ポーグラント百貨店は出てきた校舎の裏側にあった。
伊勢丹みたい。
稜哉は思った。
「制服を先にしましょうか。」
売り場案内のボードを見ていたジェーンおばさんはそういうと、入口の隣のエレベーターに乗った。
「どんな制服なの?」
「そうだな、男子は白のYシャツに黒のズボン。黒の蝶ネクタイにこの時期はマント。」
「マ、マント?」
「そう、この辺じゃ、マントをつける学校はポーグラントくらいさ。ほとんどはブレザーだからね。」
オリバーが自慢げに話す。
「女子の制服も珍しいのよ。ピンクのドレスなの。腰のところを結ぶんだけど。しかもローファーじゃなくて黒のハイヒールが指定なの。」
「ヒール!?」
ハンナの言葉に稜哉は驚いた。
私服学校でヒールならまだしも、制服の1つとしてだなんて。
「8階です」
エレベーターガールの声とともに扉がゆっくりと開き、目の前ににぎやかなフロアが広がる。
「こっちよ。」
ジェーンおばさんを前に、6人は"バットマン"という制服店に入った。
「いらっしゃいませ。」
20歳くらいの男に人が近づいてきた。
「この子用のポーグラントの制服を一式いただけます?」
「サイズを測らせてもらえますか?」
"佐藤"というネームカードをぶら下げたその男のひとはメジャーを持ってくると小さな台に立つ稜哉の身長やら、肩幅を測り始めた。
佐藤さんが測っている間、稜哉はあたりをなにげに見渡していた。
学ランやセーラー服にブレザー。
懐かしいような制服がそこには並んでいた。
「稜、これだよ。」
ジョンが呼ぶほうを見てみると、黒のマントにベストをつけ、蝶ネクタイをつけているバーテンダーのようなマネキンがいた。
ブレザーやら学ランの中に混じっているそのマネキンはパッと見、浮いていた。
「まさか制服ってそれ?」
「さようでございますよ。」
佐藤さんが稜哉を見ていった。
「ポーグラントはマントと蝶ネクタイがとてもいいですよ。君は背が高いからとても似合いますよ。」
計り終わった稜哉は台を降りると、佐藤さんから大きな箱を渡された。
「こちらが冬服です。ご自宅で洗えます。白Yシャツ、ベスト、ズボン、マント、蝶ネクタイが入っています。こっちの箱は夏服で白Yシャツとズボンが入っています。スーツケースはこちらです。」
真っ黒のスーツケースには"Porgrant M.S."と金の刺繍が入っている。
「以上でよろしいでしょうか」
「ありがとう。」
「お会計、2スペクター、3ニージ、9デリーです。」
「ありがとうございましたー」
おじさんが財布からお札とコインを何枚か支払い、6人は店をでた。
「さて、次は教材ね」
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