「くっ……お前は……一体誰なんだ!なんでいつも僕の夢に現れるんだ!」
稜哉は床にひざをつき、あえぎながら、自分の中から出まいとする"男"に言った。
体中から何かが搾り出されるような感じがしている。
まるで、自分の体が2つに裂けそうだ。
「うああああああーーー!」
ケージの中から原子爆弾が爆発したような光が放出された。
「ちょっとジャスティン!なに!?この光は!」
眩しさで、両手で目を覆いながらロランが叫んだ。
「分からない!でも……たぶん拒絶反応だと思う!」
ジャスティンは焦っていた。
稜哉がケージに入ってから、もう30分が経とうとしている。
(これ以上ケージにいたら、稜哉君の身がもたないわ。それに……)
さっき一瞬見えた、男の姿をみて身震いした。
(実体を持つものは、きっかけを与えてしまえば反抗する。何をしだすか分からない。早くケリをつけないと。でも引き離すことができない……)
ジャスティンのつくり出すロードは、実体のないものしか通ることができない。
そもそもトーヴィー家のつくることができるロードは霊や怨霊といった魂が集まる第三世界とこの世をつなぐ、架け橋だからだ。
実体をもつ人や動物などは、その世界へ踏み込むことは許されない。
だからロードを通ることもできないのだ。
もし無理やりロードを通らせようとしたなら、ケージ内にいる者もろとも、死んでしまう。
(こうなったら……)
ジャスティンは次の手だてを模索していた。
(引き離せなくても、押さえ込めれば……)
はっと思い当たったジャスティンはロランを振り返ると言った。
「離れてて!」
ロランは黙ってうなずくと、壁に張り付くようにして遠ざかる。
ジャスティンは"Ⅱ"に両手を当て、叫んだ。
「弐次封印!!」
今まで白い光線だったのが、赤黒い、邪悪なオーロラに変わった。
「我は……この世界を支配するもの……。この世の救世主……」
稜哉の中に巣くっている男は言った。
「救世主……?」
男はいっこうに稜哉から出ようとはしない。
頭の中で、男の声がガンガンと響き、それにあわせて心臓もドクドクと脈を打った。
「我がこの世界、この国をつくり、そして運命を握っているのだ……」
(この……国?まさか……)
「おい!お前は誰だ!まさか」
その時だ。
急にケージ内が暗くなったのは。
いや、正確には赤黒い光が稜哉に降り注いだ。
「ぐあああああっっ!」
断末魔のような叫び声が、稜哉の頭の中でこだまする。
男が叫んでいるのだ。
「ごんなどごろで……死んでだまるがぁー!」
男の叫び声は増し、稜哉は今にも自分の頭が割れそうなのを感じた。
心臓はドックンドックンと大量の血液を不規則に血管に送っていて、今にも体中が破れそうだ。
竜巻のようなものが稜哉を巻き込んでいったかと思うと、それはおへその辺りを中心に、螺旋を描いて体の中に突き刺さっていく。
自分に起きていることが全く理解できず、パニックを起こしている脳裏に浮かんだのはただ1文字。
"死"
「いやだああああーーっ!!」
目眩、体中の痛み、頭痛、吐き気……。
稜哉はバタッとその場に倒れた――。
来週、とかいっておいて更新が滞ってしまいました。
本当にすみません。
実は今、テスト1週間前なんですね。
(なのに対策してない作者です……)
明日は続きを更新します★
しっかり更新予約をしました♪
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