オールバトルになっちゃいました… しかも前後編で…よろしければお付き合いください。
EP:08 戦神(序奏)
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
なのはとフェイトは左右のビルの上で集中し、アレン達は、直線の遥か先に見える結界を見据えていた。
刻一刻と、相手本陣に突貫する時間が迫っている…
「アレンさん…民間人の退去完了しました…
僕達もいつでもいけます…」
「そうか…」
バレッタの報告に、アレンがゆっくりと立ち上がりティアナとスバルに視線を交わす。
「いつでもいいわよ…」
「私も同じ」
なのは達を見上げると、コクりと頷いた。
黒衣を解除、黒装束へと変更し、前を向く。
ティアナは、バイクのエンジンを吹かせ、スバルはクラウチングの構えを取り、火花を舞い上げる。
「では…行くか!」
「「了解!!」」
三人が進み出すと、同時になのはとフェイトも結界の形を変更する。
「行くよ!フェイトちゃん!」
「うん!なのは頑張ろうね!」
桜色と金色…2つの閃光も後に続く…
「各、部隊員に告げる!我々は最後の砦だ!
一匹も通すな!!」
【了解!!】
「行こうか…ガンデーヴァ…」
『Yes sir』
「ヴァイス陸曹…僕…強くなりましたよ…」
ライフル型のデバイスを構え、地に膝をつき、肩に担ぐ
スコープに見えるのは、エースと呼ばれた人達の後ろ姿…
「皆さんも頑張って下さいね…
ここは、僕が守り抜きますから…」
バレッタは静かに激励の言葉を送った。
「キィィィィ!!/シャアアアア!!/ガアアア!!」
解放された魔獣達は、一斉に開いた道へと走り出す。
巨大クモ…鳥獣…半人半蛇…狼獣…etc
数えきれないほどの数…が道路を埋めつくしながら黒い大群が進んでくる…
「よくこれだけ集まったものだ…だが…」
ビルを蹴り、魔獣達の群れの中心に、アレンが飛翔する。
「今日で消えてもらう…」
数十の牙弾、黒鎖が打ち込まれ、魔獣の肉片が飛び散る…
黒鎖を引き戻し、急速落下…剣を下に向け、刺突を叩き込む!!
その攻撃だけでも百以上の命を刈り取った…
アレンの存在に気付いた魔獣達が一気に飛びかかる。
全てがアレンに狙いを定めた時、十メートル手前にオプティックハイドで隠れていたティアナが姿を現す…
「クロスファイヤー!!」
『Load Cartridge!!』
左右の銃から八発の空薬莢が排出され、展開される40のスフィア…
昔なら四発で出来なかった技を完璧に制御する!
「シューート!!」
アレンを掠めるようにスフィアが通り過ぎ、飛びかかる魔獣を駆逐していく…アクセル全開!ウィリーをしながらティアナが突っ込む!
「アレン!」
「ああ…」
伸ばした片手にアレンが捕まり離脱、追いかけようとする群れに破滅の一撃が迫っていた…
「振動破砕…発動!」
『Load Cartridge!』
ティアナの布石はもう1つあった…
背後で未だオプティックハイドを展開したスバルがいた。
魔獣の群れに正面から突っ込む!
「ギアアアア!!」
群れの中から伸びる幾本もの触手、スバルは横に思いきり跳び回避、ビルの側面を走る!!
壁蹴りで飛翔…落下しながら上体を捻る!
「リボルバー!!シューート!!」
作り出した衝撃波を回転に乗せて、打ち放つ!
振動破砕の効果は凄まじく、密集していた魔獣達を塵も残さなかった…
「行っくぞーー!うおおおおお!!!」
『Calibur Shot,Knuckle Duster,Revolver Cannon!』
回し蹴り、打ち下ろし、回転して勢いをつけ、リボルバーキャノンとスバルが群れの中で暴れまくる。
「あのバカ…後先考えないんだから!」
「キィィィィ!!」
「ちっ!!」
飛びかかってくる魔獣をドリフトで吹き飛ばし、片手のクロスミラージュで撃ち抜く!
