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軍オタが魔法世界に転生したら、現代兵器で軍隊ハーレムを作っちゃいました!? 作者:明鏡シスイ

21章

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軍オタ6巻発売記念連続更新SS スノー過去編・前編

 ハーフエルフのアイナが、田舎の村から両親に見送られて出発してから数ヶ月――彼女は無事に妖人大陸にある魔術師学校へと到着した。

 大きめのトランクを一つ抱え、手続きを済ませると寮へ向かうよう指示を受ける。
 魔術師学校は二重の城壁に囲まれ、授業を学ぶ中央校舎、格闘場、グラウンド、生徒寮、研究室、学年倉庫と大きく分けて五つに分類される。

 アイナは受付から向かうよう指示を受けた三年間を過ごす生徒寮の自室前へと立っていた。場所は三階の角部屋。なかなか当たりの部屋である。
 彼女は扉の前で野心的な笑みを浮かべる。

「ここがうちの……大魔術師アイナ伝説が始まる寮部屋っすか」

 彼女はエルフ族の母親を除き、村で唯一、魔術師の才能を持つ少女である。
 母親譲りの美貌と魔術師の才能により、村一番のモテモテ女子だった。たとえ一番近くの村が徒歩で一週間以上かかるド田舎だとしてもだ。
 村の女子供達からは『憧れる女性ナンバー1』で、男性陣からは『もっとも将来結婚したい女性』という扱いを受けていた。
 村長からは将来自分の孫と結婚して欲しいと婚約を迫られていたが、彼女は一蹴する。

「うちは将来、妖精種族、ハイエルフ族、『氷結の魔女』様のように魔術師S級になってこの広い世界を見て回るんっす。こんな田舎の村で一生過ごすなんてありえないっす!」

 両親は田舎村を大層気に入っていたが、アイナ自身は心底嫌っていた。彼女は早く一人前になって、村を出て広い世界を見て回りたいという夢を持っていたのだ。

 魔術師学校入学はその夢の第一歩。
 また魔術師学校でよい成績を残せば箔が付き、たとえ世界中をぶらぶら回っても高額を稼げる仕事には困らない。冒険者のようにあっちこっち右往左往せずとも、貴族達から直接依頼で支払いのいい仕事が舞い込んで来るからだ。

 だがよい成績を残すためには、大陸中から集まる魔術師の才能を持つ少年、少女達を相手にしなければならない。この魔術師学校に入学が許されるほど才能を認められ、将来を嘱望されるエリート候補生達を相手にだ。
 その相手の一人がアイナより早く学校に到着し、この部屋に入居している。

「同室とはいえライバルの一人。舐められないためにも最初の印象が肝心っすよね。どちらが上かはっきりさせるためにも、初っぱなからガツンといってやるっすよ!」

 彼女は舌で唇を舐め目に力を込める。
 気合いを入れ直すと、受付でもらった鍵で解錠し扉を開く。

「初めましてっす! うちは将来、『氷結の魔女』様のように魔術師S級を目指し――」
「リュートくん! リュートくん! フガフガ。あぁぁ、足りない。全然足りないよ。こんなリュートくんの匂いが薄くなったシャツじゃ全然物足りないよ! 生リュートくんの匂いをフガフガしたいよ。リュートくん、リュートくん、リュー」

 アイナは扉を閉めた。気合いは彼方へ消え、額といわず全身に嫌な汗が噴き出す。

(な、ななな、なんすっかアレは!?)

 部屋の二段ベッドの下でラフな姿の少女が男性物のシャツに顔を埋めて匂いを嗅ぎ声をあげていた。
 獣人種族なのか獣耳と尻尾を揺らし、全身全霊でシャツの匂いを嗅いでいたのだ。
『驚くな』という方が無理な相談である。

(え? あの変な子が同室っすか? ここに居るってことは、魔術師としての才能を認められ入学した将来を嘱望されているエリート候補生の魔術師なんっすよね?)

 だがしかし、先程彼女が目にした光景は『将来を嘱望されるエリート魔術師』には到底見えなかった。

「……いや、たぶんきっと旅の疲れで幻覚を見たんすっよ。きっとそうに違いないっす!」

 自分に言い聞かせながら、アイナは改めてそっと開く。開いた隙間から、部屋の様子を窺うように視線を室内へと走らせる。

「リュートくんに会いたいよ。ぎゅっとされたいよ。頭なでなでして欲しいよ。生リュートくんの生匂いを心ゆくまでふがふがかしたいよ~」
(幻覚じゃなかったっす!)

