クリス・スナイパー 見えざる射手と消える弾丸(4)
今回の連続投稿は本編ではなく、特別版ということで『クリス スナイパー編』を連続投稿させて頂きます。
「お隣よろしいですか?」
長の儀式が始まる当日。
結界を張るように建てられた4本の石柱に囲まれた儀式舞台。その舞台を見やすいように建てられた観客席の一角にオレは一人で座っていた。
本来は妻であるクリスが隣の席に座る予定だったが、朝から体調を崩し残念ながら欠席することになった。
現在は客間のベッドでファン一族の当主であるヨーテシアの手配したメイドの世話を受けつつ、ベッドに横へなっているはずだ。
そんな空いた席に天罰機関の天才少女、人種族、魔術師Aプラス級、フーコ・ソー・レイユが座る。
オレはまだ隣に座る許可を出していないが、今更どけとは言えない。
「今日はクリス・ガンスミスさんはどうなされたんですか?」
「妻は体調を崩して屋敷で横になっていますよ」
「そうですか。私の予想通りですね」
「どういう意味ですか?」
「そのままの意味ですよ」
彼女は長い赤髪を優雅に弾く。
その仕草は勝者は自分だと無言でアピールしているようだった。
わざわざ指摘して、墓穴を掘るのも不味い。適当に話を変えよう。
「今日はあの相方さんは一緒じゃ無いんですね」
「彼女は今、警備責任者として働いてもらっています。普段は仕事をさぼってばかりいるので、これぐらいはやってもらわないと」
珍しく仮面のような表情を崩し、眉間に皺を寄せ溜息をつく。
音楽が鳴る。
観客席の反対側に楽団が並びスタートを知らせるように音楽を鳴らし始めたのだ。
音楽に合わせて、儀式の舞台に続くレッドカーペットを正装した分家長男が歩き出す。
長男の後をさらに正装した子供2人が続く。
長男は観客席に愛想を振りまき、舞台を目指し歩いた。
ここまでは一部を除いて通常の『長の儀式』だ。
本来であればすでに舞台には椅子が置かれ、そこに座る予定になっていた。
しかし、分家次男が『演出』ということでごり押しし、椅子を最後に置くことになっている。
クリスに椅子を破壊させないための策だろう。
ちなみにその次男であるジーナーは、儀式舞台袖で『長の儀式』を見守っている。
その表情は自身の勝利を確信したように満足げだった。
長男が儀式舞台正面で立ち止まる。
まだ椅子が無いため上がる意味がない。
続いて、音楽が変わり椅子が運び込まれる。
「!?」
オレは微かに腰を浮かせてしまう。
全身を金属鎧で固めた騎士達がレッドカーペットを歩む。
『座ると死ぬ椅子』を持つ騎士を中心に、椅子を守るように甲冑騎士達が行進する。
観客達がこの演出に『わぁ!』と沸き立つ。
全身金属甲冑姿の騎士達が歩く姿は、まるでお伽噺のようで心躍るのだろう。
金属鎧姿の騎士を目にしてすぐに天罰機関――いや、フーコの狙いが分かった。
オレは忌々しく、隣に座る彼女を睨む。
「やってくれたな……」
「はい、いい演出だと自負しています。わざわざ天罰機関から人員、鎧や盾、剣を運んできてよかったです」
彼女は足を組み替え、わざとオレの台詞を別の意味で受け取り返答する。
騎士達も長男達の背後で一時ストップ。
彼らは左右に分かれて最初に儀式舞台へと上がる。
『座ると死ぬ椅子』を舞台中央へ玉座のように慎重な手つきで配置。
配置を終えると、彼らは舞台を降りず剣と盾を手に、『座ると死ぬ椅子』の周囲を固めた。甲冑騎士が一糸乱れず剣と盾で儀礼的な動きをして金属音を鳴らすと、観客達は一斉に歓声をあげる。
確かに見応えはあるがオレ個人として気に入らない。
