「隠れ里・豆知識その4」
ハンナ・レストレンジ:
イギリス人系バンパイア。
ポーグラント中等学校の6年生(12)
お茶目で活発な女の子。
バレンタインデーでは惜しくもエマの記録に届かず2位。
(↑のちのちこのレストレンジ家バレンタイン大会については明らかに!!)
身長156cm
――稜へ
稜、お前がこの手紙を読む頃、きっとお母さんのことも知ったと思う。
お前のお母さんの弘子は私が今まで会った全ての女性の中ですばらしい人だったんだよ。
いや、"人"ではなく、"バンパイア"だった。
だから稜も"バンパイア"なんだ。
でもだからといってそのことを恥じる必要もないし、後悔する必要もない。
むしろ誇りに思いなさい。
私と弘子との息子であることを。
自分に自信を持ちなさい。
レストレンジ一家はみんないい人たちで、ひとなつこい人たちだからすぐにうちとけられるだろう。
そうそう、彼ら一家にも稜と同い年の双子の兄弟がいるんだよ。
稜がこの手紙を読んでいるときはもう、私の記憶には稜との思い出はレストレンジ氏によって消されているだろう。
でも彼を恨んではいけない。
私がそうするようお願いしたんだからね。
それが稜を守る、最善の手なんだよ。
元気に暮らしなさい。
お父さんより――
「この手紙を受け取った2週間後、弘子は行方不明となり、3日後殺されているのが発見された。」
アーサーは重々しく言った。
「弘子さんを――母さんを殺した人は逮捕されなかったの?」
「稜哉君、チェイサーは国家にも深く通じている。だから彼女の死は"事故"として片付けられた。」
「……。」
稜哉は言葉が出てこなかった。
何をいっていいか分からなかった。
「最近またチェイサーの動きが活発になってきていた。だから私たちはそろそろ君を引き取るころかと思い始めていたんだ。私から君のお父さんに手紙を出し、昨日の夜に君を連れ出すと2人で決めた。これがだいたいの話だ。」
アーサーは長い話を終えた。
リビングには長い沈黙がしばらく流れた。
「僕はもう、戻れないの?」
「ああ。戻ることはできない。いや、正確には戻ることはできても戻れないことと結局は同じなんだ。」
「どういうこと?」
「君の知っている人はもう君を知らないんだよ。私は君と少しでも関わりを持った人から君との記憶を消し去った。君の家には君が住んでいた形跡さえ、もう残ってはいない。」
もう、誰も僕のことを覚えていないんだ……。
稜哉は寂しくなった。
急に独りぼっちになった気がした。
「しばらく……一人にさせてもらえませんか?」
「もちろんだよ。君がさっきまで寝ていた部屋、そこは今日から君の部屋だ。今日はゆっくり休みなさい。夕食のときにまた呼びに行くよ。」
部屋に戻る途中、時計を見ると12時をまわっていた。
いつもなら、いや、昨日までなら4時間目の真っ最中にもかかわらず、給食のことを考えている頃だ。
でも……。
そんな日はもう来ないんだろうな……。
学校で授業中に内職したり、友だちとふざけあったり――。
そんな日々は二度と戻らないのだろう。
部屋について再びベッドに入ると目を閉じた。
今までの日々を思い返しながら――。
Twitterブログパーツ
カテゴリ別オンライン小説ランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。