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第2章
第30話 おととい知りました
「じゃあ、稜哉君はバンドに入ったの?」

ジャスティンがロランに聞いた。

「うん。ちょうどギターが1人欲しかったし。」
「弾けるの?」

ジャスティンの茶色い瞳が稜哉に注がれる。

「いや、弾けないんだ。」

稜哉はすまなそうに言った。

「パルに教えてもらえるよってボクが言ったんだ。彼、ギターは弾くのも教えるのも上手だからさ。」
「そうなの。よろしくね」

稜哉に向けられたジャスティンのやわらかい笑顔を見たとき、稜哉はホッとした。
ジャスティンに迷惑な人だなんて思われたくはなかった。

「ところで2人とも何をしてたの?」

リリーがロランのレポートを覗き込んでいった。

「星学のレポートを書いていたんだよ。エライでしょ。」
「あーレポートねー。あたしもやらなきゃなー。あれ、1度もAもらったことないのよねー。」
「ボクはいつもAだよ。」
「それは嫌味?」

きっとにらみを送ったリリーにロランは「うふふ」と言ってごまかした。

「ロランはどうしていつも星学でいい成績なの?」
「それはねジャスティン。ボクが星学を愛しているから。」

パコーン!!

リリーの決定打が直撃したロランはしばらく髪をもじゃもじゃさせて、それから一言も発することなくレポートに向かっていた。

「稜君はどこの学校からきたの?」
「新宿区立東小泉中学校だよ」
「どこ?そのシンジュククリツなんとか学校って。」

ジャスティンが不思議そうな顔をして聞いた。

「あ、えっとね人間が住んでる世界にある地区にある学校。」
「人間界の学校にどうして通ってたの?」
「話すとちょっと長いんだけど、実は僕自分がバンパイアだって知ったの、おとといなんだ。」
「え?どういうこと?」
「ついおとといまで人間だった、というか人間してた、というか。4日前の夜にいきなりエマ――レストレンジ家の一番上のお姉さんなんだけど、が来て次の日目が覚めたらレストレンジ家にいたっていう。」
「じゃあ、まだ隠れ里に来てたったの4日目?」

リリーが目を丸くした。

「そうだよ。」
「はぁー!!レストレンジ家と何かつながりが?」

人間とバンパイアはめったなことがない限り接点がない――リリーはそれを思い出したのだろう。

「これもおととい知ったんだけど、僕とジョンやオリバーは従兄弟だったらしいんだ。」
「今まで会ったことはなかったの?」
「うん。僕、従兄弟なんていないと思っていたし。」
「世の中、不思議なこともあるんだねー。」

ロランがひょいと顔をあげて言った。
今日学校で先日の英検の結果をもらいました。
無事に1次試験合格ということでした。

明日、バレンタイン特別編をお届けします!!
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