漸く投稿です。いや、中々進まなくて申し訳ないです(汗) では、どうぞ〜
EP:16 錬成師
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
気絶した少女の前に座り込むこと30分、その間、ピクリとも動かず、少女のそばで待ち続けた。
「……」
『なぁ、アンタ、起きてるか?』
「む……?」
気絶している少女のベルトから男の声が響く。
「デバイス、か?」
『ああ』
「何故、普通に話せている。クロスミラージュなどはよくわからない言葉を話すが?」
『最近はデバイスの性能も上がってきてるからな。
俺みたいなデバイスも珍しくねぇんだよ』
「そうか。して、お前の用件は何だ?」
『コイツには悪いが、何でこのバカの事待ってんだ?』
コイツとはもちろん少女のことであり、何故バカ呼ばわりなのかと言うと、自滅したからに他ならない。
「私が声を掛けなければ、この少女はこうはならなかった筈だ……」
『どのみち滑って転んでなってたと思うがな……
だいたい少女ってお前何歳だよ?』
「一応、16の筈だ……」
『一応って……』
「正確な年齢はわからないのでな……」
『ボケか?』
「仲間によくバカとは言われるが……」
『そうかぁ、そいつは難儀な話だな』
「そうなのか?」
『16でボケが始まるなんて、滅多に無いからな』
「そうか……」
会話が合っているようで全く違う次元で話すアレンとデバイス。
勘違いを加速させながら二人はさらに話す。
『あとな、少女って言うの、止めとけよ?』
「何故だ?」
『コイツ18だから』
「……」
無言のまま、アレンはベルトから少女の全身へと視点を移す。
全身をゆっくりと観察。
『見えねぇか?』
「少々、若く見えるな……」
『ガキだからなぁ、主に胸とか、ペッタンだろ?』
「よく、わからない……」
『なんなら触って確かめちまえ♪ 気絶してるしバレねぇよ。さぁ、ずずいっと!』
「いや、やめておく……」
『アンタ、ノリ悪いな』
「意味がわからない……」
ティアナの教育のお陰か、デバイスの危険な誘いを回避し続けるアレン。
この他にも、デバイスは進めてきたが、固くなに断り続けること約10分。
「ん……」
『もう少し寝てれば良いものを……』
「……お前はその女性の味方では無いのか?」
『バカ言うな! 俺は面白いことが起きそうな方に味方する!』
「……誇るな」
アレンの冷やかなツッコミが炸裂する中、一応の女性の瞼が開かれ、黒目が光を取り込む。
「大丈夫か?」
「……」
起き上がった女性はアレンと視線がぶつかる。
無言のまま見つめ合うこと三十秒……
「わっ、わっ!」
『今更かよ……』
漸く脳が目覚めたのか、跳ね起き、バク転を行いつつアレンから距離をとる……。
「アルタ……あの人、誰?」
『ん?』
「私は……」
『アイツは敵だぜ!』
「っ!」
『気絶させて、お前の胸を触ろうとしてた変態だ!』
「えっ!?」
アルタと呼ばれたベルト型デバイスの発言に、女性は敵意をあらわにする。
「おい、デバイス……」
『あ〜何も聞こえない俺は聞こえない』
「……」
聞こえないフリをするデバイスに、小さく溜め息をつき、女性と向き合う。
女性は、胸を押さえて赤くなってアレンを睨む。
「生憎と、私はそう言った物に興味は無い」
「え?」
『アレか、もっと凄いことを……』
「っ!」
収まりかけた女性の怒りはアルタの言葉によって、さらに燃え上がる。
アレンはデバイスには何を言っても仕方がないと諦めた。
「先程も言ったが……」
「ボクは……」
「?」
アレンの言葉を遮り、女性は話し出す……。
アレンは、相手を尊重するために黙るが、それは間違いだと悟ることとなる。
「ボクは、友達にそういう胸だとか触られた所でスキンシップだと思って気にしないけど、キミは友達で無ければ、知り合いですらない……。
ボクの言っている意味、キミにわかる?」
「わかるが……取り合えず、誤解……」
「なら、キミは立派な犯罪者だってことだよ。……ボクは悪事は絶対に許さない。ボクは、君を捕縛する!」
『流石マコト! ノリ……いや、正義の味方だな!』
「どうすれば……」
アルタの発言から始まった女性の壮大な勘違いに、アレンは頭を悩ませる。
相手は女性であり、かつ何も悪いことはしていないため、傷つけるわけにはいかない。
しかし、いくら悩んだ所で、アレンはティアナのような話し合いは不可能。……結論。
「仕方がない……か」
女性が魔導師と言うことは既に確認済みのアレンは、両腕に籠手を編みだし、構える……。
大剣を使わない。これがせめてもの思考だった。
「……」
女性は、右腕を左上に動かし、ゆっくりと時計回りに円を描く、ピタリと止まり、腰のベルトに手を当てる!
