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なんだかんだで、第2章はあと5話ほど続きそうです……。
第2章
第49話 嫉妬心
1週間の試験採点期間は終わった。
12月19日、午後4時30分ごろ。
本日最後の授業である。

稜哉たちCクラスのメンバーは薄暗い里史(りし)講義室にいた。
窓には黒いカーテンが引かれ、明かりと言えば、室内を陰気なムードに保っている十数個のオレンジ色の電球と、手元を何とか明るくする、机1つに1台備えられた、小さな白熱灯だけ。
あの、コウモリが巣くっている生物室の薄暗さと十分はりあえるほど、講義室は暗かった。

「それじゃ、今から答案返すぞー。30点未満のヤツはもれなく"休暇中パワーアップ講座"の特典つきだからな。ちゃんと休暇中来るんだぞ」

戦々恐々として席についている生徒の前で快活と話すのは、7年生の里史担当教師、アンドレ・ポンポニャックこと通称ポンポ先生。
年齢おそらく35歳くらいのポンポ先生は、今日もこの陰気な室内には不似合いなエネルギーをかもしだしていた。
そんなエネルギッシュなポンポ先生は生徒たちに人気で――特に女子生徒の間で――フレンドリーな先生として親しまれている。

稜哉は次々と生徒が答案を受け取るのをぼわーっと眺めていた。

「Mr.レストレンジ」

ポンポ先生に呼ばれ、稜哉は恐る恐る答案を受け取りにいった。

「休暇中、一緒に頑張ろう」

真っ黒のサングラス越しに、先生の目が優しく笑った――ような気がした。
稜哉は苦々しく先生に笑うと、点数を見ないで席に戻った。

(見なくったって分かってる)

「Mr.アルベール」

稜哉の瞳に、ロランがわくわくしているような足取りで先生の下に向かっていく姿が映った。
里史以外の教科はすでに全教科答案返却が行われたが、ロランはその全教科、満点という驚異的な点をはじき出していた。

「みなさん、Mr.アルベールは満点です!」

ポンポ先生の嬉しそうな言葉に、生徒たちはロランへの感嘆の声を上げる。

(やっぱりな)

稜哉は自分の心の奥底から、くすんだ黒い何かが、表に広がっていくような気がした。
自分の答案用紙をそっと開いて見る。

20点。

(……やっぱり)

どうして自分はこんなにもできないんだろうと稜哉は思った。
自分だってロランと同じくらい、いやロラン以上に勉強したはずだ。
ロランが、毎晩の日課にしているバカバカしい星占いをしている時だって、自分は教科書を広げ、必死に勉強していた。
なのに、どの教科も冴えない点数で返却されて……。

(考えるのはやめよう。僕はまだこの学校に来たばかりなのだから)

そう、自分に言い聞かせた。
そうでもしなければ、心に広がっていく、醜い、汚らしいこの感情を止められなかった。
きっと今、自分の顔を鏡で見たら、苦虫を噛み潰したような表情をしているに違いない。

キンコーン、キンコーン、キンコーン。

「じゃあ、みんな楽しく休暇を過ごすんだぞ」

授業が終わった同時に、稜哉は席を立つと、ロランたちに見つからないように講義室から出ようとしている集団に紛れ込み、走って宿舎に戻っていった。
そして布団にもぐりこみ、しばし夢の世界へと旅立った。
明日でついに50話です!!
もちろん明日も更新しますww
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