最終章 愛する者達に幸福を。
「じゃあ、ウチ等学園に帰るなっ!」
蜜柑が言った。
優の正体を知ってから翌朝の事だった。
優はあの後何だかんだで蜜柑の周りの世話をしていた。
よほど気に入っているのだろう。
「ん。何かあったら私を呼んでよ? すぐに行くから」
優が微笑む。
サウル基ウィルは仏頂面で翼たちを見ていた。
「・・・何だよ??」
「イヤ、美咲とお幸せにと思もって」
ウィルの言葉に翼が硬直する。
「ウィル? 何やってるの。とっととアレの準備するわよ」
優の、遠くからする言葉にウィルが反応した。
『本気だったのかよ』と小さく呟き、棗達にはそこでまってるように言った。
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ウィルがまってろといい、どれほど時間がたっただろうか。
蜜柑達はなにやら話をしていた。
「おーい、お待たせ」
優が手提げを肩にかけて走ってきた。
後から、ウィルもついていた。
そして、それぞれに『はいっ』と袋を渡す。
白く、下のほうに水色の線が引いてある。
「向うについたらあけて。あと、これ」
優が名刺のような物を蜜柑に渡した。
そこには、こう書かれていた。
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♪情報屋♪
アリス学園のセントラルタウンにて
相談もかねて開きます。場所は○○店の隣。
ご興味のある方はご自由にいらしてください。
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きっちりとした、綺麗な字が白い紙に並んでいた。
蜜柑が驚いて優の方を見ると、優はニッコリと笑った。
「是非来てね?」
優の言葉に、蜜柑が笑った。
「あ、そうだ。その袋の中身・・・」
「見てからのお楽しみだっつの」
ウィルの言葉を遮り優がけりを入れる。
ウィルはむなしく腹部を抑えている。
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学園に着いた蜜柑達は、早速袋を開けた。
その中で光っていたのは、一つの輝く石。
アリスストーンでも無い、宝石のように輝く石。
全員の石は、見方を変えればどんな色にでもなっている。
「綺麗やなぁ・・・」
蜜柑がその石を見て微笑んで呟く。
ふと、袋から紙が落ちてきた。
薄いクリーム色の紙で、そこには字がはっきりと映し出されていた。
蜜柑の物には
『永遠の光を』
棗の物には
『永遠の安らぎを』
流架の物には
『永遠の微笑みを』
蛍の物には
『永遠の友を』
翼の物には
『永遠の喜びを』
誰の字かわからないけれど、とても温かみが感じられた。
五人はそれを首につける。
『私が愛する人間に 幸福を与えよ』
そんな言葉が、どこかで響いた。
『Are you happy?』
数日後、セントラルタウンに新しい店が建てられたそうだ。
光よ、照らして?
どんな闇も、照らして?
殺人鬼も、どんな闇も。
彼等にも光があるのならば。
光と共にあるのは闇。
闇と共にあるのは光。
輝き照らせ、そして染め上げて。
あの、青い空のように。
あの、太陽のように。
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