「変身っ!」
女性の姿が変わる……。
スバルのような動きやすそうなイメージ。女性は赤のラインを基調とした服、スパッツにミニスカートであり、プロテクターも着けていた。
「近接型……か」
格好から戦闘方法を予測、アレンは両腕を持ち上げ、警戒する……
『スゲェ……マコトの変身を見てここまで無反応なんて想定外だぜ……』
「……」
アレンは、アルタの言葉に何かを返そうかとしたが、無視を決め込む。
女性から放たれる気からして、決して油断できる相手では無かったためだ。
「まずは!」
女性が動く。腰に装着されていた銃に手が動き、抜き放つと同時にアレンに連射される。その数、12発。
しかし、アレンは避けようとせず、頭のみを動かし、最低限の弾丸以外は全て受けた……。
「はぁぁぁ!」
左脚からの上段回し蹴り!
弾丸と共に突撃していた女性はアレンの頭へと全力で蹴りを叩き込む!
しかし、女性の表情は驚愕に染まった……。
「っ!」
『マジかよ……』
「良い牽制だ……」
何故なら、上段に叩き込まれた筈の回し蹴りはアレンの右手籠手にあっさりと防がれていたからだ。
アレンが先に弾丸を避けなかった理由は、牽制だと見抜いていたためだった……。
「まだまだぁっ!」
「……」
弾かれたように脚を引き戻し、連続して蹴りを放ち、回転から右拳を打ち付ける。
しかし通らない。籠手に防がれ或いは避けられ、拳は受け止められた……。
「喰らえ!」
女性は怯まない。左腕に持つ銃を突きつけ、トリガーを引いた。
瞬間、金属独特の高い音が鳴り響く……。
「無駄だ。通りはしない……」
アレンも同じく空いた片方の腕を顔前で構えていた。
至近距離で放たれたにも関わらず、常人離れしたアレンの反応速度によって弾かれたのだ。
「またっ!?」
『ちくしょう……。コイツやりがる……』
「女性よ。貴女は……」
『体術でダメなら、アレ、やっちまえよ。マコト!』
「うん!」
「……」
誤解を解こうと説得しようとするたび、何故かアルタは邪魔をしていた。
結果、アレンの健闘虚しく女性は魔力を吹き出す……。
「武装錬成!」
女性が叫ぶ。
銃から剣が飛び出し、銃剣となったのも束の間、銃剣を光が包み、形を変えていく……。
「錬成……レヴァンティン!」
『完了っと!』
「……」
言葉は無いが、アレンの内心は驚愕に染まっていた。
ただの銃剣から片刃の剣、シグナムが持つレヴァンティンを作り出したのだから当たり前である。
それでも声に出さないのは、相手を勢いに乗せないため。
アレンの中にある記憶がその答えに導いたからだ。
「行くよ!」
右のレヴァンティンを構え、女性は再度アレンに肉薄、斬りかかる!