「ティアナ…」
「何よ!忙しいのに!」
会話をしながらも、大剣で魔獣を薙ぎ払い、銃で確実に撃ち抜く。
「考えがある…」
「…何よ!」
「私と運転を代われ…」
「なっ!!」
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
地上で激闘が繰り広げられているなか、空の二人は…
「強さは大したことないんだけど!」
『Divine Shooter』
「ギイイイイ!」
背後から襲い掛かってきた鳥獣をスフィアで迎撃、貫通させる。
「予想以上に数が多いね…」
『Haken Slash』
巨大な蟲を、鎌形の魔力刃で横薙ぎに斬り裂く。
背中合わせになのはと構え、対峙する…
空中も相手に囲まれ足止めをくっていた。
さらに敵の数は増えていく…
「フェイトちゃん…カバーお願い…」
「うん…任せて」
「直線を薙ぎ払うよ!レイジングハート!!」
『All right! Load Cartridge!!』
空薬莢を二発排出し、砲撃を後方の魔獣の群れへ向け、集束していく…
「ギイイイイ!!/ガアアア!!」
隙を狙い、鳥獣と蟲が一斉になのはに向かう…
しかし、次の瞬間には、斬り裂かれ、絶命した。
「なのはは、やらせない…」
『Sonic move!』
「はぁああ!!!」
尚もなのはに襲いかかる魔獣を高速で動くフェイトが迎撃。
全て一撃で絶命させ、斬り裂かれた魔獣の肉片が地上に落ちていく…
「ありがとうフェイトちゃん!!」
『Divine Buster EX!』
「どういたしまして」
『Herken Saber!』
「ディバイーン!!バスター!!」
「はぁあああ!!」
放たれた桜色は直線に存在する物を消し飛ばしていく…
回避をした魔獣は、金の魔力刃によって斬り裂かれていく…
この一撃で一度に数千の魔獣が消えた…
「キシャアアア!!!」
「っ!まだ!」
「く…」
回避し、生き延びた魔獣がいた…それも至近距離で…
術後硬直で動けない二人に迫る!
が、突如、魔獣の頭が吹き飛んだ…
「「え…?」」
(残りは僕が倒しますからお二人は、先にお進み下さい!)
その念話の後、残っていた魔獣が次々に撃ち抜かれていく…
全て頭をピンポイントで撃ち抜いていた。
(バレッタ君!ありがとう!!)
(いえ、僕にはこれしかありませんから、では、僕は後ろでご健闘を祈ってます。では)
「凄いね…ヴァイス君みたい…」
「それより、なのは急ごう。
置いてかれてるよ?」
「え!?」
フェイトが指差した先が黒い塊が消えていく…
つまりはアレン達がいるということになる。
「わぁ…急ごう!フェイトちゃん!」
「うん」
なのはとフェイトは、遅れをとりながらも進んでいく…
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
「はぁあああ!!」
全面から飛びかかってくる魔獣を大剣で薙ぎ払い、斬り飛ばす!
「もうちょっと丁寧に倒しなさいよ!」
『Shoot Barret-F』
アレンが討ち漏らした魔獣は、ティアナの誘導制御型の弾丸によって、撃ち抜かれていく。
バイクの後ろにスバルが続く。
「よく乗れたわね!」
「ティアナの操作を見ていたからな…」
「見てたって…」
会話をしながらも大剣で薙ぎ払い、正確に撃ち抜いていく…
アレンがバイクを操作する事で、アレンは大剣を振れる範囲が広くなり、ティアナは両手でクロスミラージュを撃て、スバルは魔力と体力の温存が出来る…
つまり、進みが止まらない…故になのは達より速く進めた。
「ティア。アレンは本当にジッと見てたんだよ」
『Calibur Shot!』
スバルがバイクに追い付き、飛び蹴りを放ち、魔獣を蹴り飛ばす。
「純粋だから覚えが早いってこと?」
「そうそう」
「何の話だ…?」
ドリフトをしながら一回転、周囲の魔獣がバイクに轢かれる…
魔獣の包囲が一瞬だけ解けた。
その隙を逃さず、バイクが止まる…アレンはバイクから跳び上がり、ティアナは左に、スバルは右に構えをとった。
「セグメント結集…行け!!」
「ファントム!!ブレイザー!!」
「ディバイーン!!バスター!!」
アレンは空中で大黒槍を作り出し、前面に向かって投げ放つ!!