 アイナが驚愕し恐れおののいていると、ベッドでシャツの匂いを嗅いでいた少女が体を起こす。どうやら体勢を変えて、匂いを嗅ごうとしているらしい。

「あっ」

 お陰で彼女は扉から覗いているアイナの存在に気づき、短い声をあげる。
 相手はいくら奇行をする変人でも魔術師。不審者と誤解され攻撃魔術を受ける騒ぎはおこしたくない。今後の成績に響く可能性があるためだ。

「は、初めましてっす。うちはこの部屋のルームメイトになる人種族と妖精種族、エルフ族のハーフ、アイナっす」
「こちらこそ初めまして! わたしは白狼族のスノーです。ごめんね、こんなラフな恰好で。まだ入学式は始まらないし、相部屋の子もいないから気を抜いちゃって」

(気にするポイントが違うっす)

 思わずツッコミが喉まで出かかる。さすがに初対面では失礼過ぎるため、なんとか飲み込む。

 改めてアイナは、スノーという少女を正面から観察する。
 スノーと名乗った彼女はとても美しい少女だった。
 真っ白な肌、大きい瞳に、影ができるほど長い睫毛。長い銀髪をポニーテールに纏め、同色の狼耳が時折微かに動く。雪の精霊のように美しく、また同時に可愛らしさを兼ね備えている美少女だった。

 だが一番目を引くのは、ラフなシャツを上から押し上げる大きな胸だ。
 美しく可愛らしい美少女なのに巨乳というアンバランスさが、男心を擽るのだろう。
 その美しさは奇行を目にした直後だというのに、見惚れてしまうほどだ。
 この少女の笑顔を手にするためなら地位や名誉、命すら抛つ男達が多数出るだろう。
 スノーはアイナの心情に気づく筈もなく、ベッドから立ち上がり手を差し出す。

「これから4年間よろしくね。アイナちゃんって呼んでいいかな?」
「も、もちろんっす。それじゃうちもスノーちゃんって呼ばせてもらうっすね。あれ? スノーちゃん、その腕輪は……もしかしてもう誰かと婚約しているっすか?」

 ベッドに座っていた時は左腕が隠れて居たため気づかなかったが、腕輪がつけられていた。つまる所彼女は婚約者がいるか、またはすでに結婚していることを表している。
 年齢を考えれば結婚ではなく、婚約だとアイナは予想を立てたのだ。
 スノーの表情が暖炉側に置いた氷のように溶け出す。

「えへへへ、気づいちゃった? これはねわたしの婚約者のリュートくんからもらった婚約腕輪なんだ」

 すぐにアイナは腕輪について言及したことを後悔する。
 スノーは彼女と荷物を部屋に素早く入れると、自分が使っているベッドに座らせて『リュートくんについて』延々と話を聞かされる嵌めになったからだ。

 リュートとスノーが妖人大陸にある小さな町の孤児院に一緒に捨てられた時から始まり、リバーシを開発し、巨額の富を築き、その資金で魔術液体金属を購入。オリジナル魔術道具を開発しゴブリンなどを倒すところまで話は続く。

 アイナ自身、『リバーシ』は村から魔術師学校に来るまでの退屈な馬車旅の無聊を慰めるため大変お世話になった。
 商売の話や英雄譚なら聞いていて為になるし、興味が引かれる。しかし、一緒に甘々な惚気話を延々と聞かされるのは辛い。
 体が真っ白な砂糖になりそうなほどになった。



 そして翌日、入学式。
 スノーとアイナは魔術師学校の生徒を示す制服姿でグラウンドへと向かう。これから入学式があるためだ。
 他にも彼女達と同じような新入生達が、移動している。

「ふぁ~っす」
「ごめんね、アイナちゃん。夜遅くまで話に付き合ってもらって」
「いや、いいっすよ。今日は入学式と簡単な説明しかないはずっすから。それが終わったら寝るんで」

 アイナはあくびをかみ殺し、横目で隣を歩くスノーを盗み見る。

(むしろなんでほぼ一晩中話していたスノーちゃんは眠そうじゃないっすか? むしろ昨日にも増してキラキラして可愛いっすし)

 魔術師学校の制服はスノーにとてもよく似合っていた。丈の短いスカート、腰を締め付けるコルセットのお陰か、胸がより一層強調される。魔術師学校の生徒を示すマントを靡かせ、背筋を伸ばし歩く姿は、女性のアイナでもついつい目が引き寄せられるほどだ。
 女性でそのレベルなのだから、当然男子生徒達からの視線が無数に集まる。
 彼らはまずスノーの顔を見て、その可愛らしい顔立ちに息を呑む。次に胸や足を凝視し鼻の下を伸ばした後、耳と尻尾があるのを確認する。
 獣耳と尻尾があることに一部の男子が異常に興奮していた。