袈裟、斬り上げ、斬り降ろしと変化する女性の剣撃に籠手を合わせ、防ぐアレン。
「ちっ!」
しかし、レヴァンティンの切れ味は鋭く、籠手に食い込む物まで出始める……。
本来、籠手とは、防いだ一瞬の隙に相手に反撃を加える防具。
攻撃を何度も防げる物ではない。
防ぐうち、遂に籠手は砕け、アレンの体勢が崩れる……。
「やぁぁっ!」
その隙を女性は逃さない。
渾身の力を込めた刺突をアレンの中心へと放つ!
流石に受けるわけにはいかず、跳躍……。
「行けるか?」
翻るコート、無数に放たれるのは黒鎖の雨!
女性を絡めとらんと動き。
「アルタ!」
『エクスプロージョン! ……なんつって!』
「ふっとべ!」
レヴァンティンに纏われる女性の魔力。
それはやがては炎となり紅き軌跡を残す……。
軌跡は、真一文字に振り抜かれ、黒鎖を弾き飛ばし、消滅させる。
「超変身っ! 千里を見透す翠の射手……」
『ヒンメルフォルム!』
未だ空中にいるアレンに対して、女性は動く……。
赤のラインは緑へと、レヴァンティンは銃剣へと戻りさらに変更、瞬く間に形が変化し、ボウガンとなる。
「必殺!」
『ドカンと行くぜ!』
輝く魔力。危険と判断したアレンは、コートから大盾を引きずり出し。
「シュツルム!」
『ブラストォ!』
「……」
ボウガンから放たれた砲撃によって大盾ごと紅蓮の炎へと包まれる……。
そんな炎の熱を感じながらアレンは思考を重ね、思考終了、動く!
「あっ!」
『逃げた!?』
大盾の裏を蹴り、崖から森の方角へと跳躍する。
逃がすまいと女性はアレンを追いかけ、森の中へ……。
「はぁっ!」
『マコト、後ろだ!』
「くっ!」
木々を蹴り、縦横無人に飛び回るアレンは、女性の背後へと回り込み、蹴りを叩き込む!
アルタの指示に反応し、なんとか障壁を張ったが、アレンは止まらない……。
コートから杭を編みだし、障壁の中心へと突き立てる!
「はぁぁああ!」
「くぅ……」
打つ、打つ、打つ!
ただひたすらに、障壁を破るためにアレンは四肢からの体術を連続して叩き込み続ける!
ミシミシと亀裂が広がり後一撃と、思いきり振りかぶり、容赦なしに打ち込まれた杭は、障壁を砕く……。
が、そこに女性はいない。
「天翔る蒼き龍騎士」
『ドラッへフォルム。錬成は如意棒だぜ!』
「ふっ……賑やかだ……」
「?」
アレンの背後。青基調となったバリアジャケットに、赤い棒を持つ女性がいた。
対し、笑ったアレンに首を傾げるが、それも一瞬。
棒をクルクルと前面で回し。
「はっ!」
構えると同時に爆発的な加速と共に女性が踏み込む!
風を切り裂き、そのままの勢いのまま棒を横殴りに叩きつける。
それを、さも当然のようにアレンの籠手は防ぎ、微動だにしなかった……。
「行くよ……アルタ!」
『おうよ! ソニックロッド! ぶちかませ!』
棒へと纏われる紫電、棒の先端を下に向け、膝に力を入れる。
防御の一切捨てた、スピードと手数で勝負のそれは正しく怒濤の型。
「来い……」
瞬間、女性が駆ける!
放たれるは無数の突き。残像すら残す舜撃をアレンは籠手で受け、或いは流し、或いは弾く。
「まだまだまだまだまだぁぁ!!!!!!」
『そらそらそらそらそらぁぁ!!!!!!』
「っ……」
それに女性は構わない。幾ら防がれようとも土煙を舞い上げながら女性は踏み込む、踏み込み続ける!