橙色と青色の閃光は、左右に存在していたビルごと魔獣を消し飛ばす!!
アレンがバイクに着地、何もいなくなった道路を走る。
しばらく進むと地響きが3人を襲った。
「な、何よアレ!?」
「でっかーい…」
「ウガアアアア!!」
正面に立つのは、十メートルを越える一つ目の巨人…
「トロル種か…」
「トロル?特徴は?」
「トップクラスの怪力、それなりに頑丈、異常な再生力…」
「それなりって何!?」
「竜種以下、雑魚以上…」
「幅が広すぎてわかんないわよ!!」
「ガアアアア!!!」
振り下ろされる棍棒、しかし、尚も突っ込む!
道路が砕け、衝撃波が発生する。
次の瞬間、トロルの足が吹っ飛んだ…
アレン達はフェイクシルエットとオプティックハイドの同時使用で回避していた。
「ガアアアア!?」
「マッハキャリバー!!」
『Load Cartridge!』
よろめいたトロルの頭にスバルが跳躍…空薬莢を一発排出、魔力を圧縮し、全身を強化する!
「うぉりゃああ!!」
飛びかかった勢いのまま、トロルをスバルが殴り飛ばす!
しかし、片足が再生され、踏ん張り、そして…止まった…
「ウガアアアア!!」
「っ!!」
『Wing Road!』
背後に道を伸ばし、後退…水平に振られた棍棒を回避をするが衝撃波がスバルの体勢を崩す…
「まずい!」
「ガアアアア!!」
追撃、棍棒を両手で持ち、無理矢理勢いを止め、返す!
「はぁあああ!!」
一閃…スバルに直撃する瞬間、トロルの背後からバイクが現れ、すれ違い様に胴体を斬り払う!!
弾け飛ぶ血飛沫…咆哮と共に体がずれる…
それでも、再生を続けるトロル…
強引に腕を振り、スバルを吹き飛ばそうとするが、アレンの黒鎖によってスバルを救出、退避した。
「それなりに頑丈…」
「何処がそれなりよ!スバルを止めるなんてそれなりの領域なんかじゃない!」
「済まない…」
「まぁまぁ、ティア、落ち着いて?
アレン、ありがとう」
「いや…行けるか?」
「うん!次は大丈夫!」
「ガアアアア!!」
完全にトロルが回復し地響きと共に立ち上がる。
障壁が展開された…
「またか…障壁破壊は私が担当する…」
「頼むわね…スバル、クロスシフト…出来る?」
「当前!!」
「アレン!スバルが決めるから私達は、動きを止めるわよ!」
「了解した…」
アクセルを捻り加速!
トロルに正面から立ち向かう!
「フェイクシルエット!」
バイクが分裂…二つ、三つと増えていく。
コートから牙弾と黒鎖が無数に放たれ、トロルの視界を覆い尽くす!
「ウガアアアアアアアアアアアアアア!!」
それらに一切構わない…咆哮し最大級の力を込めて棍棒を振り下ろす!