 アイナはその事実に内心で引くが、当人であるスノーは男子生徒達の視線をまったく意に介さずグラウンドへと移動する。

「おい、そこの獣人女ちょっと待って」

 スノーに熱いまなざしを向ける二人の少年が、彼女に声をかける。
 アイナは思わず顔をしかめた。
 魔術師には貴族子弟が多い。

 魔術師同士が結婚した場合、より才能のある子供が生まれてくる可能性が高いのだ。そのため貴族や王族などは魔術師以外との婚姻を嫌う傾向がある。
 真面目に領地経営をし、躾られている貴族子弟が圧倒的に多い。しかし中には親の爵位や権力を笠に着て好きかってしようとする者も存在する。
 彼らにとって、スノーの美貌や肉体は食指を動かすには十分だった。

 スノーは横合いから声をかけられるも、無視して素通りする。そんな彼女の態度は彼らの自尊心を傷つけるのに十分だった。
 スノー達と同じ新入生男子生徒二名が、彼女の前に立ち進路を妨害する。
 ここでようやくスノーは、自分が声をかけられたことに気付いた。

「何かご用ですか?」
「無視しやがって……まぁいい。女、光栄に思うがいい。オマエは俺様達の女にしてやる」
「? わたしは最初から女の子ですよ?」

 スノーが本気で意味不明だと言いたげに小首を傾げる。
 足を止め様子を窺っていた他新入生達から忍び笑いが漏れる。意図せずあしらわれている男子達が可笑しかったのだ。
 その笑いに新入生男子生徒二名は顔を真っ赤にする。

「ば、馬鹿にしやがって! 言葉で分からないなら、体に教えてやる!」
「す、スノーちゃん!」

 二人はスノーを捕らえ、人気のない場所へと連れて行くため腕を伸ばす――が、『ダン! ダン!』と二発の発砲音。
 腕を伸ばした彼らの足下地面に穴が穿たれる。
 いつのまにかスノーの手に、肩から吊すタイプの『ショルダーホルスター』に収まっていた『S&W M10 2インチ』リボルバーが握られていた。

 男子生徒達は、今まで見たことも聞いたこともない未知の武器を前に唖然とする。一人は発砲音に腰を抜かし、尻餅を付いているほどだ。さらにその武器の威力は、十分人を殺害することが可能だと地面にあいた穴が如実に語っていた。
 スノーが冷たい瞳で告げる。

「わたしはリュートくんのものだから。変なことをしようとするなら、容赦しないよ?」

 さすがのスノーも男子生徒達の強引な言動で、自分が性的な目的で言い寄られていることに気付いた。
 距離的に魔術では間に合わないと判断し、リボルバーを抜き、地面へと発砲。
 威嚇したのだ。

「お、おい、いくぞ!」
「ッ! お、覚えていろよ!」

 男子生徒達はスノーの迫力と脅しにビビリ捨て台詞を吐いて逃亡する。
 彼らが背を向け逃げ出すのを見送り、スノーはリボルバーを『ショルダーホルスター』へとしまう。
 スノーは周囲の野次馬も気にせず、再び歩き出す。
 その後をアイナが続く。
 野次馬は彼女達が通りがかると、モーゼの海のように割れる。
 アイナはスノーの横に並ぶと質問攻めした。

「す、スノーちゃん、さっきの武器はなんなんすか!?」
「武器ってリボルバーのこと?」
「そうっすよ! あんな武器、魔術道具? 今まで聞いたことも、見たこともないっすよ!」
「それは当然だよ。だってリュートくんが作った魔術道具なんだから」

 歩きながら器用にスノーは胸を張る。

「リュートくんって昨日からずっと話していた幼馴染みのことっすよね。魔術師だったんっすか?」
「違うよ。魔術師じゃないよ。昨日、話したでしょ」

 だがアイナは納得できなかった。
 あれほど高性能な魔術道具を魔術師でもない子供が作り出すなど。
 スノーの話も胡散臭かったのと寝不足で話半分に聞いていたいのだ。
 しかし実際に、リボルバー――高性能な魔術道具を実際に目にすると『リュート』という人物が本当に実在し、魔術道具を開発し、子供ながらゴブリン達を倒したことを信じるしかない。

「い、いったいリュートさんって何者なんすか……」
「? リュートくんはリュートくんだよ?」
「いや、そうじゃなくて……」

 アイナは詳細を問いつめようとしたが、途中で諦めた。
 スノーにいくら尋ねても、まともに情報など得られないと実感しているからだ。
 途中で問題はあったが、無事に二人は入学式を終えた。

