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第2章
第44話 それぞれ
2日間のM.E.は、終わった。
生徒にとっては、いろいろな意味で――。

「終わったー。」

校舎から宿舎に戻る途中、ロランが気持ち良さそうに背伸びして言った。

「終わったよ……。里史(りし)が」

稜哉は今終えた試験を思い出す。
どの教科も冴えなかったが、里史は一番最悪だった。

(Q1もQ2もきっと全部落とした……。80点分だったのに……)

「ほら、稜クン、クリスマス休暇だよ。もうすぐ」
「うん……」
「稜クンは休暇中は家に帰る?それとも宿舎に残る?」
「きっと補習さ」
「楽しみだよね。クリスマス休暇」
「僕だけだ。きっと補習なんて受けるの」

ロランはため息をついた。

(だめだ、たぶん今日1日立ち直らないな)





同じ頃――。

「あーあ、あたし生物終わったわー」

教室の片隅で、悲観にくれている女の子がいた。

「大丈夫よ、リリー」
「今度こそ、お父様に叱られてしまうわー」
「まだそうと決まったわけじゃ……」
「私には分かるのよ。だってQ3の40点分、全て間違えたんだもの」

リリーはなみだ目になってハンカチで目を押さえた。

「あーあ、許してお父様ー」

(……。もう付き合いきれないわ)

ジャスティンは泣いているリリーを引っ張って教室を出た。




一方、里史のとある小部屋では、さっそく採点を始めている教師がいた。

アンドレ・ポンポニャック、フランス人。
栗色の短髪に、180cmという長身。
身にまとうのは、その辺では売っていないような高級スーツ。
常に掛けている、黒いサングラスが特徴的だ。
7年生の里史の担当をしている。

彼は万年筆で、生徒たちの答案に次々と赤い印を書いていった。
時々、スーツのジャケットのポケットから、金色の懐中時計を取り出して時間を見る。

(5時か。いい時間だ)

懐中時計をポケットに戻し、再び答案用紙に視線を移した。

パラッ。シャッ。シャッ。シャッ。

室内には時々答案をめくる音と、万年筆が紙の上を走る音しかしない。

部屋は薄赤暗かった。
それもそのはず。
ろうそくの明かりしか、部屋を照らしている物は無いのだから。

アンドレのほかに、部屋にいるものはなかった。
当然だ。
だってここは、アンドレの部屋なのだから。

シャッ。シャッ。

Q1とQ2に、彼は大きくチェックをつけた。
思わず顔をしかめる。

(誰だ。80点分もごっそり落としているのは。ここはテキストのままなのに)

『稜哉・レストレンジ』

(稜哉・レストレンジ……レストレンジ……レストレンジ……)

黒いサングラスの向こうで、何かが光った――様に見えた。

(レストレンジ……)

フッと笑うと、彼はそのまま万年筆を走らせた。
はい、この場をおかりして宣伝です。
(読み飛ばしていただいてもかまいません(笑)

200文字小説だけの短編集、200-wordの世界
http://ncode.syosetu.com/n4302k/も書いてます。
どれも1話限りの読みきりです。
良かったらどうぞ(*´ω`)ノ

宣伝でしたー

ちなみに隠れ里は明日も更新ばっちしOKです★
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