「3年間、つまり卒業までその宿舎で暮らせるの。学校の敷地内にあるからとても便利よ。もちろん、ここから通学することもできるけれど。どっちがいい?ジョンやハンナは宿舎で過ごしているわ。」
「あの、お金はいくらくらいかかるんですか?」
稜哉としては宿舎での暮らしはとても魅力的だったがお金のことが一番気にかかっていた。
「そんなことは稜の気にすることじゃないわ。」
おばさんはニコッと笑った。
あんまり遠慮すると失礼になると想った稜哉は
「じゃあ、あの宿舎で過ごしたいです」
「分かったわ。それじゃ、この手紙も提出してね。うん、これで良しと。さ、荷物をまとめないと」
それから夕食まで稜哉は片っ端から荷物を詰めた。
前もっておばさんが用意してくれていたジーパン、シャツをはじめ、今日買ってきた制服、教科書もスーツケースに押し込んだ。
「稜、このリストに書いてあるものは持ってかなくていいぜ。明日向こうで買うからさ。」
「分かった、ありがと」
必要だと思った物をすべてつめ終わったとき、時計は8時を指していた。
「ごはんよー。」
ジェーンおばさんが呼びにきたのを合図に稜哉はリビングにむかった。
「今日は野菜炒めなの。明日からここも寂しくなるわねぇ……。」
「そんなこと言って、ママはパパと2ヶ月ベッタリなんだから。」
ハンナの言葉におばさんが真っ赤になる。
アーサーおじさんの頬もピンクに染まった。
「クリスマスにはまた帰ってくるからさ。それまで2人で楽しんで」
オリバーの言葉に皆が笑った。
「明日は7時に家を出るよ。」
夕食を食べて部屋に戻り荷物を確認しているとき、アーサーおじさんがドアから顔を出して言った。
「あ、はい。」
「ポーグラントは私も通っていたから分かるんだけど、とても稜にあっていると思うよ」
おじさんが不意に言った。
「通っていたんですか?」
「ああ。私もジェーンもそれに」
「稜、君のお母さんも」
「母さんが?」
「そうだよ」
「ハンナはおじさんと僕の母さんは異母兄妹だって言っていたんですけど」
本当ですか?
「ハンナがそんなことを?」
おじさんは少し驚いたような表情をした。
「そうだった。弘子は私にとって年下の従兄弟みたいだった……。さ、もう遅い、また明日。」
一瞬、懐かしい思い出を回想しているようなそぶりを見せたおじさんはドアを閉めた。
「寝ようかな……。」
稜哉はそうつぶやくとふかふかのベッドに入り、電気を消した――。
第1章が何とか終了しました。
(まさか21話もかかるとは思わなかった 汗゛)
「第2章 第22話ポーグラント高等学校」はたぶん2月ごろから連載だと思います。1月22日に作者が英検2級を受けるためそれまでの間は連載しません
(ご了承くださいね)
それではまた来月(調子がよければ23日以降に)隠れ里でお会いしましょう★
予告――
第2章以降では稜哉の学校生活を視点に書かれていきます
人間界の学校とは何から何まで違う学園LIFEに稜哉は?
今までは直接出てこなかったチェイサーもちらほらと……?
お楽しみに
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