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狂い咲き
作:奈津美


どんなに待っても帰って来ない彼からの電話

あまりにも衝撃的で涙が止まらなかった

私・・・今まで待ってたんだよ?


『俺、もう帰らない。帰れない。』


なんであんな事言ったの?

ずっとずっと待ってろって言ったじゃない

どうして・・・?


「お昼頃から雪でしょう。最高気温は11℃の予想です。」


天気予報が聞こえる

さっきより音が大きくなった気がする


ガチャ


「ただいまぁー。」

「おかえりなさい、コナン君。」

「泣いてるの?」

「何言ってるのよぉ!元気元気!」


明らかに無理をしている蘭に

なんて事をしたんだと後悔した

けど・・・俺は・・・

俺は・・・好きだから


゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆


ある日の事だ

夕焼けがとても綺麗だった

俺は、一人で帰っていると

蘭は男と楽しそうに話していた

男が蘭に抱きつくシーンを見た俺は

ショックだった

そして、その男は蘭に顔を近づけて

・・・・・

そこからは記憶にないのだ

気がついたら、探偵事務所のソファーに座っていて

蘭の声で現実に帰って来た

そんな感じだったのだ


゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆


「コナン・・・君。」

「何?」

「・・・私ね、新一が大好きなの。」

「へぇ。」


嘘なんだろ?

お前が好きなのはあの男なんだろ?

けど・・・悲しい瞳でじっと俺を見て

目にたくさんの液体ナミダを溜めながら

俺に抱きついて

声をあげて泣いた


「・・・新一にぃちゃんが本当に好き?」

「ええ・・・大好きよ。」

「僕・・・この前見たよ?他の男の人と・・・。」

「あれは・・・クラスの男子。告白されたけど断わったわ。」

「キ・・ス・・。」

「してないわよ。だって、必死に拒んだもの。」

「えっ・・・。」

「あいつの優しさにボーっとしちゃったけど、キスなんてしないわよ。」

「優しさ・・・?」

「新一ほどじゃないけどね・・・優しさが痛いくらいだったわ。」


ズキン

胸が痛む

俺はこんなに愛されていたのか?

こんなに悲しませていたのか?
   
一筋の液体ナミダが頬を伝う


「コナン君・・・?泣いてるの?」

「バ・・・バーロ。」

「くすっ、新一の真似?」

「う、うん!」

「アハハ・・・元気出たかも!ありがとう!」


蘭の表情はみるみるうちに明るくなっていた

俺が液体ナミダ)を流したのは何年ぶりだろうか

蘭の前で・・・泣いた事なんてなかったのに

かっこ悪ぃな・・・俺

















「解毒剤?」

「ああ・・・俺にくれないか?」

「バカね、出来たらすぐに渡すわよ。」

「・・・それもそっか。」


コナンは肩を落として研究所を後にしようとした

カランカラン

缶の落ちるような音がして

コナンはすぐに振り向く

床にはカプセルが散乱していた


「勝手に・・・取ればいいわ。」

「灰原・・・?」

「・・・あげたくない。」

「えっ?」

「本当はあげたくない!あなたといたい!行っちゃ嫌!」

   
灰原の涙は床に落ちる

ポタッポタッ

液体ナミダは砕けて見えなくなった


「悪ぃな・・・灰原。俺は・・・行かなくちゃ。」

「・・・彼女にはもう好きな人がいるかもしれないのよ!私はあなたの事・・愛せるわ!」

「・・・蘭は俺を愛してくれているんだ。」


パリン

何の音だろう

ああ・・・私の心が砕けちゃった

両思いに片思いが勝てるわけないわ・・・

何を必死になってるの?

いつもの冷静さはどこに行ってしまったの?

好きってこんなに辛いのね

好きな人を失うのはもっともっと辛いのね・・・


「いってらっしゃい。」

「え・・??」

「早く行って!これ以上傍にいたら・・私・・私・・。」

「ああ・・・ありがとな。」


彼がいなくなった部屋は寒い

ストーブがついているというのに・・・

私は・・・彼女と違う

彼女は桜・・・春を知らせるメッセンジャー

私は枯れ木・・冬を知らせるメッセンジャー

温もりが違いすぎる

もともと・・・実らぬ恋だったのよ

灰原はそっと目に溜まった液体ナミダを拭いて

植木鉢に水をあげていた


「あら・・・?」


灰原は庭に目をやる

すると、一輪の花が咲いていた

綺麗な桃色だった


「・・・気づかなかった。」


灰原は思った

冬でも花は生きている

冬でも花は咲くんだと


「狂い咲きね。」


彼女はいつ咲くかしら?
















「よし・・・。」

誰もいない工藤家で、ひっそりと薬を飲む

これで・・・元の姿に戻れるんだ

こみ上げる感情になんだか顔が熱くなる


「・・・ぅ・・ぅ・・。」


だんだんと苦しくなる自分

けど、蘭はもっと辛い思いをしてきたんだ

俺は我慢をしなくちゃいけないんだ・・・


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」















ピンポーン


蘭はソファーで寝ていた

チャイム音でハッと起きる

すると、外は一面雪景色

蘭はちょっと心を躍らせながらドアをゆっくりと開けた


「・・・よっ。」

「新一!?」

「・・・あのさ・・俺・・俺・・。」


新一の肩には雪がついていた

ズボンはぐしょぐしょに濡れていた


ギュッと抱き合う二人


「おかえりなさい、新一。」


彼女は新一の雪を溶かす


「ただいま・・・・蘭。」


彼は彼女に温もりを与える




彼女はきっと咲いただろう

二人の春を伝えるために・・・



狂い咲き




狂い咲き

私の庭に、昨日花が咲きました
多少話を変えて、タイトルも変えました
以前のタイトルは「忘れ咲き」だったのですが
どちらがよかったでしょうか・・・?

連載中の話は少し休暇中です
展開が見えない自分への休暇です。
ご了承下さいませ

哀の性格がちょっと違うような気もしました。
けど、コナンが蘭のトコに言ってしまう
それを必死に止めたかったんですねー。
だヵらちょっと激しくなりました(o*。_。)oペコッ

評価下さい、お願いします













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