 一応、アイナは入学式が始まる前、教師に先程の男子生徒二名について報告をしておく。
 後からまったく違う言いがかりをされるより早く、事実を伝えておく必要があったからだ。のほほんとしているスノーにそんな芸当は無理なため、彼女が動いた。

 野次馬の生徒達も居るため、彼らが言い逃れることはできないだろう。
 魔術師学校の生徒は、『学問の下、皆平等』。そのため相手が貴族であろうが、問題を問うことができる。
 あのプライドが高そうな二人にどれだけの効果があるかは分からないが……



 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼



 魔術師学校では最初の一年間の授業は座学と魔術や剣術、格闘技などの訓練。
 二年生になると座学と魔術、剣術、格闘技の訓練の他に実技が始まる。実技は野外に習ってきた魔術を実際に使用し、魔物と戦う。
 三年生になると実技がメインとなる。三年生の間に魔術師学校から課せられている魔物を狩ったり、上級の魔術を実際に使用するのだ。
 四年になると集団戦や完全な実戦へと移行。
 それらが終了すると一五歳で卒業することになる。

 さらに魔術や魔術道具開発等の勉強をさらにおこないたい場合は、魔術師大学へと進学することになる。
 もちろん望めば誰もが進める訳ではない。魔術師学校で好成績を取るか、試験を受けて入学するしかない。

 スノーやアイナは一年生らしく座学と訓練漬けになっていた。その授業でもスノーは事前におこなっていたエルの授業のお陰で苦手だった座学でも好成績を残す。

 特に成績がいいのはやはり体を動かす格闘技訓練だ。スノーは同世代の一般女性より運動神経がいい。またエルの授業だけではなく、時間を見つけてはリュートと一緒に練習していたのが大きい。

 彼と練習すると、この世界とは異なる地球の技術をリュートが使うため、自然とスノーもやり方と対処を覚えた。
 格闘議場に生徒達が集まり、担当教師の下で訓練を開始する。
 一流の魔術師ほど剣術、格闘技にも精通しているものだ。これらを疎かにすると敵魔術師相手に魔術も使われず素手や剣で倒される可能性すらある。
 生徒は三〇人。最初は木刀を持ち、教師の指示の元で決まった型で木刀を振るう。
 木刀での型稽古が終わると次は格闘技訓練だ。

「次は実戦形式で、一対一の模擬戦をしてもらう。大抵の怪我は治癒魔術で治るから、手を抜いたりするなよ。名前を呼ばれたら前に出るように。まずは――」

 教師が名前を呼び、一人ずつ前に出て模擬戦をしていく。中程でスノーが呼ばれ前へ出た。彼女の対戦相手は、金髪の美男子で地方領主の息子であるアム・ノルテ・ボーデン・スミスだ。

「ぼくの相手はミス・スノーか。たとえ相手が愛しい君でも、ぼくは手を抜かず戦わせてもらうよ。それが君に対する礼儀だからね! だが、戦う前に一つ約束して欲しい! もしぼくが君に勝ったら明日の休日、一緒に二人っきりで出かけると!」
「いやです」
「うぐッ!」

 アムの要求をスノーは即座に否定する。
 アムは即座に断られ、変な声を漏らす。
 彼のこうしたスノーに対する要求は今回が初めてではない。

 アムはスノーを目撃してから『一目惚れした!』と言い、以後言い寄っているのだ。
 さらにことあるごとに勝負を挑み、断られてもいる。そのためクラスメイト達も『またか……』という態度を崩さない。

「アム・ノルテ・ボーデン・スミス君、授業に不適切な条件を持ち出さないように。真面目に授業に取り組みたまえ。改めて二人とも、準備はいいね。では模擬戦、始め!」

 教師のかけ声と共に、スノーとアムは肉体強化術で体を補助。真剣な表情で構える。
 ちなみに格闘技訓練時はさすがに制服ではない。
 運動しやすいように男子は半袖にハーフパンツ。
 女子は半袖に、地球でいうところのブルマに似たものを履いていた。お陰でスノーの白くスラリと伸びた足が眩しく光り、動くたびに胸が揺れるのがはっきりと見て取れる。
 激しく動く模擬戦なら、なおさらだろう。
 アムは不敵な笑みを浮かべて、語り出す。

「明日の休日、二人っきりで一緒に出かけるというプランが断られたのはしかたない。突然、二人で一緒に行こうなどと言われても、ミス・スノーが恥ずかしがって断るのを考慮に入れていなかった。ふふふ、ぼくとしたことが少々気持ちが焦りすぎたよう――イッタぁあ!?」