『座ると死ぬ椅子』の3方向を金属の壁で塞がれたようなものだ。
唯一、空いているのは正面だが、そこには長男が居る。
まさか彼ごと『座ると死ぬ椅子』を撃つわけにはいかない。
フーコはタイツのような素材で覆われた足を組み替える。
「これだけの準備を整えても、クリス・ガンスミスさんは金属の破片を飛ばす魔術道具をきっと使用されるでしょう。今までどんな事件もその腕で解決してきた、その自負があるでしょうから。ですが、今回はそれが命取りです」
彼女は言葉を続けながら、余裕の表情でその唇で笑みを形作る。
「魔術道具が使用された後、使用された金属の破片を真っ先に回収するように甲冑騎士や周りの者達に伝えてあります。そして、その証拠を元に奥様であるクリス・ガンスミスさんを逮捕させて頂きます。ガンスミス卿は奥様に無駄な抵抗をしないよう説得して欲しいのです。下手に暴れて罪状を増やすのは理性的ではありませんから。もちろんガンスミス卿もです。一応、お二人が暴れてもいいように部隊を準備していますが、余計な手間はかけたくないので」
「……何を仰りたいのか分かりませんね。妻なら先程も言ったように体調を崩して客室で寝ていますよ」
フーコはつまらなそうに溜息をつく。
「ガンスミス卿、助言を一つ。自分で言うのも何ですが、こういうことはあまりやらないので。頑張ったお2人に対しての殊勲賞と思ってください。『勝負というのは始まる前から終わっている』ものです。今回の一件は勉強代と思って素直に罪を償ってください。そして二度と罪を重ねないようつまらないクエストを今後は受けないことをお勧めします」
「だから、先程から何を仰っているのか分からないのですが」
オレは同じような台詞を再び告げる。
フーコは気分を害したように眉根を動かし、唇を尖らせた。微かな変化だが年相応の女の子っぽい反応で思わず笑いそうになる。
その態度がさらにフーコの機嫌を悪くする。
まるで圧倒的差で勝利したのに、デタラメで的外れないちゃもんを付けられたような気分になったのだろう。
もしかしたら『男らしくない』と胸中で蔑んでいるのかもしれない。だとしたら、成功だ。彼女はまだオレ達の狙いに気づいていないということだ。
音楽が変わる。
長男が音楽に合わせて一歩一歩儀式舞台の階段を上がる。
子供達は階段を守る狛犬のようにその場に待機した。
観客達の視線も今では長男一人に注がれている。
彼は一段ずつ着実にあがる。
階段を上りきると一端止まった。
一呼吸置いてから、椅子に――『座ると死ぬ椅子』に座るため長男は一歩を踏み出す。
強い風が吹き抜ける。
『きゃぁぁあ!』
長男が、椅子に座ろうと行動を起こした、その時。
悲鳴があがり、視線が長男ではなく石柱の一本に注がれる。
石柱が長年の風雨に耐えかねたのか、先程の風により折れて倒れ始めたのだ。石柱はまるで切り倒される一本の木のように最初はゆっくり、しだいに自身の重さで速度を増し倒れる。
『危ない!』と誰かの叫びに反応したのか、目視で気づいたのか分からないが『座ると死ぬ椅子』の周囲に居た騎士達が倒れてくる石柱から慌てて逃げ出す。長男も脱兎のごとく舞台を降りる。
運良く最初はゆっくりと倒れていたので、逃げ出す時間は十分にあった。
さすがに金属甲冑で全身を固めているとはいえ、石柱は十数トンはあるだろう。
倒れた勢いも追加したら金属甲冑ごと潰されるのがオチだ。
石柱が倒れると耳をつんざく破壊音、粉塵が舞い上がり、小石や石粒が周辺に飛び散る。
舞い上がった粉塵に観客や騎士、演奏者達が視線を儀式舞台から視線をそらす。
