゃんは友達だもん!」ニコッ
大親友といわれて、その子とずっと一緒に居た。
この子は明るかった。
私とはまるで違って見えていた。

ガチャッ
「ほら、入って!」ニコッ
「うん。」
「見てみて!これね、昨日パパが買ってくれたの!」ニコッ
「いいなぁ~!」ニコッ
「いいでしょう!!私ね、ママもパパが大好きなんだ!」ニコッ
「!?…。」
羅凪は友達の言葉に一瞬動揺する。
「ううん、なんでもないよ!私もお父さん、お母さん大好きだもん!」ニコッ
「そうだよね!」ニコッ
「うん、当たり前だよ!」
羅凪は友達の言葉に合わせていた。

「一人で帰れる?」
「帰れるよ」ニコッ
「そう?だけど、心配だよ。」
「大丈夫!心配しないで!私は強いから!」ニコッ
「そっか、羅凪ちゃんは私が頼れる親友だもんね!」ニコッ
「!?…あぁ…うん!」ニコッ
「じゃあ!気をつけてね!羅凪ちゃん!!」
「うん!バイバイ!!また明日ね!」ニコッ
羅凪は走って家に帰った。
だけど、公園のベンチに座ってしまう。

「…頼れる…親友?…。」
そうだ、私はうらやましかったんだろう。
自分自身に無い物があの子にあるから。
私は、真っ暗な道を歩いた。
そして、家に帰った。


ガラッ
「…ただいま。」
「羅凪、帰ったのね!!」
「うん。今帰ったよ。母さん。」
羅凪に抱きつく母。
「遅いわ、帰ってくるのが、母さん心配したわ」ニコッ
「ごめんなさい。」
「ううん、さぁ。ご飯を食べましょうね」ニコッ
「うん。私、母さんのご飯大好き!」ニコッ
バシッ!!!
「!?…。」
羅凪の頬を突然叩く母親。
「誰?」
「…母さ…。」
「呼ばないで!!あなたは私が知っている羅凪じゃない!!」
「?!…。」
「誰なの?ねぇ!!」
「グッ!…。」
母は羅凪の首を強く絞める。
「ぅ!!…。」
「羅凪を返せ!!返せ!!」
「…母さん…。」
「?!…。」
母は羅凪の首から手を離す。
「ゲホッ!!…ゲホッ!!」
ガタッ!!
「!?…。」
「なんだ?その目は!!」
「あなた。」
父親が酒を飲みながら家に入ってくる。
「俺を、そんな目で見るな!!!」
バシッ!ドンッ!ダンッ!!ドンッ!ドンッ!!
「グッ!!…。」
私は、自分自身の家族が大嫌いだった。
毎日、毎日、同じ事の繰り返し。
大嫌いだった。だから、他人には知られたくなかった。
こんな事、誰にも知られたくなかった。
私は、人間が大嫌いだった。
あの人を殺した…人間が…家族が!!友達が!!!…。


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