挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。

誓い-Graduation Style-

作者:癸 那音
どうも。
すとむみずみです。
このふたりは書いていて楽しいです。
どうぞよろしく。
「おはよう、ケン」
「おはよう、ユウ」
慣れた挨拶を済ませると、俺とユウは学校へ向かった。目の前の家までユウを迎えに行くのは毎日のことだ。
「ねぇ、ケン」
「なに?」
「今日、泣かないでよ?」
「泣くわけねぇだろ。ユウこそ、泣いたりすんなよ?」
「僕、泣いちゃうかも……」
そう言ってユウは遠慮がちに俺の方を向いた。見慣れているはずなのに、ついついドキッとしてしまう。
「そんなに寂しいもんか? たかが卒業式だろ?」
「だって……お別れなんだよ?」
それはそうだけど。
「俺はむしろ嬉しいけどな」
にやけてしまうのが自分でもわかった。
「だって、うちの学校からは次の高校、俺とユウ、ふたりっきりなんだぜ? 邪魔するやつがついて来ねーんだ」
「それは嬉しいけど、まずは今日の卒業式でしょ」
「まあ、な。だけど、さすがに泣かないだろ」
「悲しかったら泣くよ!! ケンも絶対に泣いちゃうよ!!」
「わかった、わかった」
そう言って俺はユウをなだめた。こうなったら早めに話をきりあげるのが、ユウを怒らせないコツだと知っている。
「ところでさ、ユウ」
「なに?」
「時間、ヤバくね?」
「あ……」
「急ごう!!」
俺はユウの手を強引に握り、走り出した。

 なんとかギリギリ間に合い、俺とユウがそれぞれの席につくと、さっそく担任の柏に呼ばれた。
「こんな日にまで、坂井と広田は遅刻か」
そう言いながら、花で作ったリボンを俺とユウの胸ポケットに挿した。カラフルな黒板の『おめでとう』が背景だからか、なんか笑えた。
「おまえたちはずっと同じクラスだな。ラブラブか? ヒューヒュー」
教師がそんなこと言っちゃ駄目だろ。あんたもずっと担任じゃないか。ちなみに俺とユウの関係は学校中誰もが知ってる。らしい。
「じゃあ、そろそろ体育館に移動するぞ」
照れているユウを横目に、柏が言った。

 卒業証書の授与が始まった。俺たちは2組だから、すぐに名前を呼ばれる。
 1組の担任が最後のひとりの名を呼ぶと、すぐに柏が2組に移った。名前を呼ばれるのを待っていると、いきなりその時は来た。
「坂井 健」
「はい!!」
言ってやった。回りが軽くビビるくらい大きな声で返事してやった。
 名前はどんどん呼ばれ、ユウの順番になった。
「広田 友子」
「はい」
涙声に聞こえたのは気のせいだろう。だとしたら、いくらなんでも早すぎる。
 そして全員の名前が呼ばれると、クラスの代表が証書をとりに行った。
 その後も来賓云々があり、それを終えると、校歌斉唱が始まった。胸の深くからなにかが込み上げてきたけど、ユウとのやりとりを思いだし、我慢した。

 地獄のような二時間弱から解放されると、俺たちは教室へと向かった。その間ユウとはなにも話さなかった。

 柏が長々と話した末最後のホームルームが終わると、俺はユウを捕まえ家へと急いだ。
「ユウ、おまえやっぱ泣いたな」
「うるさい!! 泣かない方が薄情だよ」
「俺も泣いたけどね」
ギリギリ泣いてないけど。
「じゃあ、僕のことばっか言えないじゃん」
「でもユウは泣くの早すぎ。名前呼ばれたぐらいで泣くなよ」
「ケンはいつ泣いたの?」
「校歌斉唱」
「一緒じゃん!!」
「いや違うだろ? 30分くらい違うよ?」
いつの間にかムキになってしまっていた。というかユウが子供っぽすぎ。そこも可愛いとこだけど。
「泣いたことには変わりないじゃん」
「なんで極論言うかな」
「うるさい!! この話は終わり!!」
「おいっ、ユウ!! 待てよ」
俺は、急に走り出したユウの背中を追いかけた。
読んでいただきありがとうございました。
感想、アドバイス等々遠慮なく。

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く場合の注意事項をご確認ください。

名前:

▼良い点
▼気になる点
▼一言
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