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「隠れ里・豆知識その3」
エマ・レストレンジ:
超エリート学校、アッシリア高等学校に通う高校1年生(16)
レストレンジ家のバレンタインデー記録保持者でもある。
気が強く、やや小生意気だったり……。
身長168cm
第1章
第3話 明かされる真実
「私はアーサー・レストレンジ。エマやハンナ、ジョン、オリバーの父親だ。それから――」

アーサーは稜哉の目をじっと見ていった。

「今日から君の父親にもなる。」

稜哉はぎょっとした。
初対面で今度は「君の父親だ」なんて告げられたのだ。
しかもこともあろうかバンパイアに。
もう頭は半分パニックを起こしていた。

「今から話すことをとりあえず、黙って一通り聞いてほしい。」

稜哉は肯いた。
アーサーの言葉は一言一言が静かで、でも威厳があった。
そんな彼を前にして稜哉は肯くしかなかったのだ。

「まず、1番大切なことなんだが……。君は生まれながらにしてのバンパイアなんだ。」
「?」

一瞬稜哉はいわれたことの意味が分からなかった。
「父親説」の次は「僕もバンパイア説」!?

「君はバンパイアなんだよ。というか正確には人間とバンパイアのハーフだ。」

僕が……バンパイア……?

「君のお母さん、吉原弘子もバンパイアだった。彼女のことを覚えているかい?」
「覚えてない……。僕を生んだ後すぐに死んじゃったって言うのは知ってる。理由は知らない。誰も教えてくれなかった。」

実際、物心ついたときから稜哉は母親がいないことを知っていた。
あれは幼稚園くらいの頃だったっけ。
家族の写真の中に1枚、父さんと知らない女の人が仲良さそうに笑って写る写真を見つけた。

   ――             ――            ――

「ねぇねぇ、この人だれ?」
「稜のお母さんだよ。」
「どこにいるの?」
「天国からいつも稜をみているんだよ。」

「どうして天国にいるの?」これを言うと決まって父さんはこう言った。
「そのうち分かるときが来るよ」と。

   ――             ――            ――

「どうして……死んだの?」

誰も答えてくれなかったこの質問をアーサーにぶつけてみた。
この人ならなにか答えてくれるかも――。
でも返ってきた答えは予想もしなかった答えだった。

「君のお母さん、弘子は殺されてしまったんだ。」
「……。」

沈黙。
思いもよらなかった答え。

誰が?
どうして?

「チェイサーという、いわゆるバンパイア狩りをしている人たちが世の中にはいてね。君を生んだ後、弘子はひどく怯えていた。君を生むために入院したことで、チェイサーに居場所が知られてしまうんじゃないかって。そこで彼女は君が生まれるとすぐ、こっちの医者――つまりバンパイアの医者に君を調べさせた。彼女は生まれた君が人間かバンパイアか調べてほしかったんだ。人間なら特に問題はない。でもバンパイアとなると話は別だ。結果、君はバンパイアの血を半分受け継いでいた。」

アーサーは話をきった。
稜哉は頭を整理するのに大変だった。

僕のお母さんはバンパイアでチェイサーとやらに殺された、らしい。

「君がバンパイアだと分かったとき、彼女は私に言った。時期がきたら君を引き取ってくれ、と。そのとき君のお父さんもいたよ。彼は弘子がバンパイアだと知って結婚していた。彼は私に言ったんだ。そのときが来たら、この子を育ててくださいと。そして自分の記憶からも消してほしいと。チェイサーが自分の記憶を除いても平気なように。」

アーサーはすっと立ち上がると、引き出しから封筒を取り出し稜哉に渡した。

「君に渡すよう君のお父さんから頼まれていたんだ。」

封筒には見覚えのある字で

『稜へ』

と書かれていた。 
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