粉塵が晴れると、そこには石柱に潰され壊れた『座ると死ぬ椅子』があった。
飛び散った小石、砂、石粒がぶつかり怪我をする者はいそうだが、幸い死者は出ていない。
『座ると死ぬ椅子』が破壊されたことに気づいたジーナーが、絶望の表情でその場にへなへなと座り込む。
オレはその光景を見届け、隣に座るフーコへと話しかける。
「まさか石柱が根本から倒れるなんて。こんなアクシデントあるんですね。でも死者が出ず、椅子が石柱の下敷きになった程度でよかったですよ」
「ッッッ! そこ! 危ないので舞台に近づかないように! アコさんはすぐに隊員を集め現場を確保! 私達以外、誰も近づけさせないように!」
フーコはオレを一睨みしただけですぐに指示を出す。
彼女の指示に従い天罰機関隊員達がきびきび動き出した。
彼らは舞台を囲むと、倒れた石柱やその周りに這い蹲り何かを探し始める。
他にも彼女の指示に従い怪我人の治療が始まる。
オレも席を立ち本家屋敷に戻ろうとすると、フーコに呼び止められた。
「しばし、座っていてください。お訊きしたいことがあるので」
「分かりました。ですがなるべく早くお願いします。妻の様子を見に行きたいので」
改めて座り直す。
そんなオレをフーコは忌々しそうに睨み付けて来た。
数分後、彼女の部下であるアコが涙目で駆け寄ってくる。
彼女は青い顔でフーコの耳元へ何かを告げる。
フーコはアコの報告を聞くと、苛立ちから驚きの表情へと一変する。
「嘘!? 目撃者も、金属片も見つからない!? どういうこと! ちゃんと監視してたの!? よく探したの!?」
「も、もちろんッス! 抜かりは無いッス! でも誰も目撃してないし、金属片も見つからないッスよ!」
「そんな……だったらどうやって……ッ!?」
フーコが呆然とした表情で倒れた石柱を見つめる。
石柱、屋敷を何度か交互に見つめ――彼女は何かを察したのか、表情を怒りと逡巡でこわばらせる。どうやら彼女は答えに気づいたらしい。
正直、答えに辿り着けるとは思っていなかったので、内心舌を巻いてしまう。
彼女は悔しげに奥歯を噛みしめ、オレを睨みつけてくる。
「まさかこんな奇抜な方法で出し抜かれるなんて……」
単純に激高し怒鳴り散らすなら誰にでもできる。
だが、彼女は激情を押さえ込み深い溜息をついた後は、いつもの冷静な表情を作る。
「……クリス・ガンスミスさんに伝言をお願いできますか?」
オレは返答せず無言を貫く。
彼女は了承と受け取り言葉を続けた。
「『今回は私の完敗です。ですが次こそは必ず貴方の手に縄をかけてみせる』と」
フーコは告げ終えるとさっさとその場を後にする。
自ら陣頭指揮を執り、石柱の片づけ、怪我人の治療に乗り出すらしい。
さらにその上で、こちらの動向を気にかけているようだ。背中に彼女の視線を感じる。負けを認めつつも、未だ付け入る隙を探っているのだ。
(できれば二度とやりあいたく無い相手だな)
だが、そういうのに限ってまたぶつかり合うのが世の常なんだよな……やれやれ。
オレは凝った肩を解しながら、愛しい嫁が待つ本家屋敷に向かって歩き出した。
ちなみに後日――ジーナーと老執事、彼に関わった人物達がフーコの手により、犯罪の証拠を確保され軒並み処罰された。
元雇い主すら、罪人であれば逮捕するとはまったく容赦のない人物だ。
正直、もう二度と天罰機関は関わりたくないものである。
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さて、ではどうやってクリスがあの『座ったら壊れる椅子』を証拠も残さず破壊することができたのか?