 アムが語り出してる間に、スノーが左足でローキックを決める。喋りに夢中になっていたアムは、肉体強化術で補助されたローキックをもろに受ける。

「アム・ノルテ・ボーデン・スミス君、いい加減、真面目に取り組まないのなら明日の休日は取り消しで、補習を言い渡しますよ」
「くッ……!」

 教師の言葉にさすがのアムも、今度こそ気持ちを引き締めスノーへと躍りかかる。
 魔力の補助を受けた鋭い拳を放つが、スノーはあっさりと回避。逆にカウンターでローキックを決める。

「ッ!?」

 これにはアムも驚き、足の痛みで動きが止まる。
 スノーはその隙を逃さない。彼女はアムの左脇腹を狙い右ミドルキック!
 彼は反射的に脇腹をガードするが、スノーの足が途中で軌道が変化しこめかみを綺麗に蹴り抜く。もちろんこの一撃で、アムは意識を刈り取られ、白目を剥きその場に崩れ落ちた。

「勝負有り! 勝者、スノー生徒!」
「ありがとうございました!」

 スノーは倒れて気絶しているアムへ可愛らしく頭を下げた。
 こうしてアムがスノーに勝負を挑むが、今のところ全て彼が返り討ちにあっていた。



 格闘技授業後、お昼。
 スノー達は着替えおえ、食堂へと移動する。

「体を動かした後のご飯はいつも以上に美味しいよ」

 スノーは尻尾を揺らしながら、美味しそうにお昼のパンを千切って口へと入れる。今日のお昼はパン、焼き物、シチュー、デザートに果物を切った皿が置かれる。

 食堂ではプレートを持って食堂の調理員から食事を受け取る形式になっていた。魔術師には貴族子弟が多い。そのため食事を各自の自由にすると、見栄を張り贅をこらそうとする。そのため食事はたとえ王族、貴族でも魔術師学校に通っている間は、学校側が準備した物を食べることになっているのだ。
 アイナもスノーの隣に座り、食事を摂る。

「しかし、なんっすかさっきの模擬戦での蹴り。なんで軌道が途中で変わるんっすか。もしかしてそういう魔術を使ったんっすか?」
「蹴りの軌道を途中で変える魔術なんて使ってないよ。あれはリュートくんから教えてもらった格闘技の技術だよ」
「リュートくんって……魔術師でもないのに、新しい魔術道具を開発して、格闘技術にも精通してるってことっすか? 一体、何者なんすか?」
「リュートくんは、リュートくんだよ。リュートくんは凄い人だから」
(凄い人で片づけていい枠を超えている気が……いや、スノーちゃんに言っても無駄っすね)

 スノーと同室で短くない時間を過ごしたアイナは、彼女のことをある程度理解していた。スノーは『リュート』を特別視している。そのため彼なら格闘技術に精通していても、おかしくないと疑問すら抱いていないのだ。
 なのに尋ねても意味がない。

「チッ、獣人の孤児が調子に乗りやがって……」

 呟き。視線を向けると、入学式にスノーへ絡んだ二人組が燻った悪意の視線を向けていた。二人組はスノー達とは別のクラスだ。そのため食堂ぐらいでしか顔を合わせることはほとんど無い。
 彼らも実力ではスノーに勝てないことを理解しているため、陰口を呟くぐらいしかできずにいた。

 だがアイナは嫌な予感を彼らから感じる。なぜなら二人はまだスノー自身を諦めていないのだ。まるで『いつか絶対に彼女を手にすることができる』という自信が態度や口調から溢れ出ていた。
 ただ今はまだ雌伏の時期のため大人しくしている――そういった雰囲気が二人から漂ってくる。

(いったい何があるっすか?)

「アイナちゃん、明日は授業もお休みだから消耗品を買いに隣の街へ行ってみない? わたし達、ずっと授業、授業でまだ一度も行ったことないから折角だから」

 当の本人は、二人組の悪意ある視線や呟きにまったく気付いていない。彼らとは正反対に、全身からほんわかした周囲を和ませる雰囲気を漂わせていた。
 警戒するアイナの方が気が抜けてしまいそうになる。

「そうっすね。折角だし、街へ行くっすか」
「ならぼくが荷物持ちとして同行しようじゃないか!」

 先程の授業でスノーに触れることすらできず、KOされたアムが二人の会話に割って入る。『スノーに勝ったらデートして欲しい』という要求を一蹴されたうえ、負けたにもかかわらず彼はアグレッシブに買い物へ動向しようとしていた。
 スノーは申し訳なさそうに告げる。

「ごめんなさい。初対面の人を荷物持ちにするのはさすがに申し訳ないですから」
「何を仰る! ぼくはミス・スノーと同じクラスのアム・ノルテ・ボーデン・スミスですよ!」
「? クラスに居たっけ、貴方のような人?」
「ひどい! だがしかし! ぼくの愛は決してめげることはありません!」

