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第3章
第59話 とり憑き専門を呼んでくる
「具体的にどんな夢なの」
「例えば……」

稜哉はさっき見た夢を思い出そうとした。

「ここに来る途中、列車の中でみたのは……自分がどこかの部屋にいたんだ。本棚の影に隠れてた。部屋には僕のほかに男が1人と若い女がいて、それで……」
「それで?」
「女は死んでた」

2人の間に少しの沈黙が流れた。
そのうち、我に返ったようにロランが言った。

「それだけ?」
「それだけといえば、まあそれだけ」
「……わかんないなぁ」

ロランは首をかしげると、紅茶を1口飲んだ。

「分からないって、何が?」
「いや、どうしてそんなにその夢を気にするのかなって。だってそれ、よくあるただの悪夢でしょ。そんなに気にすることじゃないと思うけどなぁ」
「でもさぁっ」

稜哉の声がつい尖る。

「悪夢は悪夢でも人が死んでるんだ。そんな夢、そう頻繁に見ないでしょ、普通。それに絵のことだってあるし、妙にリアルだし」
「絵?絵って何?」

稜哉はあの肖像画が伯爵だったかを言おうか悩んだ。
仮に今、唐突に言っても……。
そんな思いがよぎり、稜哉は思わず濁した。

「と、とにかくさ、変なんだ。前の時だって、今日のと同じ男がヤバそうな占いやっている夢とか、ロランの」

"家族を殺したのは俺だ、とか"と言いそうになって稜哉ははっと口をつぐむ。
それを本人の前で口にするのは、あまりにもむごすぎると思った。

「なんかさ、ほら」

稜哉は急いで他の言葉を探した。

「変な夢、見ないようにする方法とかって、ないの?」

ロランに言いそうになったことが気づかれやしないかと、内心びくびくしていたが、気づかなかったらしい。
彼はまた紅茶を飲むとほぅっとため息をついた。

「方法ねぇー」

しばらく宙をぼんやりと見ていたが、はっと思いついたように彼は目を輝かせた。

「そういうのはとり憑き(・・・・)専門家(・・・)に頼んだほうがいいね」

そう言うと、1人納得したように

「うん、そうしよう。それがいい」

とつぶやいて部屋から出て行こうとした。
稜哉も慌てて立ち上がると、後を追う。

「ちょっと、どこ行くの?」
「決まってるじゃん、とり憑き(・・・・)系のプロを呼ぶんだよ」
とり憑き(・・・・)系のプロ?」

ロランはニィッと笑った。

「稜クンは待ってて。3分後に戻るからさ」

パタンと目の前で玄関のドアが閉まった。
次回は来週更新予定。
まだお話が書けてないのでなんともいえないですが、火曜日辺りにUPしたいと思ってます。
 
とり憑き専門家はまさかのあのコが__?
お楽しみに
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