答えは人種族、ヨーテシア・ファンが訪れた時まで遡る。
「石柱に細工ですか?」
クリスの意外な要望にヨーテシアは驚きの表情を作る。
「もちろん倒れるように細工することは可能ですが……椅子本体を破壊するのではないのですか?」
『できなくはないですが『儀式途中であからさまな妨害をした場合、長としての資格を剥奪される』というお話だったので、なるべく自然な形で壊せればと思いまして』
「なるほど、お心遣いありがとうございます。しかし本家から儀式の舞台までは約300mほどあり、かなり離れていますが狙った箇所に当てるなど……本当に大丈夫でしょうか?」
『大丈夫です! お任せください!』
実際、前回の依頼で高速&不規則に回転する水晶玉サイズの魔術道具をクリスは破壊している。
その魔術道具はある一点に強い力をかけないと破壊できない代物だ。
今回は約300m先とはいえ、止まっている石柱だ。
クリスにとってこれほどのイージークエストは無いだろう。
「……分かりました。では屋敷に戻り次第、口の堅い職人に頼み早急に取り掛からせて頂きます」
『よろしくお願いします!』
こうしてオレ達は、早々に『石柱を倒して椅子を破壊する』作戦を計画した。
しかし、ここで問題が起きる。
もちろん問題とは天罰機関、フーコ・ソー・レイユの参戦だ。
クリスは一目でフーコが油断ならない人物と見抜くとオレにある物を作って欲しいとお願いしてきた。
そのある物とは――石で出来た弾薬である。
「またなんでそんな物が必要なんだ? いつもの弾薬じゃ駄目なのか?」
『あくまで保険です。フーコさんは私が撃った弾丸を回収して、それを証拠に捕らえようと考えていると思うので』
「ああ、なるほど、確かにあり得るな。だから、石で出来た弾薬が必要なのか」
正確には石で出来た弾芯だが。
石で出来た弾芯を使用することで、石柱を破壊。石柱が儀式舞台に倒れれば砕け、破片が飛び散る。その中に使用した弾芯を紛れ込ませようとしているのだ。
まさに木を隠すなら森である。
『それで作れるでしょうか?』
「たぶん……作れると思う。クリスが満足するレベルを作り出すのは少々時間がかかると思うけど」
たとえば対テロ部隊が、鍵がかかっている扉をショットガンで破壊する際、ブリーチング弾やディスインテグレイター弾、ハットン弾などで破壊する。
スラッグ弾の一種で、硬度の高い金属などを粉末化して固めたものだ。
粉末を固めることで発砲した際、鍵だけを破壊し弾は粉々になる。そのため鍵以外の物や人などに被害を出さないようにする。
レミントン870には上記の弾を使用した『マスターキー』バージョンも存在している。
またゴム弾や木材で作られた木製プラグ弾なども存在する。
なので決して石材で作れない訳ではない。
ただそうなると証拠を残さないためにも金属製の被甲が使用できないのが辛い。
被甲はなんのためにあるのか?
『フルメタル・ジャケット弾』とは、弾丸を金属で覆った物を指す。
19世紀頃、スイス軍所属のエドワルド・ルビンが、シュミット・ルビンM1889という銃をルドルフ・シュミットと作成した際に、ルビンが従来の鉛の弾丸よりも様々な優秀な特性を持つフルメタル・ジャケット弾を作成したと言われている。
(シュミット・ルビンは1889年に開発されて以降、スイス軍にて多数のバリエーションが開発され長きに渡って使用されている銃である。特徴としてはボルトを直線的に押し引きするだけで自動的に薬莢を排出・交換する点があり、他のボルト式が多少複雑な操作を必要なのに比べ、連射性に優れている)。
無煙火薬の登場(1880年代)と同時期に作られたシュミット・ルビンに採用されたフルメタルジャケット弾――その利点として『硬いため貫通力が高い』『金属で覆われているため、銃身内部が汚れにくい』等がある。
特に鉛の弾は柔らかく銃身内部に残ったり、発射時の挙動が安定しなかったりするため、パワーの強い無煙火薬が開発されたその後を追うようにして『フルメタル・ジャケット弾』が広まったお陰で、その後オートマチック銃等が安定した動作で開発され広まっていくことになったのだ。
ちなみに被甲の原材料は『銅にニッケルを加えた物』等が使用される。
話を戻す。