 スノーは男子生徒に興味が無く、アムが声をかけるたびにこんなやりとりを交わしていた。
 こうしてアムをやり過ごし、スノーとアイナは翌日の休日。
 街へ二人っきりで買い物に出かけることになった。



 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼



 魔術師学校に一番近い都市ザーゴベル。
 生徒達や親族、関係者が往復するため学校と街の間を定期的に馬車が行き来している。
 誰でも運賃さえ払えば乗ることができる。
 スノーとアイナは運賃を支払い、一時間ほどかけて都市ザーゴベルへと到着した。

「うわぁー」
「凄い人だかりっすね」

 スノー、アイナは都市ザーゴベルの人混みの多さに田舎者的態度を露骨に表す。
 二人は私服ではなく、魔術師学校の制服を着用していた。基本、生徒が外出する際は制服着用が義務付けられている。

 スノー達のような若者が街などに出れば、カモにしようとする輩が出てくる。だが制服を着用し『魔術師』であることが一目で分かれば、馬鹿なマネをする輩は激減する。
 生徒側も下手に絡まれ、返り討ちにして問題を起こす可能性をほぼ無くしてくれる。双方に取ってメリットがあるのだ。
 しかし、どんなことにも例外はある。

「ここで立ってても邪魔になるし、早速行きましょうっすか」
「そうだね。最初はどのお店に行く?」
「まずは細かい筆記用具系を買いに行きましょうっす」

 スノーとアイナははぐれないよう気を付けつつ、雑踏へと入る。
 最初は人の多さに戸惑い、流れに逆らって歩き他者とぶつかりそうになったり、人混みの多さに酔ってしまいそうになる。だが、二人は三件目の店で買い物を済ませた時点で、人の多さにも慣れ、歩き方のコツも身につける。
 外も店内も人が居るため、体で覚えたともいえるが。
 慣れたお陰で、緊張感が解け二人は露店などを眺めて会話を交わす余裕も産まれる。同時に初めての街に浮かれて注意力、警戒心も一緒に解いてしまう。
 一人の男性が露店を覗くスノーとぶつかる。

「すまない、お嬢ちゃん」
「あっ、こちらこそ、ごめんなさい」

 男性の謝罪に、スノーも反射的に返答する。男性は一礼してから、再び人混みへ歩き去った。
 アイナはぶつかった箇所を撫で、心配そうに声をかける。

「スノーちゃん、大丈夫っすか?」
「平気だよ。軽くぶつかっただけだし。全然、痛みとかな――ッ!?」
「ス、スノーちゃん、どうかしたんすか?」

 彼女が途中で台詞を中断し、表情をこわばらせる。
 アイナは突然の態度変化に怯えた声音で問いかける。

「……無い。ポケットに入れていた予備の弾薬が無くなってるの」
「弾薬って、あの『りぼるばー』っていう魔術道具のすか?」
「さっきの男の人に盗まれたんだ」

 スノーは普段、リュートからプレゼントされた『S&W M一〇 二インチ』リボルバーを左脇のショルダーホルスターからぶら下げている。マントの下に隠すことができ、すぐに抜くこともできる。リボルバーには弾薬【カートリッジ】がすでに装填されているが、ポケットに予備弾薬も小袋にまとめ所持していたのだ。
 露店を見ている時まではちゃんと所持していたため、先程の男性が財布と間違えて盗んだのだろう。

 通常、魔術師は畏怖の対象で狙う者はいないが、お陰で一般人に比べて警戒心が緩み盗み易い場合がある。魔術師なら一般人に比べても所持金を多い。故にはあえて魔術師を狙うスリや盗人も存在するのだ。

「リュートくんからもらった大切な魔術道具……今すぐに返してもらわないと!」
「無理っすよ、スノーちゃん。さっきの男の人は、もう人混みに紛れて逃げちゃったすよ」
「大丈夫だよ。袋にわたしの体臭が染みこんでいるから、その匂いを追えばおいつけるよ」

 スノーは獣人種族、白狼族。他種族よりは鼻が利く。さらに魔力で体を強化する肉体強化術の力を使い嗅覚を補助。より鼻が利くようにする。
 目を瞑り、意識を集中。

「……こっち!」
「スノーちゃん! 下着! 下着が見えてるっすよ! ちゃんとスカート押さえて!」

 瞼を開くと、スノーは下着が見えるのも構わず強化した脚力で一息に建物の屋根へと着地し、匂いを辿り駆ける。
 アイナも遅れて肉体強化術で体を補助。下着が見えないようにスカートを押さえつつ、スノーに続いて屋根へと上がるが……。

