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第3章
第53話 ガレンシア街
次の日、ジェーンおばさん、ジョン、オリバー、稜哉の4人は雪の積もった土の上を、ガレンシア街目指して歩いていた。
2時ごろの陽射しが雪に反射して、時折、キラキラと輝かせる。
木々に積もった雪は、カサッカサッと音を立てて落下した。





やがて、人の多いにぎやかな通りに出た。
道も、山吹色のアスファルトにかわり、雪も隅に寄せられている。

「ガレンシア街よ」

両脇にいろいろなお店が並び、親子連れ、若いカップル、子供たちと、みんなが楽しそうに道を歩いていてはどこかの店に消えていった。

「さーぁ、口の中で拡大するキャンディーはいりませんかぁー?」

まるで外見がヘンゼルとグレーテルに出てくるお菓子の家のような店の前で、ピンクのエプロンをつけた青年が、メガホンを片手に叫んでいる。

「口の中で拡大?どういうこと?」

稜哉は思わずオリバーに聞いた。

「口の中で飴玉が大きくなるんだよ。だいたい2倍くらいにね。中には2.5倍のものもあるんだぜ」
「もともとの大きさはどれくらいなの?」
「これくらいかな」

そういうとオリバーは10円玉ほどの大きさを、親指と人差し指で作ってみせた。
それを見てぎょっとした。

「あのお店には行かないほうがいいわよ」

そんな稜哉を見て、ジェーンおばさんは言った。

「どうしてですか?」
「ホント、ろくでもないものばっかり売りつけるんだから」

そして、おばさんはジョンとオリバーをキッと見た。

「きっとまだあのBAT BALLのこと怒ってるぜ」

ジョンは、隣で小さくなっているオリバーにボソリと言った。




ガレンシア街に入って、5分ほど歩いた頃だろうか。
相変わらず、赤や緑色のにぎやかな店の並びの中に、茶色い、いや、古びた木造の建物がある。

「さあ、着いたわ」

お店の看板には"土の色"と書かれている。

稜哉はゴクリと唾を飲んだ。
というのも、この店があまりにも他の店とはかもし出している雰囲気が違ったからだ。

にぎやかで、どちらかというとうるさい感じの周りの店と違い、"土の色"は物静かで、厳格そうな感じだった。

職人の店――。

稜哉はそう感じた。
ジョンとオリバーもそんな雰囲気を感じたのだろう。
静かになり、ただただ看板を見ていた。

「さ、行きましょ」

ジェーンおばさんが、木の板をつぎはぎに合わせてつくられた戸を引き、4人は店内に足を踏み入れた。
次回更新は今週の日曜日を予定。
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