ゴム弾や木製プラグ弾はあくまでライフリングを必要としないショットガンなら問題は無い。
ショットガンのようにライフリング無しで、一粒弾の場合、正確に狙えるのはせいぜい100mが限界だ。
しかし今回は約300m離れた場所の石柱を狙う。
さらに発砲音を極力減らすためVSS(サイレンサー狙撃銃)を使用するという話でまとまっていた。
VSS(サイレンサー狙撃銃)なら分解し、鞄に入れて持ち運べるから目立つことも無い。
またVSS(サイレンサー狙撃銃)の特徴として、9mm×39の専用の亜音速弾を使用する。今回は石材製、被甲無しでこれを実現しなければならない。
前世、地球の科学技術ならほぼ不可能だっただろう。
しかしこちらの異世界には魔術が存在する。
魔術で石弾を作り出す。
被甲も魔術で代用できそうな石や土で作り出せるだろう。
ただし時間はかかりそうだが。
こうしてオレはメイヤの協力の下、石弾を開発した。
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儀式当日。
クリスは体調不良ということで儀式を欠席した。
彼女はVSS(サイレンサー狙撃銃)を収納された鞄を手に本家屋敷地下室へ。
地下室と言っても半地下で鉄格子から、目標となる石柱を確認することができた。
クリスもフーコが準備した全身金属甲冑姿の騎士達に驚く。
すぐに弾丸を防ぐ目的で『座ると死ぬ椅子』の周辺に立つ人員と理解したからだ。
もし石柱が倒れて巻き込まれ死亡したら不味い。
しかし騎士達は石柱がある方面を向く。
石柱との距離もあるため回避は難しくないと判断。最悪の場合は観客席に居る愛しい夫、リュートがフォローしてくれるとクリスは信じた。
組み立て終えているVSS(サイレンサー狙撃銃)を手にクリスが台座の上に立ち、構える。
彼女の身長が低すぎて、事前に地下室に置いた台座を引っ張り出す。
屋敷に到着後すぐに地下室を確認。
自分では背伸びをしても届かないことに気づき、ちょうどいい高さの台座を急遽探し出し地下室に運び込んだのだ。
儀式が終盤へとさしかかる。
このまま放置すれば、長男は『座ると死ぬ椅子』に腰を下ろしてしまう。
「すぅー」
クリスが息を吸う。
「はぁー」
微かに吐き息を止める。
VSS(サイレンサー狙撃銃)の銃身が鉄格子から出ないよう気を付けつつ、そっと――引鉄を絞る。
微かな発砲音。
外では楽団が音楽を流しているため、外部の人達にはまったく聞こえないだろう。
排出された薬莢が地下室の床に落ち硬質な音を立てる。
それはまるで舞台終了を告げるベルのようだった。
クリスは倒れる石柱と慌てて逃げ出す騎士達を確認。無事、騎士達が逃げ出し『座ると死ぬ椅子』の上に石柱が倒れるのを目撃した。
誰も死者を出さなかったことに安堵する。
VSS(サイレンサー狙撃銃)を再度分解し、鞄へと収納。ついでに落ちた薬莢を拾い鞄の中へとしまった。
後は何事もなかったように本家当主に当てがわれた客室ベッドに潜り込むだけだ。
クリスは外から聞こえてくる人々の喧噪を耳にしながら、鞄を手に客室へと戻って行った。
こうして無事にクリスは『座ると死ぬ椅子』破壊という依頼を達成することに成功したのだった。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
感想、誤字脱字、ご意見なんでも大歓迎です!
8月20日、21時更新予定です!
軍オタ4巻の発売日まで後1日!
前書きにも書いた通り、今回の連続投稿は本編ではなく、特別版ということで『クリス スナイパー編』を連続投稿させて頂いております。
『クリス スナイパー編』も最終話です!
いよいよ明日、ついに軍オタ4巻が発売します!
また明日は21時に購入者特典SS、なろう特典SSも本編と一緒にアップする予定です。
なので是非、お見逃し無く!
また今回、感想返答を書きました。
よかったらご確認してください。
また、軍オタ1~3巻、引き続き発売中です。
まだの方は是非、よろしくお願いします!
(1~3巻購入特典SSは15年4月18日の活動報告を、2巻なろう特典SSは14年10月18日の活動報告、3巻なろう特典SSは15年4月18日の本編をご参照下さい。)