「す、スノーちゃん、速過ぎ……もうどこに行ったか分からないっす」

 周囲を見回すがすでに彼女の姿はなかった。

「この後、どうすればいいんすか……」

 アイナは初めて来た街で友人に置いてきぼりにされ、一人屋根の上で途方に暮れた。



 スノーに置いてきぼりにされてから約10分後――尋常ではない魔力と遠目でも分かるほどの氷山に気が付き、アイナは現場へと向かう。

 案の定、スノーが居た。
 アイナは彼女を見つけた喜びで、周囲の状況に気付かず駆け寄る。

「スノーちゃん! 探したっすよ!」
「アイナちゃん、ごめんね、勝手に動き回っちゃって。どうしてもリュートくんからもらった魔術道具を奪い返したくて。でも、お陰でこうしてちゃんと返してもらったよ」
「本当に奪い返すなんて……スノーちゃん、凄いっす」

 アイナは素直に賞賛するが、自身が今どこに居るかようやく気が付き表情を変える。
 彼女達が居る場所は都市ザーゴベルの貧民街地区。まだ昼だというのに周囲に人影はほとんど無く、空気も表通りに比べて淀んでいる。薄汚れた酒場、売春宿、怪しげな魔術道具や薬関係を売る店、他にも一目で『近寄ってはいけない』と分かる建物が多々存在する。

 教師達が『たとえ問題が起きても絶対に入らないように』と釘を刺された場所である。
『教育上よろしくない』という意味もあるが、単純に魔術師でも危険があるからだ。
 魔術師とはいえ、裏社会側に一般人が関わっていいことなど何一つ無い。

 だが、スノーは明らかに都市ザーゴベル貧民街地区を統括する人物が住んでいそうな豪邸を凍り漬けにしていた。
 他建物とは違い城塞のような立派な塀に囲まれ、汚れ一つない。奥の屋敷は他周囲の薄汚れた建物とは隔絶した立派さで、その落差が見る者全てに警告を鳴らしているようだった。『絶対にこの建物には手を出してはいけない』と。

 スノーは魔術道具を奪い返すため、そんな場所・人物達に喧嘩を売ったのだ。
 アイナは現状を認識すると顔がさらに青くなる。
 彼女もまだ未熟だが魔術師の才能を持つ。魔力の無い人物が束になっても負けることはないが、裏社会の人達の怖さはまた別である。
 むしろ魔術道具を奪い返すため、平気で手を出すスノーの方が異常だ。
 それでもスノーを……友人を置いて早々に逃げなかったのは立派である。

「す、スノーちゃん、な、なななにやってるんすっか! 今すぐ逃げないと!」
「大丈夫だよ、襲ってきた人はみんな動けないよう手伝ってもらって氷漬けにしたから」
「何が大丈夫っすか!? 完全に敵対行動してるじゃないっすか! いいから今すぐこんな危険な場所から逃げるっすよ――って、手伝ってもらって?」

 スノーの手を引きに逃げ出そうとしたアイナだったが、彼女の台詞に見逃せない単語があった。『手伝ってもらって』。つまり彼女の他にも一緒になって裏社会トップの屋敷を凍り漬けにした人物がいるらしい。

「だったら、その人も連れて一刻も早く逃げるっすよ! こんな場所に居たら、彼らに何されるか分からないっすよ!」
「大丈夫よ。彼らのトップとはさっきお話をして来たから。私達には二度と手を出さないって。この氷は反省させるために後一時間ぐらいこのままにしておくけどね」

 大きな門の脇にある小さな門。
 そこから一人の女性がくぐって外へと出て、アイナの言葉に答えた。
 声に振り返るとそこには一人の女性が立っていた。
 白い髪を一本の三つ編みに編み上げ結んでいる。その髪に負けないほど白い肌、長い耳がのぞく。目は閉じられ、顔立ちはびっくりするほど整っている極上の美人だ。背丈はそれほど高くなく、スタイルもお世辞にもいいというわけではない。
 神秘的な雰囲気をまとっており、この手のタイプが好きな男性からは偏執的に言い寄られるだろうという美を放っている。
 手には杖が握られている。杖で地面を突き歩いていることから、どうも彼女は目が見えないようだ。
 アイナが裏社会トップの屋敷を凍り漬けにした以上の衝撃を受ける。

「ま、まさかこの人は……ッ!」
「アイナちゃんの知り合い?」
「知り合いじゃないっすけど、知ってるっす! むしろ、どうしてスノーちゃんは魔術師なのに気付かないんっすか! この人は妖精種族ハイエルフ族、魔術師S級、『氷結の魔女』と呼ばれるホワイト・グラスベル様っすよ!」
「!?」

