ジャスティンの部屋は稜哉たちの部屋と間取りは同じだったが、雰囲気がまるで違った。
一言で言うと……シンプル。
ハート柄のアコーディオンカーテンも無ければ、レースのテーブルマットも無いし、もちろん香水がぎっしり入っている棚も無い。
少女オーラがくどいくらい漂う部屋になれた稜哉はなんだかスカスカな気がして少し落ちつかなかった。
「シーフードピラフでもいいかなぁ」
ジャスティンが冷蔵庫の中をのぞいていった。
「いいよ。僕、ピラフ好きなんだ」
「本当?よかった」
安心したような、ホッとした笑みをこぼす。
「僕も手伝うよ」
「ううん、いいよ。稜哉君は座ってくつろいでて」
「そう?じゃあ」
椅子に座った稜哉はふと、棚の上にある写真に目がとまった。
両親と思われる男女2人の間に、7歳くらいの赤紫色の髪の女の子が笑って写っている。
「ジャスティンって一人っ子なの?」
「そうよ。一人っ子って寂しいものよ。前から兄妹が欲しいって思ってた。今もだけれど。稜哉君は兄弟いるんだよね?」
「兄弟というか従兄弟が4人ほど……」
「いいなぁ。楽しそうで」
ジャスティンはふふっと笑うと中華なべにご飯を入れた。
とたんにバチバチバチッと音がする。
「やっぱり僕も手伝うよ。自分だけ何もしないのってなんか微妙だし」
「ありがとう。じゃあ、サラダをお願いしてもいいかなぁ。冷蔵庫の野菜、使って良いから」
「任せて」
冷蔵庫にも写真が貼ってあった。
今度は男の子2人と10歳くらいの金髪の女の子がサッカーをしている写真だった。
「それはリリーよ」
稜哉が写真を見ているのに気づいたのかジャスティンが教えた。
「2人ともお兄さんなんだって。今はアッシリア高校にいるらしいわ。」
「アッシリアってあの超エリート校って言われる?」
「そうよ」
エマと同じなのかと思いながら稜哉はまじまじと写真を見た。
(サッカーってところがリリーらしいな)
そういえば、自分の部屋には写真が1枚も無いことに稜哉は気づいた。
自分の写真は持ってきていないから、無いのは当然なのだが、ロランの写真は1枚も無い。
いや、見たことも無い。
(アルバム保存派かな……?)
「できたよ」
稜哉がそんなことを考えているうちにジャスティンはピラフを作り終えたらしい。
さらに美味しそうに盛られたピラフを見て、稜哉は一気に空腹感を覚える。
「サラダできた?」
「これから盛るとこ」
稜哉はそういうと、急いでレタスをちぎり始めた。
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