その様はまさに疾風怒濤。神速の突きを受け止めきれず、アレンは後退していく……。
しかし、アレンがただで下がる訳はない。
「捉えたぞ……」
突きを見切り、籠手では無く、掌に包み込む。
瞬間、女性は反応、待っていたとばかりに笑った……。
「アルタ!」
『痺れちまえぇぇええ!』
「くっ!」
棒から弾ける紫電の威力が上がる。
アレンと言えど、持っている訳にはいかず、跳躍を行い距離をとる……。
対し、女性は引き絞るように棒を構える……。
「伸びろ、如意棒!」
棒を突き出す。伸びる、伸びていく。
到底届く筈の無いアレンの高度に届くまでに!
直撃かと思われた。しかし現実と事実は異なる。
アレンの姿が消えたからだ。
だが、女性の目はその姿をしっかりと捉えている。
アレンは黒鎖を地へと打ち込み、回避していた。
アレンが跳躍、木を壁として利用、全身のバネが解放の時を待つ……。
女性は逃げない。アレンと同じく、木を利用、同じ動きなら狙いもまた同じ。
「「っ!」」
解放される全身のバネ、その威力は壁として利用した木々をへし折った事が証明している。
20mは空いていた距離は、瞬間で縮まり、女性は上段に振り上げ、アレンは下段に右拳を引き絞る。
女性が狙うは叩き下ろし、アレンが狙うは振り上げからのアッパーカット。
「「はぁぁぁっ!」」
静かなる森から、眠っていた鳥が羽ばたき飛び去った。
重い音によって飛び起きたからだ。
正体は、アレンと女性の一撃だ。
威力は同等、互いに弾け飛び、空中で体を捻り体勢を立て直す。 確実に腕が痺れたであろう一撃に構いもせず、同時に回転軌道に重心を移動。
棒の先端に纏われる紫電と拳に纏われる魔術……。
「ライジング!/力場転換……」
「ブレイク!/倍加!」
ぶつかり合う紫電と拳。
激烈な衝撃が森林を走り抜け、周囲の木々を薙ぎ倒す!
「はぁぁっ!」
バキッと言う音が響き、宙を待ったのは女性の棒。
アレンの拳が棒をへし折ったからだ。
しかし、女性は折れたと分かるや、距離を取り、再び光に包まれる……。
「超変身っ! 強大なる紫の魔獣……」
『ベヘモトフォルム!』
紫を基調としたバリアジャケットとなり、右脚に炎を纏う!
跳躍……、開けた距離を一気に詰め、脚を天空へと振り上げる!
「やるぞ、ウルフ……」
『魔力、使用基準値突破。マスターのご要望はいかほどでしょうか?』
「あれを止められるだけの力を……」
『了解しました』
アレンの周囲に広がる紅く輝く幾何学的紋様。
その粒子はアレンへと取り込まれ、ウルフへと流れ込む。
「バーニング!」
『マコト、ボケは!?』
「今日は無し!」
『なぁにぃー!?』
「ドロップ!」
女性の踵落としはアレンへと吸い込まれる!
直撃の瞬間、流れるようにアレンの腕が上がり、照準を固定……。
「シュートバレット……」
『Barret-B』
即座に射出される紅い弾丸。
女性の踵落としと激突、衝撃波を放ちながらその身を削る!
「ぉぉぉおお!」
しかし、長くは持たず、女性は弾丸を蹴り落とす!