ティアナの幻術は衝撃波によって消えた…
残るのは、正面から来る一台のみ…
「ガアアアア!!」
空弾!口内で圧縮された空気がバイクに炸裂する。
しかし、大盾が展開され、空弾を防いでいた。
トロルはニタリと笑う…空弾を防ごうが、障壁にぶち当たれば終わりだからだ。
盾で前が見えないバイクには、方向転換が出来ない…空弾で終わるか、障壁で終わるかの二択しか残されていなかった…
'このまま'なら…
「力場転換…」
トロルは'頭上'から静かな声を聞き取った…
すぐに反応、上を向いた…
「倍加!!!」
幻術も、攻撃も、バイクすら囮に使い、オプティックハイドで上からアレンが刺突を構え降ってきた…
障壁と激突!拮抗すら出来ず破壊される。
「ゴガア…ーー!!!!!!」
後半は声としては発せられなかった…
何故なら、頭から大剣が貫通し、声帯が無くなったからだ…
そうなりつつも、腕で倍加を発動したアレンを止めたトロルは凄まじい。
「ティアナ…任せた…」
「はいはい!!」
アレンが大剣を放棄して跳躍…同時に障壁が無くなったトロルの股の下をバイクが走り抜ける!
「ガ…ア…アア!!」
足でハンドルを固定…上体を捻り逆さになりながら、未だに再生中のトロルに向けて、クロスミラージュを'二丁'向けた…
(私だって…成長したんだ!!)
『Load Cartridge!』
ターゲットサイトが狙うのは、両腕…
空薬莢が四発排出され、橙色の魔力が集束していく…
「ファントム!ブレイザー!!」
『W・Shoot!』
放たれた二本の閃光は、狙い違わずトロルの肩から上を消し去った…
バイクの座席にアレンが着地、完璧に計算していた…
「流石だ…」
「まぁ、こんなもんよ」
「……」
頭が消えてしまったため、声を出せないトロルは、地響きと共に暴れまわる。
ゴポゴポと黒い泡が傷口から溢れだし再生を開始する。
「後はスバルだな…」
「スバルー!!決めなさいよ!!」
動きを止めることがこの二人の役割…本命は、スバル!!
「決める!!」
稼いでくれた時間の間、圧縮に圧縮を重ねた魔力スフィアを右手の先に展開し、加速する!!
「はぁああああ!!!」
二人の想いに答えるようにグングンと加速するスバル…
向かう先は正面…回避などの考えは、走り出した時点ですっ飛んでいる。
「グガアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
再生した片目でスバルを見据え、棍棒を振り上げる。
右腕の筋肉が増長し、今までで最大の力が込もっているのが分かる…
それを見ても、スバルはただ、このスフィアをぶち込むことしか考えていなかった…
トロルの中心目掛けて拳を打ち放つ!
同時、トロルもスバルに向けて棍棒を振り下ろした!
凄まじい音が鳴り響いたはずだった…しかし、それすらもスバルには聞こえていない…
「うおぉぉおおお!!!」
「ゴ…アアア…」
スバルの瞳が金色へと変わった瞬間…棍棒が砕け、リボルバーナックルがトロルの中心に突き刺さる!
残るカートリッジを全て弾き出す!!
『Divine Buster Zero』
「ディバイィィィイン!!!バスタァァァアアーーー!!!!」
「ガアアアアアア!!!」
右腕から魔力が流し込まれ、魔力スフィアが内部で炸裂!!
