2日間のM.E.は、終わった。
生徒にとっては、いろいろな意味で――。
「終わったー。」
校舎から宿舎に戻る途中、ロランが気持ち良さそうに背伸びして言った。
「終わったよ……。里史が」
稜哉は今終えた試験を思い出す。
どの教科も冴えなかったが、里史は一番最悪だった。
(Q1もQ2もきっと全部落とした……。80点分だったのに……)
「ほら、稜クン、クリスマス休暇だよ。もうすぐ」
「うん……」
「稜クンは休暇中は家に帰る?それとも宿舎に残る?」
「きっと補習さ」
「楽しみだよね。クリスマス休暇」
「僕だけだ。きっと補習なんて受けるの」
ロランはため息をついた。
(だめだ、たぶん今日1日立ち直らないな)
同じ頃――。
「あーあ、あたし生物終わったわー」
教室の片隅で、悲観にくれている女の子がいた。
「大丈夫よ、リリー」
「今度こそ、お父様に叱られてしまうわー」
「まだそうと決まったわけじゃ……」
「私には分かるのよ。だってQ3の40点分、全て間違えたんだもの」
リリーはなみだ目になってハンカチで目を押さえた。
「あーあ、許してお父様ー」
(……。もう付き合いきれないわ)
ジャスティンは泣いているリリーを引っ張って教室を出た。
一方、里史のとある小部屋では、さっそく採点を始めている教師がいた。
アンドレ・ポンポニャック、フランス人。
栗色の短髪に、180cmという長身。
身にまとうのは、その辺では売っていないような高級スーツ。
常に掛けている、黒いサングラスが特徴的だ。
7年生の里史の担当をしている。
彼は万年筆で、生徒たちの答案に次々と赤い印を書いていった。
時々、スーツのジャケットのポケットから、金色の懐中時計を取り出して時間を見る。
(5時か。いい時間だ)
懐中時計をポケットに戻し、再び答案用紙に視線を移した。
パラッ。シャッ。シャッ。シャッ。
室内には時々答案をめくる音と、万年筆が紙の上を走る音しかしない。
部屋は薄赤暗かった。
それもそのはず。
ろうそくの明かりしか、部屋を照らしている物は無いのだから。
アンドレのほかに、部屋にいるものはなかった。
当然だ。
だってここは、アンドレの部屋なのだから。
シャッ。シャッ。
Q1とQ2に、彼は大きくチェックをつけた。
思わず顔をしかめる。
(誰だ。80点分もごっそり落としているのは。ここはテキストのままなのに)
『稜哉・レストレンジ』
(稜哉・レストレンジ……レストレンジ……レストレンジ……)
黒いサングラスの向こうで、何かが光った――様に見えた。
(レストレンジ……)
フッと笑うと、彼はそのまま万年筆を走らせた。
はい、この場をおかりして宣伝です。
(読み飛ばしていただいてもかまいません(笑)
200文字小説だけの短編集、200-wordの世界
http://ncode.syosetu.com/n4302k/も書いてます。
どれも1話限りの読みきりです。
良かったらどうぞ(*´ω`)ノ
宣伝でしたー
ちなみに隠れ里は明日も更新ばっちしOKです★
Twitterブログパーツ
カテゴリ別オンライン小説ランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。