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風魔伝
作:洸淋寺 凪



プロローグ


「君は誰?」
「僕?僕は・・・・」
 今僕の目の前には目には見えないしゃべる何かがいる。
「僕は風邪って言うんだよ!」
「フウゴかぁ!いい名前だね!」
「君、名前がないの?」
「うん・・・」
「そうだな〜・・・・エリザベスなんてのはどう?」
「いや、僕は男だよ?」
「ハルパス!ハルパスなんてのはどうだい?」
「お兄ちゃん!?」
「ハルパス、なんかいい響きだね」
「君は魔族だね?」
「そうだよ!」
「フウゴと・・・・断裏の契約を結んでやってくれないか?」


 ・・・・それがオレとハルパスの出会い・・・・。
 あれから五年は確実に経っている。
「フウゴ〜〜お腹減った〜〜」朱いプチドラゴンのデビドルに入ったハルパスが頭の周りを飛び回る。
「んもう!邪魔!」オレはハルパスを叩く。
「お、獲物見っけ!」
「でかしたハルパス!」そこには一匹の野兎。悪いが食料となって貰おう。
「いけ、ハルパス!」
「りょーかい!」
 周りの空気に緊張が加わる。ハルパスの力だ。
 野兎の動きが一瞬止まる。ハルパスの殺気を感じたようだ。力強く地面を蹴る。追尾開始だ!
「ハルパス!バイクのデビドルに乗り換えて!」
「いや、このままで大丈夫!」
「はぃはぃ」
 朱いプチドラゴンがさらに紅く染まる。野兎の血だ。
「ったく、洗濯しなきゃなんないじゃんか!」
「いぃじゃん別に!それくらい!飢え死にするよりましでしょ?」
「非常食があるから平気です〜〜〜」
「フウゴがよくてもこっちはやなの!あんな砂!」
 そう、オレが持つ非常食とはミネラルを沢山含んだ粘土。確かに美味しいと言ったら嘘になる。しかし飢え死にするよりはましだろう。
「ま、早く調理しようよ!」
「はいはい・・・」オレは腰のナイフポーチから一本ナイフを抜き取る。
「相変わらず凄い武器の量だね」
「あぁ、オレはハルパスみたいに不思議な力を持ってないからね!自分の命は自分で守んなくちゃいけないしね」オレの武器はナイフだけでは無い。腰に二本のハンドライフルを二丁、背中には何発も同時に撃てる巨大なマシンガン。頭にかぶっている帽子には剃刀が三つ。着ているコートの内側には所狭しとメスがある。
「さ、出来た。ハルパス、食べるよ!」
「お、さすがはフウゴ!料理が上手いね!兎の肉と非常食のトッピングなのに美味しそう!」
「次の街に着けばレストランかなんかに行けるんだけどね〜〜」
「あー。この前止まった街が懐かしい」
「駄目だよハルパス!街に長くいすぎると力が鈍ってすぐに負けちゃうよ!それに断裏の契約の時だって魔族は街の定住を禁止する。ってあったじゃん」
「そうなんだよね〜〜」
「ま、次の街へ向かおうよ」
「そうだねー。んじゃご馳走さま〜〜」
「はいはい、じゃ、行こうか」オレは満腹のお腹をさすりながら立ち上がる。












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