「隠れ里・豆知識その1」
大葉稜哉:
中学1年生(13)
かなりのイケメン君。
スポーツ万能でサッカー大好き。
身長175cm
パッチリ二重の普通の人間、大葉稜哉は10月21日の朝をいつものように迎えた――はずだった。
「どこだこの城は?」
目が覚めたその部屋は彼の散らかり放題の部屋ではなく、立派な寝室だった。
大きな窓に上品なピンクの花柄カーテンが引かれていてカーテンを開けると外は緑がきれいな森だった。
天井には大きなセイリング・ファンがまわり、床には淡いピンクの絨毯。ごみは1つも見当たらない。
稜哉はふと、自分の寝ている布団がいつもよりふかふかしているのに気付いた。
それもそのはず。
その布団は彼のせんべい布団とは比べ物にもならないほど、上等なものなのだから。
カチャ
ドアノブの回る音がしたかと思うと、女の子が1人、室内に入ってきた。
慎重160cmくらいの青い目をした、長い金髪の白い顔をした女の子だった。
稜哉はこの女の子を知っていた。
昨日、突如彼の部屋に現れた女の子と同じ人。
真っ黒なワンピースではなく、上品なピンクのワンピースを着ているのが昨日と違ったけれど。
イギリス人系バンパイアの女の子、エマンズ・レストレンジは稜哉のそばに立つと言った。
「ようこそ。レストレンジ家へ。朝食の用意ができているから、下に来て。洋服はその棚の上のを着ていいから。」
「ちょっと待って。」
部屋を出て行こうとするエマに稜哉は言った。
「何か?」
「僕を僕の家に帰してくれよ。」
「ここがあんたの家よ」
「そうじゃなくて僕の今までいた家にだ。」
「それはできないわ」
「なぜ?」
「あんたは今日からここに住むの。それにパパがあんたをチェイサーから守らなくちゃいけないし。」
「チェイサー?」
「今は分からなくていいわ。とにかく下に来て。朝食の後、パパが話すって」
エマはぴしゃりと言うと部屋を出て行こうとした。
「ちょっと待てったら!なんで僕がここに住まなきゃなんないんだよ。僕にはちゃんと育ててくれる父さんがいるんだ。」
「あんたにはもう父親はいない!」
突然、エマがビックリするほどの大声で言った。
「あんたにはもう父親はいない。友達もいない。人間とは関わりがもうない。」
「どういうことだよ。 僕の父さんに何かしたのか。直や聡になにをしたんだ?」
今にもエマにつかみかかりそうな勢いの稜哉とは違い、エマは静かに、でもはっきりと言った。
「とにかく、リビングに。全てはそこで話すから。」
ドアが閉まり、稜哉は部屋に一人、取り残された。
Twitterブログパーツ
カテゴリ別オンライン小説ランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。