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短編

初春

作者:皐月晴
「smilejapan」用に少し内容を改変しました。
「春ですよー」

 二月の冷たい風に吹かれながら、俺達は小さな公園のベンチにいた。

 そこで彼女は唐突に、本当になんの突拍子もなくそう言った。

「いや、まだ二月も始まったばかりだけど……」

 まだまだ寒い二月、翌週には雪が降ると天気予報は言っていたっけ?

「え?だって今日節分なんだよ?」

 さも当然のことのようにそう言った彼女は、心底不思議そうな顔をして俺を見た。

「そうだけど、二月だぞ。まだ寒いじゃないか」

「寒さは関係ないの、節分だから今日から春なんだよ」

「なんだそれ、節分はただの風習だろう」

 はぁ……と溜息をついて俺は彼女に言う。

「それこそ間違いだよ、節分はね?季"節"の"分"け目だから"節分"なんだよ?」

「……それは暦の上での、目安としてのだろ」

 そう言えば、何故自分達はこんなところでこんな話をしているのだろうか?

 まぁいいか

「つまり昔の人は今日から春だと言った訳ですよ」

「お前な、今と昔じゃ気候が違うだろうが」

 そもそもだ

「なんで春を急ぐ?何があるわけでもないだろ」

 それに俺は冬が好きだ、彼女も好きだと記憶している

 なら何を急ぐ必要がある?まぁ暖かくなるのはいいんだが……

「急ぐよー?だってやっと五回目だもん」

 五回目……?

「そろそろ限界だよ、寒くて寒くて保ちそうにないもん」

「そんなに寒いか?」

「うん、って忘れてる……?」

「何をだよ、何か約束した覚えはないぞ。」

「えぇ……」

沈んだ声で呟く彼女をよそに立ち上がる。

「寒いってんなら早く帰ろうか」

「……そう……だね」

 ……はぁ

 もうちょっと雰囲気が欲しかったんだがなぁ、曇天の下寂れた公園でなんて嫌だったんだが

 ……ま、俺達らしいかな?

「そら、そんなに寒いならそれ着けとけ」

 そう言って、小さな箱を投げる。

「え……?わわっ、急に投げないでよ!ってこれ……」

「たかだか指一本分だが、ましになるだろ?」

 言って、気恥ずかしさからすぐに振り向いて歩き出す。

「…………まっ、待ってよ!右手は寒いんだから!」

 そんなことを言って俺の左腕に巻き付く。

「さて、帰りますか?」

「その前にコンビニよろ?」

「あぁ、そうだな。それじゃあ……」

 こんなんなら、寒くても春と認めてやっていいかもしれない。

 少なくとも、俺の左腕は暖かいしな?
「smilejapan」参加としてシリーズ化の予定です。

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