挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
軍オタが魔法世界に転生したら、現代兵器で軍隊ハーレムを作っちゃいました!? 作者:明鏡シスイ

20章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

360/482

第348話 資金

 軍団(レギオン)大々祭(だいだいさい)が終わり、その後なんだかんだと色々あって竜人種族魔術師B級、リズリナ・アイファンを外部アドバイザーにくわえた。
 そしてPEACEMAKER(ピース・メーカー)は、浪漫兵器である多脚戦車開発に乗り出す。

 まずは材料となる巨人族を狩るため、オレ達は一路北大陸へと向かおうとしたのだが――。

「駄目に決まってるじゃないですか」

 北大陸へ行く手続きのため書類を提出すると、PEACEMAKER(ピース・メーカー)の経理を担当する魔人種族、3つ眼族のバーニー・ブルームフィールドに却下された。
 彼女はクリスの幼馴染みで、額にもう一つ目がある。
 だから『3つ眼族』と呼ばれている。

 そんなバーニーは机に座って疲れた表情をしていた。
 若干、目が据わっていて怖いのだが……。
 だが多脚戦車開発のためここで引き下がるわけにはいかない。

「ちょっと待ってくれバーニー。どうして、許可が出せないんだ? 今回の遠征は将来的にPEACEMAKER(ピース・メーカー)の戦力を大幅に上げる重要な案件なんだ。だからどうか許可して欲しい」
「将来もいいですが、今は目の前にある案件も担当してください」
「目の前にある案件?」

 オレが首を傾げると、バーニーが据わった目で、溜息を漏らす。
 彼女は滔々と語り出した。

「忘れたのですか? 団長の一声で急遽、団員を募集したんじゃありませんか」

 言われて思い出す。
 スノーの師匠である妖精種族ハイエルフ族、魔術師S級のホワイト・グラスベルが受付嬢さんに余計なアドバイスを与えた。
 結果、受付嬢さんは魔物大陸へと修行の旅に出て行ってしまう。

 その事実を知ったオレは、勢いで軍団(レギオン)大々祭(だいだいさい)のスペースに集まった入団希望者を受け入れたのだ。
 対受付嬢さん用の戦力増強を計るために。

 バーニーは書類束を取り出し、説明を始める。

「入団希望者は最初、約200名でした。しかし50名ほど身元が怪しい――早い話がうちの情報を持ち出すため派遣された人物達でしたので弾かせて頂きました。結果、残ったのは約150名になります」

 情報を持ち出そうと派遣された人物達は、もちろんラミア族ミューア・ヘッドの諜報能力によって特定し、弾いた。
 ちなみに現在、ミューアは喜々として地下に捕らえた男達のトップが居る『不法者の楽園(アンダーグラウンド)』を支配するための計画を着々と進行しているらしい。
 もちろん地下牢に捕らえている男達を逆に尖兵にするとか。
 ミューアの傷つけられたプライドがそれで癒えるなら……と、放置している。実際、裏情報が集まる『不法者の楽園(アンダーグラウンド)』は、潰すより手中に収めた方がなにかと都合がいいのはたしかだ。

 正直入団希望者については、『エル先生に子供が生まれた』というインパクトが大きすぎてすっかり忘れていた。
 バーニーは滔々と語る。

「入団希望者達を連れて、ココリ街まで戻った費用。さらに現在の新・純潔乙女騎士団では受け入れ態勢が出来ていないのでその準備費用。準備が整うまでの彼女達の宿泊費、食費、雑費代金。入団試験に必要な戦闘服、食料品、他小物や雑費代金。他に軍団(レギオン)大々祭(だいだいさい)にかかった費用の計算。収入による利益に、雑務処理。他にもかかる費用の計算や団長に確認して頂きたい書類が溜まっているのですが。その上で北大陸へ行きたいのですか?」

 入団希望者を連れて云々は――正確には祭り終了後、一緒に来られる人々は団員達とココリ街へと移動。
 後から合流する組は、移動にかかる資金を一部、負担しているらしい。

 他にも経費を例をあげるなら、入団試験期間中、新・純潔乙女騎士団団員に代わりココリ街の治安維持をしてもらう冒険者費用。さすがに150名を数人で担当、指導するわけにはいかない。
 また150名用の試験練習用のAK47、弾薬(カートリッジ)代金もある。