 アイナの言葉にさすがのスノーも息を呑む。

 一般的な魔術師としての才能を持つ者はBプラス級が限界だと言われている。
 その先のA級は一握りの『天才』と呼ばれる者が入る領域。
 さらにその天才すら越えたS級は『人外』『化け物』『怪物』と呼ばれる存在である。
 この世界にS級は五人しか存在しない。
 今目の前に居るホワイト・グラスベルこそ、魔術師としての頂点に立つ一人だ。
 ホワイトは頬に手を当て、困ったような声音で告げる。

「あらあら、そんなに驚かないで。『魔術師S級』なんて外部の人が勝手に決めたこと。私自身、そうたいしたものではないのよ。そんなことより貴女、『恋』してるわね?」

 ホワイトは瞳を開いていないのに、真っ直ぐスノーへと顔を向ける。

「貴女の魔力からは、恋する女の子特有の波長を感じるわ。しかも雪解けの水のようにどこまでも澄んでいる清らかさ。これほど純粋に相手を思う女の子は久しぶりだわ。私は趣味で女の子達の恋を応援しているの。よかったら、私の下で『恋』を成就させる修行をしない?」
「ほ、ホワイト様に弟子入りを誘われるなんて!? って、魔術師としてではなく、恋の修行ってなんですか!? 意味、分かんないっすよ!」
「いいえ、結構です。わたしはすでにリュートくんと互いに『愛してる』って気持ちを確かめあい、学校を卒業したら結婚する約束もしていますから。この左腕の腕輪こそがその証明です」
「スノーちゃんも即答で断るし!?」

 アイナは『氷結の魔女』に弟子入りを誘われるスノーに驚き、即答で拒否することにも驚く。先程から驚きの連続で疲れるほどだ。
 ホワイトはスノーに即決で拒否されても表情を崩さない。彼女は淡々と語り出す。

「学校を卒業したら……つまり遠距離恋愛ね。彼は魔術師ではない一般人。遠方でスノーちゃんに見合うよう努力する彼。そんな彼の側にいる下宿先の金髪年下系妹的な女の子。最初は趣味等で意気投合して、会話をするだけの仲だったけど、次第に『オレが守ってあげなくちゃ』と思うようになり、金髪年下系妹も彼に憧れるようになる。そして二人は――遠くの彼女より、近くの少女ってやつね」
「なんでそんなに具体的なんすか?」
「長年、女の子の『恋』を応援してきた経験則かしら」

 アイナのツッコミにホワイトは笑顔で答える。一方、スノーは具体的な内容に顔を青くし、がくがくと震えていた。ホワイトは駄目押しで話をする。

「そんな可愛らしい守ってあげたい年下系少女と気持ちを交わした彼と、数年ぶりに合う。その時、魔術師になる勉強ばかりして、女の子としての魅力を磨かず、努力をおこたったスノーちゃん。さて彼はどちらを選ぶのかしら……」
「是非、ホワイトさんの下で勉強させてください!」
「もちろん、大歓迎ですよ♪ 私のことはこれから『恋の師匠』ということで師匠と呼ぶように。分かりましたか、スノーちゃん?」
「はい! 分かりました、師匠!」

 スノーはホワイトの言葉にあっさりと意見を翻し、弟子入りを志願する。

「私はこの屋敷で過ごすので、学校がお休みの時はここに来てください。長年、女の子の恋を叶えてきた極意を伝授してあげますよ」
「はい、よろしくお願いします、師匠!」
「恋の師匠って……え、魔術の師匠じゃなくて? え……」

 一方、アイナは憧れの魔術師S級、ホワイト・グラスベルの言動とスノーに翻弄され、脳の思考システムがほぼストップする。

 氷漬けされた訳でもないのに、しばらく固まって動くことができなかった。


ここまで読んでくださってありがとうございます!
感想、誤字脱字、ご意見なんでも大歓迎です!
明日2月22日、21時更新予定です!

軍オタ6巻&コミックス1巻発売から1日経ちましたが、今日も更新します!
前回お伝えした通り、富士見様がバナーで軍オタを宣伝してくださっているので24日付近まで連続更新を延長したいと思います。
今回はスノー過去編・前編を掲載させて頂きます(前・中・後編で掲載予定です)。

ちなみに分割したのはあまりにも文章量が多すぎるためです。
調子乗って書きすぎてしまいました……。
今回はいつもだいたい3倍ぐらいのイメージですね。多すぎるだろ……。
長いですが、どうかお付き合い頂ければと思います。

明日はホワイト先生による蜂蜜授業が始まる予定です。

また、軍オタ1~5巻も、引き続き発売中です。
まだの方は是非、よろしくお願いします!
(1~6巻購入特典SSは15年2月20日の活動報告をご参照下さい)
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