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第2章
第24話 お化粧おばけ
「ねえ、ところでもう9時なんだけど授業は始まってないの?」

部屋の置時計がボーンボーンボーンとなったとき、稜哉は聞いた。

「授業は10時からだよ。」
「10時!?そんなに遅いの?」
「生徒や先生の中には低血圧で朝起きられない人がいるから10時前だと人数が集まらないんだ」
「へぇー。ロランも朝は起きられないの?」
「ボクは逆に早くが覚めちゃうんだ。毎朝4時には起きてる。5時間以上寝ちゃうと次の日おきられなくなるんだ。」
「5時間で眠くならないの?」
「全然。むしろピンピンだよ。」

毎朝5時間睡眠でやっていけるなんてすごいな。
僕なんか9時間でも足りないくらいなのに。

「そうだ、稜クンも今日の授業の用意しておいたほうがいいよ。」
「そうだね。あ、時間割見せてもらってもいい?」
「いいよ。ちょっと待ってて。」

ロランはしばらく自分のスーツケースを探ったと、プリントを1枚持ってきた。

「今日は月曜だからこの欄ね」

1時間目:星学 2時間目:× 3,4時間目:生物 5時間目:マナー 6時間目:部活

「ねぇ、ろらん、2時間目が×ってどういうこと?」

時間割を見て不思議に思った稜哉は聞いた。

木曜日の3時間目も×になっている。

「ああ、そのときは授業がないんだ。休み時間だよ。」
「ほかのクラスも授業がないの?」
「いや、AとかBはあるよ。各クラスで個別に週2時間が授業がないんだ。」
「ふぅーん。」

昨日、オリバーたちと買った教科書をスーツケースに次々と詰め込んでいく。
"The Bat"の表紙を見たとき、一体今日の生物では何をやらされるんだろうと思った。

突拍子もないことじゃなきゃいいけど。

「ねぇ、ロラン」

と呼びかけて稜哉はぎょっとした。
いつの間にかロランはテーブルの上に口紅やらマスカラやらを広げて化粧をしていた。

「なに……してるの?」

不思議そうに聞く稜哉にロランは

「ん、お化粧。」

あっけらかんと答えた。

「稜クンもする?」

いや、結構です……。

ロランは慣れた手つきで顔のあっちこっちをいじると仕上げに唇にグロスを塗った。
もともと女顔だからか、化粧した顔でも全く違和感がない。

――男子のメイクということを除いて。

「さ、そろそろいこうか。」

化粧品をレースのついたピンクのポーチに入れるとロランは言った。

「うん。そうだね。」

稜哉はロランの後について部屋を出ると、隣の校舎に向かって歩き出した。
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