舞い上がる土煙、止めと女性は踵落としを地割れと共にアレンへと叩き込んだ……。
「あれ?」
『いねぇぞ!?』
「終わりだ……」
女性とアルタが気づくのを待っていたかのように、アレンの声が響いた……。
「わぁぁあああああ!」
『マコト!?』
その身に幾重にも巻き付いていく黒鎖は、女性の動きを封じ込める。
「わ、た、倒れ……あれ?」
「……」
バランスを崩し、倒れる女性を支えるアレン。
そのままお姫様抱っこで木の幹に移動、黒鎖を解除する。
「怪我は無いか?」
「え?」
今まで戦っていた相手から心配されたことの意味がわからず、女性は混乱する。
この人は敵で、犯罪者なのでは無かったのかと。
「貴女に理由があり、私を捕縛するのなら構わない。ただ、一応になるが、話を聞いてもらいたい……」
「う、うん……」
『まずい……』
そうして、女性はアレンから一つ一つ事細かに事情を聞いていった。
話を聞くうちに、女性のアレンに対しての態度は良くなっていき、反対に……
「アルタ、これは一体どういうことなのか、言ってみようか?」
『……』
「アルタとやら、私にも説明を要求する……」
『えっと、そのだな……ノリ?』
「アーールーーターーー!!!!」
「……」
『いや、だってな? そっちの方が面白かったし、実際楽しんでただろ?』
アルタの言い訳もあながち間違いでは無かった。
変態と勘違いしていた女性はともかく、アレンは楽しんでいたのは事実だった。
「確かに、な……」
『ほら、な!? つまり俺の行動は間違いじゃ……』
「アルタ、分解するよ?」
『悪い。マジにそれだけは勘弁してくれ……』
「全く……え〜と……アレンさん、でしたよね?」
「ああ。アレン・テスタクルと言う者だ……」
女性は、とんでもない勘違いからの羞恥から、赤くなりながらアレンと向き合う。
無論、謝罪するためだ。
「今回は、本当にすいませんでした!」
「いや、私が悪いのには変わり無い。謝罪は不要だ」
「でも……」
『兄ちゃんはいいって言ってんだから……』
「アルタ、うるさい」
『……』
「あの、ボクに出来ることなら何でもやりますから!」
「そうか?」
「は、はい……」
アレンは暫く考え、改めて女性に向き直る。
「では、貴女の名前を……」
「ま、マコト・エイシャンです……」
「では、マコトと呼んでも良いだろうか?」
「ど、どうぞどうぞ」
「マコト?」
「はい!」
「私に敬語は必要ない。どうやら歳は私が下のようだ。呼び捨てで構わない……」
「と、年下!?」
「ああ……」
身長、162センチのマコトから見れば、アレンは、かなり身長が高く、その差20センチ近い。
さらに、アレンは寡黙なため、通常より大人びて見える。
故に、マコトは敬語を使っていたのだが、実は年下という事実に、一気に固さが抜け、緊張は解けてしまった。
「おかしいか?」
「ちょっとびっくりした、かな。アレン君って呼んで良い?」
「好きに呼べ」
「ありがとう、アレン君」
「ああ。マコト……行くぞ」
「行く?」
目的地があるかのように先に歩くアレンに、マコトはつられて歩き出す。
「ここは調査地帯らしいのでな、私達の拠点に案内する……」
「拠点? ボクなんかが行っても良いの?」
「構わない。というより、ここは危険だ……。危機回避のためにも来て欲しい……」
「もしかして、ボクのため?」
そう聞かれるとアレンは真剣に悩み込む。
約五分間の間、じっくりと考えた末に漸くアレンは顔を上げた。
「マコトを危険に巻き込みたくないのは事実だが、私がマコトのためを思って言っているのかはわからない……」
「あはは!」
「? なにがおかしい?」
「アレン君って変な人だね♪」