 さらに飛行船ノアもタダで飛んでいるわけではない。
 消費した魔石の交換や補充費、飛行船の維持費、移動して停泊するための場所代、移動の際にかかる食費などなど挙げたらきりがない。
 元々、維持するだけで多くの費用がかかる飛行船。
 飛行船ノアは新型のため、その維持費も通常よりかかる。
 場所代も横に翼が広がっているため、一般の飛行船より高い。

 それを踏まえて『北大陸へ行くつもり?』とバーニーは問うているのだ。
 ここで亭主関白のように『そんなの関係ない!』と突っぱねられればいいのだが……さすがにそんなことはできない。
 オレは大人しく、降参の合図として両手を挙げる。

「分かった。とりあえず戦車開発の準備は一時中断して、入団試験の準備を手伝うよ。オレは何をすればいい?」
「ありがとうございます。団長ならきっと正しい判断をして頂けると信じていました」

 バーニーが笑顔で答える。

 今、彼女に逆らうことは可能だ。
 団長権限でごり押ししてもいい。
 しかしバーニーの機嫌を損ねた場合、戦車開発の際、必要な資金を十全に出してもらえるか疑問が残る。
 そうならないためにも、彼女の機嫌を取っておくのは悪い選択肢ではない。
 自分は団長だが、結局、資金――お金を握っている人物が一番強いのだ。
 だがこれも多脚戦車開発のため!
 時には忍耐、我慢も必要なことだ!

 入団試験の準備に際して、リズリナには先に竜人大陸にある自身の研究所へと戻ってもらった。
 彼女はあくまで外部アドバイザーのため、試験には関係がない。
 またリズリナにも研究するための準備や受け入れ態勢を整える必要があるだろう。

 実は彼女との話し合いで多脚戦車開発のため巨人族の石材の他、まだ未完成だが120mm滑腔砲と砲弾を研究材料として渡すことになっている。
 ルナがまだ未完成な120mm滑腔砲を戦車開発とはいえ外部に出すことを嫌がったが、なんとか許可をもらう。
 技術の外部流出を防ぐためミューアに協力を頼んでいる。彼女に任せれば、技術流出は防げるだろう。

 バーニーとの話し合いから数日後。
 リースにお願いして『無限収納』に120mm滑腔砲と砲弾を入れて、飛行船ノアでリズリナを竜人大陸へと送ってもらう。
 その際、シアの他、護衛メイド達が数名付いたので道中の安全に問題はないだろう。

 オレはというと、第1次新・純潔乙女騎士団入団試験の準備を開始した。



『入団試験の準備を開始』と言っても、オレがやることはバーニーが手配した準備の書類を確認してサインを書いていくだけだ。
 他には祭りの後始末に関する書類を確認するぐらい。
 作業としては殆どがデスクワーク中心になる。
 それでも入団試験希望者が約150人ほど居る。
 一度に全員でやるわけにはいかないため、現団員20名を教官役に。
 その教官役を4人1組に分け、計5グループを作る。

 1グループ、教官5人で、約30人の入団試験希望者を受け持ってもらう。

 約150人をまとめて寝泊まりさせる場所が無いため、リースが戻って来たら大型研究所を片づけて、ベッドや必要物資を詰め込む予定だ。
 あそこなら体育館並に広いので十分寝泊まり可能だろう。

 13週間、大型兵器開発の研究ができないのは辛いが、入団試験は団員達に任せる。その間に巨人族を退治し石材調達し、リズリナに届けたりする。
 彼女の研究が進まなければ、大型兵器開発もあまり前進はしない。
 研究が中断する間、ルナには本部に残ってもらい、消耗品の補充やAK47&他銃器の量産を担当してもらう。

 試験に合格した人材はすぐ適正がありそうな専門分野に進んでもらうからだ。

 またホワイトはというと――以後、新・純潔乙女騎士団の旗印、トップになってもらうため囲い込みをおこなっている。
 長寿のハイエルフである魔術師S級のホワイトがトップで居る限り、旧純潔乙女騎士団のような衰退はしないだろう。
 それに受付嬢さんが襲来した場合、一番槍を勤めてもらう栄誉ある役目もある。そのため絶対に逃がすつもりはない。
 絶対にだ。

 また彼女には他にも重要な役割を任せている。



 リース達が戻ってきて数日後、大型研究所の片づけやベッドなどの搬入などをする。
 教官役となる20人の団員達との打ち合わせ、他試験準備等を進める。

 そして当日。
 グラウンドに約150名の入団希望者が整列していた。
 彼女達の前には長机があり、これから袖を通す戦闘服や靴などが山積みになっている。

 約150名が一度に入る部屋が無いため、グラウンドに集まってもらったのだ。

 オレは彼女達の前に用意された壇上へと上がる。
 団長として挨拶をするためだ。
 緊張した面持ちの少女達の視線が集まる。
 オレは彼女達を一度、ぐるりと見回し口を開く。