振動破砕の能力で更に分解され、文字通り塵も残さず消え去った…
「はぁ…はぁ…終わった〜〜…」
「よくやった…スバルも流石だ」
「あはは…でも、結構くたくた…」
「ったく…だらしないわね」
「ティ〜ア〜もちょっと優しくしてよ〜」
「今回はよくやったわね。私の元パートナーだったんだから当たり前だけど」
「わぁ…うん!当たり前だよね!楽勝楽勝!!」
「調子に乗るな!!」
「とりあえずは…終わりだな…」
「とりあえずって…まさか…」
「まだあるの!?」
『こちら、なのは。聞こえてる?』
アレンのためにバイクに取り付けた無線からなのはの声が響く…
「聞こえている…出てきたか?」
『うん…そこから約一キロ先に黒い湖が出来た…』
「それが、この群れを束ねていた魔獣だ…」
視線を向けると、黒い湖が一気に吹き上がり、形を成していく…
『……見えてる?』
「ああ…」
「嘘…あり得ないわよ…」
「まだ…あんなのが出てくるなんて…」
そこには、体格50メートルを越える8つの頭を持った黒竜がいた…
「赤竜と以前戦ったな?」
「え、ええ…」
「強かったね」
「アレが成体になると黒竜へと変わる…」
「ちょっと…待ってよ…じゃあ…前の竜は…」
「幼竜だ…」
衝撃の事実がアレンの口から告げられた…
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
ティアナSIDE
「アレンさ〜ん!!」
「バレッタ?」
私達の後からグロウ陸曹が低空飛行で、追い付いてきた。
「あれ?バレッタ君、飛べたの?」
「そんなに高くは飛べないですけどね」
「ていうか…スバル、グロウ陸曹…いつのまに仲良くなったんですか…」
「「昨日だよ?/昨日ですよ?」」
昨日って…大食いしてただけじゃない…あ〜あ…
「またバカが増えた…」
「あははは!バカですいません。あと、僕のことはバレッタとお呼びくださいティアナさん?」
「こっちは名前呼びを許可した覚えは無いんだけど?バレッタ」
「やっぱりこっちの方が馴染みます」
「話し…聞いてる?」
拒絶したつもりだったんだけど…スバルと似たような感じだし…時間の問題か。
「バレッタ…」
「民間人の安全の確保と魔獣の排除どちらも完了しましたのでこちらに援護に来ました」
アレンが何も言っていないのに、バレッタはスラスラと答えていく。
アレンは少し驚いたみたいだったけど…わかりにくいわね…
「そうか…よろしく頼む」
「はい!」
「で?私達の役割を教えてくれる?」
「私とスバル、なのは、フェイトは、直接、黒竜にダメージを与える」
「オッケー!」
「私とバレッタは?」
「…ティアナとバレッタは、目を狙え…成体ともなれば、鱗に通る射撃などは無い」
「それで、隙を見つけたら砲撃を…」
「ダメだ…援護に回ってくれ」
「私を信頼出来ないの?」
「信頼している…」
「なら!」
「ティアナの射撃の腕を…な。
本来なら、射撃型など前線から下げるところだ…」
「……」
「私達の背中を…預けていいか?」
私とバレッタが目を潰せばアレン達の危険度は下がる…
ちゃんと…アレンは信頼してくれている…
「しょうがないわね。やってあげるわよ」
「もの凄く言いづらいですが、僕もいますよ?」
「お前なら出来るだろう?
自信が無いなら加勢になどこないはずだ…」
さすがに、冷静沈着ね…よくわかってる。
「……やっぱり貴方は最高ですーーー!!!!…ってティアナさん?何をしていらっしゃるのですか?」
「別に。アレンがこれ以上変な道に進まないように保険よ」
今にもアレンに飛びかかりそうなバレッタに向けて銃口を向けておいた
「…?よくわからないが…なのは…」
『うん。私達が主力になるんだね?』
「そうだ…一緒に行ってくれるか?」
『もちろん!ね?フェイトちゃん?』
『うん。空戦が出来る私達が頑張らないとね』
「ありがとう…行くぞ」
「ええ!」
「頑張るぞー!!」
「お〜!!」
「スバルとバレッタはうっさいのよ!!」
「「ごめんなさい」」