「よく、わからない……」
『十分変だろ。なんせ……』
「アルタはしばらく喋らないでね?」
『……』
マコトのアルタに対しての怒りは地味に深く、キャンプに着くまで冷めなかったという……。
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
第一キャンプの入り口にて、腕組みをして瞳を閉じ、ひたすらに耳を澄ませる人影が一つ。
その隣で、苦笑いを浮かべる人影がまた一つ。
ティアナ・ランスターとスバル・ナカジマの二人である。
「……」
「ティア〜、アレンなら心配ないって。信じて待ってようよ、ね?」
「別に心配なんかしてないわよ……。アイツが返ってくるのもわかってる」
「じゃあ……」
部屋に戻ろう? そう言葉を繋げようとしたスバルを遮り、「でも」と、ティアナが言った。
「私に無断で出ていくなんてなんかムカつくわ……」
「それって、やっぱり心配……」
「してない!」
「ホントにティアは意地っ張りだね……」
「うる……」
「し〜。夜なんだから静かにしないとダメだよ」
「だったら余計なこと言わないでよ……」
「はぁ……ごめん」
「その溜め息は何よ?」
「何でもな〜い」
「……まぁいいわ」
意地を張らなければいいのにとスバルは思う。
ティアナが起きた時、既にアレンはベッドにおらず、もぬけの殻。
それを見たティアナは、明らかに焦っており、それは、長年の付き合いであるスバルで無くとも一目でわかる程だった。
その後、ティアナはキャンプの中を走り回り、アレンを捜索するが当然見つからない。
馴れない土地の外に出るのは危険行為なため、仕方なく入り口でアレンを待っていた。
その間、一時間。ただ、森林を見つめていた。
これで心配していないと言うのは無理があった。
「あ……っ!」
森林から真っ直ぐにキャンプを目指す人影が見えた瞬間、正しく思わず、と言った感じにティアナの口元が声と共に笑みを浮かべる。
が、直ぐ様スバルの視線に気付き顔をスバルからそらした。
「良かったね、ティア♪」
「う、うっさい……」
「照れてる照れてる♪」
「黙ってなさい!」
からかうスバルに吠えるティアナ。
そして、ティアナとスバルは聞いた。
自分達以外の声を……
「へぇ〜。アレン君の武器ってコートにしまえるんだ」
「ああ。正確にはしまっているわけではない……。
分子レベルまで分解した物質をコートとして纏っている」
「便利だね。ボクにもそれ、出来ないかな? 錬成の武器運びに便利そう……」
「恐らくだが、無理だろう……。この世界の技術は確かに凄まじい物があるが、このような物は始めてみるとなのはも言っていた……」
「なのはさんってあの!?」
「どのなのはさんかは知らないが、私が知っているのは高町なのはただ一人だが……」
「凄〜い! アレン君、今度その時の話も聞かせてよ!」
「構わないが……」
「やった〜♪」
アレンがなんだかよくわからない男の子? と話している。
アレが誰なのか、そんなことはティアナはどうでも良かった。
ただ、目に見えて震えていた……。無論、怒りで……。
「あ、あの、ティア? アレンには何か事情が」
「……」
「あれ? ティア〜?」
スバルを無視し、ずかずかとアレンに向かっていくティアナ……
「ティアナ……待っていてくれたのか?」
「……」
「ティアナ? わぁ、ティアナ・ランスターさん!?」
「……」
ティアナは、アレンの疑問も、マコトの疑問も全て無視する。
「ティアナ?」
「アンタは……」
「どうした?」
「っ!」
短い呼気。ティアナの取った行動は足払い。
予想外の事にアレンの反応は遅れ、倒れ込む。
電光石火でアレンの腕を取り、背中に回す!