「……それではこれより第一次新・純潔乙女騎士団の入団試験を開始します。我が軍団は特殊な魔術道具を使用するため、この試験を乗り越えられない方はお断りしています。本気で入団するつもりなら、強い気持ちを持って試験に挑んでください」

 少女達はこの言葉にある者は覚悟を決めた表情を浮かべ、ある者は自信なさげに瞳を泳がせ、ある者は興奮して鼻息を荒くしていた。
 共通するのは皆、等しく緊張していることだ。

 個人的にも試験に合格できる人材は多い方がいい。
 人数が多ければそれだけやれることが単純に増えるし、団員達に十分な休息も与えられる。
 そのため少しでも合格率をあげようと、彼女達の緊張を解すためあるサプライズを準備していた。

「では、自分の話はここまでにして、今回は軍団の特別顧問を務めることになった魔術師S級のホワイト・グラスベル様にも挨拶して頂きたいと思います」

 オレの紹介に、少女達がざわめく。
 あの魔術師S級、『氷結の魔女』が一軍団の下に付いたのだ。しかもはっきりとオレの口から『特別顧問に就く』と断言された。
 この異世界にとって衝撃的ニュースと言っても過言ではない。

 紹介の後、ホワイトが壇上へと上がる。
 彼女は白いフリフリ衣装にミニスカート、膝を隠すほど長いニーソックスを履き、白い髪にリボンを可愛らしくつけている。
 手には声を拡張するマイク型の魔術道具が握られていた。

 ホワイトは恥ずかしそうに顔を赤く染めながらも、予定通り挨拶を始める。

「こ、こんにちは! 特別顧問兼新人アイドルのホワイト・グラスベルです! 今日は皆さんの試験合格を応援するための歌を唄っちゃいます! 聞いてください、『恋に恋するハイエルフ』です!」

 雪のように白い肌を羞恥心のせいか赤く染めつつも、彼女と一緒に現れた楽団員達の音楽に合わせてホワイトが歌い出す。

 軍団(レギオン)大々祭(だいだいさい)の際、ホワイトのアイドル路線が好評だったので今後も、入団希望者の募集やPEACEMAKER(ピース・メーカー)の理念を広めるイベント等で活用しようと継続してもらうことになったのだ。

 軍団(レギオン)大々祭(だいだいさい)では心底嫌そうだったが、ここ最近は意外にも乗り気になっている。
 どうも軍団(レギオン)大々祭(だいだいさい)でのアイドル活動で色々吹っ切れたようだ。
 口では嫌がり、まだ羞恥心を捨てきれないところもあるが、歌やダンスレッスンを頑張っている姿は真剣そのものだった。

 正直、アイドル活動がどれほどの効果があるのか未だ分からない。
 現状はどうしても実験、手探り状態である。
 なので実際、アイドル活動&広報がどれほどの効果を現すのかをこうやって確認しているのだ。これからの彼女は色々頑張って欲しい。

 ちなみに入団希望者の少女達は、ホワイト・グラスベルのアイドル姿と熱唱に誰しもが呆然とした表情をしていた。
 緊張感は吹き飛んだようだが、別の大切なモノまで吹き飛ばしてしまったかもしれない。
 やはり魔術師S級のアイドル姿は色々インパクトが強すぎるようだ。
 ……この異世界にもう少し、アイドルという概念や知名度を広めてからおこなった方がよさそうだな。

 そして彼女が歌い終わった所で、第一次新・純潔乙女騎士団の入団試験が開始した。


ここまで読んでくださってありがとうございます!
感想、誤字脱字、ご意見なんでも大歓迎です!
2月4日、21時更新予定です!

昨夜は久しぶりに友人と会って焼き肉を食べました。
1年以上ぶりに食べた焼き肉は、とても美味しかったです。
1人で生活していると、外食をしても『焼き肉』を食べるという選択肢がなかなかとれないんですよね。
1人焼き肉もありますが、ハードルが高いですし……。

でも、焼き肉は美味しかったのですが、体重ががががが……ッ!
ま、まぁ、ほら、滅多に食べないからちょっと体重が増えても大丈夫ですよ! ……多分!

また、軍オタ1~5巻も、引き続き発売中です。
まだの方は是非、よろしくお願いします!
(1~5巻購入特典SSは15年12月19日の活動報告をご参照下さい)
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