私は、アレンと運転を交代し、アクセルを捻り加速する。
黒竜は何もせず、私達を待っているかのように首を揺らすだけだった…
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
黒竜まで300メートルを切った時、無言だったアレンが話す。
「ティアナ、バイクを任せた」
「気をつけなさいよ?」
「ああ…ティアナもな」
「はいはい」
座席から立ち上ち、跳び上がりビルを蹴りながら黒竜にアレンが向かう。
「じゃあ、ティア、バレッタ君頑張ってね!」
「お気をつけて」
「あんまり無茶するんじゃないわよ?」
「ん〜私にはちょっと無理かな?」
「スバル!」
「あはは!じゃね〜」
ウイングロードを伸ばしアレンに続く。
「よいしょっと…」
「バレッタ?」
空を飛んでいたバレッタが後部座席に降り立ち、デバイスを構える…
「まさか…」
「もう、僕の射程圏内ですので、撃ちます」
「なっ!」
いくら巨大な黒竜とは言え、まだ目は点にしか見えない…
しかし、バレッタは構わずスコープを覗き込む…
バレッタの瞳が小さくなり、目標に集中する…
バイクの振動も風も何も感じない…
デバイスが身体の一部となった時、ゆっくりと引き金が引かれた…
一筋の細い閃光が疾り、一体の黒竜の目へと吸い込まれていった…
「グォアアアアアアア!!!!」
「当たった…?」
「みたいですね」
一体が天に向けて叫び出す…
バレッタの一撃によって戦いの火蓋は切って落とされた。
上空
「ホントにバレッタ君は凄いね…」
「なのは、私達も負けてられない!」
「そうだね!!」
『『Load Cartridge!!』』
一気に急上昇、黒竜の遥かに上に飛び上がる。
撃鉄が起こされ、火花が舞い散る…
「エクセリオン!バスター!!」
「トライデント!スマッシャー!!」
莫大な威力を誇る桜色と金色の砲撃が片目の黒竜に降り注ぐ!!
爆煙…その中から紅蓮の炎が吹き上がる!
『Flash Move』
『Sonic Move』
しかし、予測済み、高速移動魔法で回避する。
黒竜を取り囲むように青い道が伸びる。
「リボルバー!!」
「グォアアアア!!!」
突っ込んで来るスバルに残りの七体の首が突撃、しかし、消失するスバルの姿…
ウイングロードからアレンが跳び上がり黒鎖でスバルを引き上げた結果だった…
七体の牙を避けた今、狙うは手負いの一体!
首をもたげ火炎を吐き出そうとした瞬間、残った片目が潰れた…
「グアアアアア!!」
(考えて戦いなさい!!)
「ティア!ありがとーーー!!!」
大砲が鳴ったような音が響き、リボルバーキャノンが叩き込まれる。
グラリと頭が揺れ…ずり落ちた…
「まずは一匹…」
黒竜の背中にアレンが振り抜いた形で立っていた… 即座に伸びてくる二体の首を、後ろに飛ぶことでさらに引き伸ばす…
「フェイト!!」
「撃ち抜け!雷神!!」
『Jet Zanber』
待機していたフェイトのバルディッシュザンバーが振り下ろされ、長大な刃と化し、二体の首を切り落とす!
合わせて真ん中三体の首が無くなった…
「なのはさん!!」
「バランスよくしちゃってください!!」
「グォアアアアアアア!!!」
左右に別れたティアナとバレッタからの射撃、クロスファイアシュートとヴァリアブルショットが黒竜の両目を潰す…
「貫通なら…」
『Divine Buster EX』
「ディバイーン!!」
「ガアアアアア!!」
させじと四体の竜が左右から挟み込む!
「フォトンランサー…」
『Phalanx Shift!』
大量の雷槍が四体に降り注ぎ、なのはを守るべく弾幕を張る。
二体は迎撃、残るは二体。
「「はぁあああ!!!」」
「「ガアアアアア!!」」
ウイングロードを駆け登り、流星のように降ってきたアレンとスバルが二体の竜を叩き落とす!
これでなのはを阻むものはいない…
「グォアアアアアアア!!!!」
「バスタァァーーー!!!!」
生命の危機に嗅覚でなのはの位置を探り当て、火炎を吹き出す。
同時になのはも砲撃を放ち、拮抗する!