「ティアナ!?」
「人が心配して待ってるのに何、友達つれて仲良く喋ってんのよーーー!!!」
「ぐぁぁぁぁ……っ!」
「あ、アレン君!?」
一気に捻り上げられた腕にアレンは苦痛の唸り声を上げる。
マコトは、アレンを助けようと動こうとして、左手を捕まれて動けない……。
「誰!?」
「貴女が誰なのかはわからないけど、今のティアに関わらない方が良いよ?」
「す、スバル・ナカジマさん!?」
マコトを引き留めたのはスバルだった。
もちろん、その間にもアレンに間接技が決まっている。
「毎回毎回アンタはぁぁっ!」
「す、済まな……ぅぅぁぁぁぁ!」
謝ろうとするアレンに容赦無く捻り上げる。
今回のティアナの怒りはかなり深く、中々に収まらない。
そんな様子を心配そうにマコトは見る。
「あ、あの、止めなくて良いんですか?」
「えっと、アレはあの二人のスキンシップみたいな物だから、多分大丈夫」
「は、はぁ……」
『あのよぉ……』
「「「ん?」」」
「……」
アルタが喋ったことにより、アレン以外の一同の視線が集まる。
『アレンの兄ちゃんを締め上げるのは話を聞いてからで遅くねぇと思うんだが?』
「……それもそうね/うん。そうだね」
「あ、アルタがまともな発言をしてる……」
『うるせぇよ……』
アルタの提案もあり、マコトの事情について、話すことにした一同は、再びエリオ達の部屋へと向かった。
next stage……
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
後書き雑談コーナー♪
テ「まぁ、今回の話で分かったとは思うんだけど、新しい仲間って言うのが、マコトよ」
ス「それじゃあ、登場してもらおっか、マコト・エイシャンさんとアルタです」
マ「どうも。こんばんは〜。ボクはマコト・エイシャンって言って、趣味はお風呂と旅行、好きなアニメは仮面ラ◯ダーです」
アル『俺の名前はアー……』
フ「長いからアルタ君で統一しちゃおうか」
アル『まぁ、良いけどよ……。好きなものはノリだ!』
ア「このノリによって私は巻き込まれたわけだが……」
一同「ジーー……」
アル『ま、まぁ、そのお陰でマコトと知り合えたんだし、実力もしれただろ?』
バ「実力ですか。マコトさんも本気ではないようでしたし、アレンさんに至っては大剣抜いてさえいませんでしたが?」
アル『おいコラ、空気の分際で指摘すんなよ?』
バ「デバイスの分際で人に喧嘩売らないでください!」
マ「まぁまぁ、バレッタ君、アルタはいつもこんなだし」
バ「仕方ありませんね……」
アル『しょうがねぇ。今回はマコトに免じて空気を生かしておいてやるか』
バ「……」
フ「じゃあ、今回のおさらい言ってみようか?」
テ・フ「バレッタ(君)……」
バ「二回も言わなくても自分でわかってますよ!」
ス「じゃあ、武装錬成について、言っておこうか」
ア「初めて出る能力だからな。いいだろう。マコト?」
マ「はいは〜い。えっとね、武装錬成って言うのは、ボクの希少技能のことで、主には剣、棒、銃なんかをイメージ出来る条件の物があれば、デバイスを作り出せる能力のことで、その気になれば、木の棒なんかや、ただの木刀からデバイスを作れるんだ。ただ、それだと性能は下がるし、非人格だから、ただの剣とかになるかな。棒術に限っては頑丈ならそれでいいって感じだけどね」
アル『さらに、元々デバイスだった物を媒介に使えば、格段に性能をあげられるって能力だ』
テ「アレン、アンタも何でも作れなかったっけ?」
ア「いや、私のフラグメントオブダークは、ただの武器としてしか作れない。マコトのように、デバイスを作り出すなどは不可能な芸当だ」
フ「どっちにしろ、便利だね〜」
マ「確かに、これには色々助けられてるし、良い能力だよね」
アル『ま、流石は投稿キャラってか?』
テ「ま、バレッタを空気にするためにLVからこっちに送られて来たって裏話も……」
バ「僕は何でそんなに扱いが酷いのでしょうか!?」
テ「そりゃあ……」
一同「(コクり)」
バ「しくしく……」
ス「さてと、この辺でおしまいかな?」
フ「あ、スバルさん、ちょっと待って?」
ス「え、うん」
フ「私の先行してたイメージがね、天才魔法使いとアレらしいんだけど、アレって何かなぁ?」
ゴオオオ……
マ「あ……バレた……」
アル『……ドンマイだ』
フ「アレの内容によっては個人的に話があるから、逃げちゃダメだよ?」
ニッコリ……
テ「アレン、早く終わるわよ……」
ア「ああ……。では次回のEndless Storyまで、Take off」
終幕。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。