こんにちは。
前話でいただいたご意見を参考に書いてみました。
どうぞ。
☆39 「ニヨニヨ」
「第一回『ななせくんとお風呂権争奪』チキチキじゃんけーん大会!」
「どんど~ん!」
「パフパフ~!」
こなた姉さんの開会宣言につかさ姉さんとみさお姉さんが太鼓とパフパフ(あれの正式名称って何て言うんだろう?)の口真似で間の手をいれて、僕とのお風呂をかけたじゃんけん大会が始まった。
「今なら・・・・・・大丈夫! 夏に向けた早めのダイエットが役に立つ時が来たようねっ!」
「はい! こんなこともあろうかと準備しておいた防水デジタルカメラも役に立ちそうです! これならバスルームでも使えます!」
かがみ姉さんとみゆき姉さんもノリノリだ。
そしてみゆき姉さんはそのカメラで一体何を撮影しようっていうんだ。
「それじゃー行くよー! ・・・・・・最初はグー、じゃ~んけ~んぽいっ!」
男の僕以外が全員ハイテイションという、ちょっとしたカーニバル状態の中、こなた姉さんの掛け声に合わせて勝負が始まり……。
「勝った! こなたが勝ったよ、ペーター!」
「ペーターって誰よ・・・・・・。くぅ、負けたわ・・・・・・」
「あうう・・・・・・残念」
「負けちゃいました・・・・・・」
「ナッハハッ! 勝ったゼ!」
一瞬で終わった。
五人のうちグーが三人、パーが二人。
そんな訳で、僕は勝者である二人――こなた姉さんとみさお姉さん――と一緒にお風呂に入ることになった。
☆☆☆
「さあ行け、アヒルさん一号! あの壁を越えればエル・ドラドがキミを待っている!」
湯船につかっているせいか、妙に声が響く。
僕の前でひっしに足をバタつかせて進んでいたアヒルさんがバスタブの淵に当たって向きを変えた。
だんだん足の動きがゆるくなって、そのまま止まってしまう。
それを見ながら、僕は何とは無しに呟いた。
「・・・・・・遅いな、姉さんたち」
・・・・・・いやいやいや?
断っておくけど、僕は決して姉さんたちが入って来るのを待ちわびている訳じゃない。
ただ、じゃんけん大会の後、僕よりも早く部屋に戻って準備を始めたはずの姉さんたちが、まだ来ていないのが少し気になっただけだ。
まあ、女の人には色々準備があるんだろうし、もし来ないなら来ないで・・・・・・やっぱり少し残念かも知れないけど。
軽く息を吐いてから、またゼンマイを巻こうと動かなくなったアヒルさんを手元に寄せた。
「やー、ごめんごめん。遅くなっちゃったヨ。ななせくん、茹だってない?」
「な、七ヶ瀬、待たせて悪かったんだってヴァ・・・・・・」
いきなりかけられた声に吃驚して、何となく見つめていたアヒルさんの円らな瞳から声の主たちの方に視線を移す。
浴室の扉が開く音には気付かなかったら、姉さんたちはわざとこっそり入って来たようだ。
だけど今、そんなことはどうでも良い。
「し、白スクッ!?」
そう。大事なのはその一点のみ。
目を細めてニヨニヨ笑っているこなた姉さんも。
もじもじと恥ずかしそうに頬を染めているみさお姉さんも。
二人ともが、白いスクール水着を着て目の前に現れた事実に優る事象など、今この瞬間には存在しない!
「うー。ちびっ子ー。七ヶ瀬の奴、呆然とした顔してるよー。・・・・・・やっぱり、これ恥ずかしいんだってヴァー・・・・・・」
「なに言ってんのさ。みさきち水泳の授業でもっときわどいの着てるじゃん」
「あ、あれは競泳用だぜ! だいたい男子は授業別だから・・・・・・」
「まったく、変な所で純情だねぇ。さっきまでノリノリだったのに」
「だってまさかこんなの着るなんて思ってなかったんだってヴァ!」
「むー。仕方ないなぁ・・・・・・じゃあ、脱ごっか。むふふ、良いではないか良いではないかー!」
「わー、バカやめっ・・・・・・うわっ。へ、変なとこ触るなよー!?」
・・・・・・もう、ダメだ。
・・・・・・茹だる。
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