「砲撃で負けるわけにはいかないよね!!レイジングハート!!」
『All Right
Load Cartridge!!』
「ガアアアアア!!!」
空薬莢を弾き出し、威力を上げていく…
生体のドラゴンブレスさえも押し返し、桜色は、黒竜の頭を消し飛ばした…
「よし!もう少しだね!」
なのはが追撃をかけようとした瞬間…黒竜の身体がビクリと痙攣する…
「……」
アレンは感じた…今、決めなければまずいと…
術式を演算…答えの中に魔力を注ぎ込み、ウイングロードを使い最上段を目指していく…
今まで冷静沈着だったアレンが焦っている…その事実になのはとフェイトの二人は、感じとる…決めなければならないと。
「全力全開!!スターライト!!」
「雷光一閃!!プラズマザンバー!!」
カートリッジ全排出…巨大な魔力球を作り出す。
アレンは、最上段から跳び上がり大剣を振り上げながら落下していく…
黒竜の首は、一本になり、傷口が塞がった…
「グォアアアアアアア!!!!」
「力場転換!倍加!!!」
「「ブレイカァァーー!!!」」
集束砲撃が胴体に叩き込まれ、鱗を削り、巨大を押していく…
アレンの大剣は、頭へと叩き込まれ…止まった…
やがて集束砲撃も消え去った…
「な…に…」
「集束砲撃に耐えた!?」
「アレン!逃げて!!」
「な…」
「ガアアアアア!!!」
首が振られ、アレンの体が宙を舞う…
今までは止まっていた三本の尻尾がくねり、アレンに叩き込まれる!
ビルを貫通させながらアレンがふっ飛んだ…
「なのはさん!フェイトさん!スバルさん!そいつから離れて下さい!危険です!!」
「アレン!アレン!!」
「スバル…行くよ…」
「く…」
集束砲撃にアレンの倍加を耐えきった黒竜に敵うメンバーは今はいない…
辛い表情をしながら前線は撤退した。
「グォアアアアアアア!!!!」
黒竜は吹き飛ばしたアレンの方向を向き、紅蓮の業火を口内に溜める…
己を傷つけた男に止めを刺すために…
「やめてええええ!!!」
「ガアアアアア!!!」
放たれる瞬間、黒竜の右目に橙色の閃光が突き刺さる…
「ティア!!」
「スバル!行っちゃダメ!!」
「スバル戻って!!」
なのはとフェイトの言葉も聞かず、スバルはティアナに向けて走り出す!
「グォアアアアアアア!!!」
砲撃が効いたのは一瞬…直ぐ様黒竜がティアナを捉え業火を吹き出した!
「あ…」
「ティーーアーー!!!」
「スバ…ル…」
スバルがティアナの正面に立ち、プロテクションを展開。
しかし、業火は二人の姿を飲み込んでいく…
カートリッジを全て弾き出し、プロテクションに強化に強化を重ね、耐えるスバル…
「くぅああ…」
「私のも…」
自身の魔力をスバルに譲り渡し、さらにプロテクションを強化する。
それでも、ビビが入っていく…
『『Reactve Purge!』』
プロテクションが砕けた瞬間、バリアジャケットの外装を炸裂、最後の手札を使い、耐えきった…
「はぁ…はぁ…」
「く……」
しかし、スバルもティアナも手足に火傷を負い、満身創痍になっていた…
黒竜は容赦はしない…止めと尾を二人に叩きつける!!
