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この夢に終わりを
作:桶十芭



piece5:雪


僕は君を守りたい。






■□■


「ぁ…雪…」

レンの言葉を聞いて空を見上げると、白い粉雪が落ちてきた。
まだ10月だ。
別にこの国は寒い国でもない。
どう考えても早すぎる雪に驚いたのは僕とレンだけじゃなかった。
街中がどよめく。
喜ぶ子供、身を寄せ合うカップル、積もるだろうかと心配する大人。
人々の反応は色々だ。
   
「…不思議だね…雪が降ってるのに空は晴れてる。」
   
レンが言う通り、空には太陽がしっかりと姿を見せていた。
だんだんその太陽は沈み始め、太陽の代わりに街のネオンが雪を照らす。

雪は綺麗なのに、なんだか少し嫌な予感がした。

「…もうすぐ太陽が沈むね。」

ポツリとレンが言った瞬間、空は一瞬にして真っ暗になった。
真っ暗になったのはフィルターがかかったせい。
空は暗いけれど、街は明るく賑やかだ。
人々は普段と変わらず生活している。
   
あの嫌な予感は思い過ごしだったみたいだ。


「レン、今日遊びに来る?」
「うんっ。」

じっと雪を見つめていた瞳は嬉しそうにこっちへ向いた。


「積もったらいいねぇ。」


レンの言った言葉が、ふと昔の事を思い出させた。




   
「あっ、父さん雪だよ!!」
「お、本当だ。綺麗だな。」
「母さん雪ー!!」

ふわふわと落ちてきた白いものは、窓にぶつかっては消えていった。
僕は不思議に思った。
すぐに消えてしまう雪が、どうしてあんなに綺麗に積もるのか。
見ていても地面につけば消えてしまう雪。
それなのに、次の朝には真っ白な世界が広がってた。
   
僕は雪が好きだった。


父さんと母さんと見る雪が。




降り注ぐ雪を見て、少し目が回った。
雪は綺麗すぎるから。
   












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