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「隠れ里・豆知識その19」
ケージ使い:
・トーヴィー家、スペンサー家、マッコール家の3家の一族のみがなせる特殊能力
・霊や怨霊など実体の無いものを呼び寄せたり、逆にとり憑かれている人から引き剥がすことができる
・各家柄によって使う道具は変わる
・実践までにはかなりの練習が必要
・各一族で扱える霊や怨霊の強さのレベルがある程度、決まっている
 【マッコール家<トーヴィー家<スペンサー家】 の順。
第3章
第61話 ケージの内と外
ジャスティンの声が聞こえたと思ったとたん、パァッと六角形から周囲に、頭が痛くなるくらいの真っ白い光が噴射した。
稜哉は状況を理解しようと、くらむ目を一生懸命に見開いて、辺りを見渡す。
けれど、自分の周りはあまりにもまぶしい光のせいで、全く見えなかった。
椅子に座っていたロラン、すぐ近くにいるはずのジャスティンの姿さえも。
激しい耳鳴りと明るさに耐えられず、目も頭も限界に達した稜哉は、そのまま座っているのも辛くなり、バサッと横に倒れて、気を失った――。




一体どのくらい時間がたったのだろう。
床のヒンヤリとした冷たさで気がついた稜哉のいた場所はもう、305号室ではなかった。

「ここは……?」

頭上には20m以上はありそうな高い天井、まるで檻みたいに11本の太い鉄の柱で囲まれた空間に、彼はいた。
見る限り、出口らしいものもない。
稜哉はふと、自分があの絹織物の上にいないことに気がついた。
そして察した。

「ここは……あの刺繍されていたケージ(監獄)の中だ……」

ついさっきまで下に敷いていた織物の模様の中に、今、自分がいる。
それも1人で。
ジャスティンが失敗したのではないかと不安になる稜哉だったが、すぐにそんなことを気にしてはいられなくなった。
自分のそばで、人の声がしたのだ。
いや、そばではない。
自分の中から。

「……なせ……やめ……ろ……離……せ……」

もう何度も聞いたことのある、あの低い、邪悪な声。

「まさか……。あいつが、あいつが僕の中に!?」




305号室ではロランが半ばパニックを起こしていた。
目の前ですさまじい光が発せられたかと思うと、それが止んだときには稜哉は忽然と姿を消していたのだ。

「ねぇ!ジャスティン!稜クンいなくなっちゃったよ!?大丈夫なの!?」
「お願いだから、静かにしていて!大丈夫だから!」

ジャスティンはロランにそう怒鳴ると、再び全神経を両手のひらに集中させた。
ロランはジャスティンの珍しい神経質ぶりに驚いたようで、それから一言も言葉を発さず、ただただ不安そうに爪を噛む。

「もしここで失敗したら、稜哉君は戻ってこられないのよ……」

ジャスティンは片時たりともケージ模様から視線をそらさない。
今や305号室には、緊張の糸がキンキンに張りつめていた。




「かかったわ!」

稜哉が部屋からいなくなって約5分。
ジャスティンが安心したような声を上げた。

「"かかった"って?稜クンは大丈夫なの?」

ロランが恐る恐る、ケージ模様を覗き込みながら聞く。

「大丈夫よ。あとはコイツを引き離せば……!?」
「どうしたの!?」

ジャスティンがギョッとしたように腰を浮かせたのを見て、ロランは心配そうにジャスティンを見る。

「ううん、なんでも、ないわ」

額から汗を滴らせながらジャスティンは答えた。

(これは……いや、この人は……。なんでこの人が稜哉君に?それにこの人……実体があるじゃない!)

「きゃああっ」
「わあああっ」

そのとき、さっきの真っ白い光が、再び2人をのみこんだ。
英検が控えているので次は来週になります★
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