周囲の地面が砕け、衝撃で瓦礫がふっ飛ぶ…
その一撃をアレンが防いでいた…
「倍加…極」
「ギアアアアア!!?」
アレンが呟いた瞬間、三本の尾が血飛沫を舞い上げながら吹き飛んだ…
「ア…レン…良かった…やっぱり…生きてた…」
「大丈…夫?」
「ああ…済まない…遅くなった。後は私に任せてくれ…」
「頼むわね…」
「お願い…」
「ああ…寝ていろ…」
ゆっくりと黒竜に振り返る…
「グォアアアアアアア!!!!」
「何を吠える…貴様程度の存在が…」
次の瞬間、アレンから莫大なる殺意が放たれる…
離れているなのは、フェイト、バレッタにすら届く殺意…
「アレン…だよね?」
「うん…」
「あれが…アレンさんの本気…」
なのは達が見たアレンは、どこかボーっとしていて、戦士という感じでは無かった。
しかし、今、目にしているアレンは、戦士を通り越し、戦神とも思えるオーラを放っている…
「お前は…私が殺す…」
「ガアアアアア!!!」
一人の男と巨大な黒竜との闘いが始まろうとしていた…
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
ア
「後書き説明コーナー…」
テ
「暗いのよ!!後書き説明コーナー!っくらいは頑張りなさい」
ア
「……後」
ス・バ
「後書き説明コーナー♪」
テ
「アンタ達が言ったら意味ないでしょうが!!」
スパパパーン!!
ア・ス・バ
「ぐあ/あぅ/がふっ」
テ
「ったく…」
ア
「私が攻撃された意味がわからない…」
テ
「ついでよ」
ア
「……寝る」
ス
「あ〜!主人公が寝ちゃダメだよ!」
ア
「私はあまり会話は得意では無い…寝ても何も問題は無い…」
テ
「まぁ、確かに」
ア
「……」
テ
「ホントに寝てんじゃないわよ!!」
スパコーン!!
ア
「ぐぅああ…」
バ
「ちなみに解説すると転がったアレンさんの顔面をハリセンでしばいた…という感じです♪」
ア
「……何故」
テ
「ほら、男ならいつまでもグダグダ言わない」
ア
「私は何もしていない…」
テ
「(ニッコリ)」
ア
「…済まない」
ス
「さて、適度にアレンが萎えてきた所で、説明を始めます」
バ
「僕のプロフィールです」
バレッタ・グロウ
年齢二十歳
性別:?
身長:152センチ
体重:42キロ
階級:陸曹
魔導師ランク:A+
概要
二十歳なのに、子供料金で生活出来るラッキーな社会人。
また、顔立ちも幼く、普通に小学生の中〜高学年として紛れ込める。
ティアナが気づいていないのは、メイクと超上げ底靴で誤魔化しているからだったりする…
何故そのようなことをすりかは、もちろん彼の趣味である。
すっぴん&通常の靴の場合、女性局員にモテモテという羨ましい奴。
バ
「なんですかこれは!!
まず、性別?って僕は男ですよ!!」
ス
「そうなの?最近流行りのボクっ子かと…」
バ
「違います!!」
テ
「何だ…残念…」
バ
「それ、物凄く傷つきますよ!?」
ア
「すっぴん…とは何だ?」
バ
「う…」
テ
「そうよ。化粧なんかしてるの?」
バ
「こ、これはですね…顔立ちが幼すぎて、局員と言っても信じてもらえないので仕方なく…」
ス
「趣味であるって書いてあるよ?」
バ
「神の陰謀です!」
ア
「モテモテ…というのは?」
バ
「聞かないで下さい…」
テ
「しっ!」
ガスッ!
バ
「うわっ!」
ドテッ!
ア・テ・ス
「……」
バ
「く、靴が!」
テ・ス
「ちっちゃ!!」
バ
「ぐふっ!!」
ア
「……」
ポンポンとバレッタの肩を叩く…
バ
「一番アレンさんが痛いです!!」
テ
「まぁ…その他もろもろは本編で聞くわ」
ス
「そだね。じゃ、皆さんこの辺で」
ア
「次回は戦闘の続きと日常…の予定だ」
バ
「ふふふ…さて…それでは次回に…」
テ
「Take off!」
ア
「何だそれは…」
テ
「恥ずかしいんだから聞くなーー!!!」
スパーーーン!!!
ア
「ぐふっ!」
終幕
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。