「隠れ里・豆知識その9」
隠れ里:
バンパイアだけが暮らせる地域の1つ。
人間は入ることはおろか存在すら分からない。
レストレンジ家もここに住んでいる。
面積/不明
人口/不明
場所/不明
有力説として
・アルプス山脈一帯説
・中国の山奥説
・グリーンランド説
などがある。
森に囲まれた住みやすい地域だとか。
1年の平均気温/不明
メモ/学校は全部で10校あり、そのうち中等学校が3校、高等学校が3校、大学が3校ある、らしいがこれはウワサでやっぱり確かではない。
とにかく、全てが謎につつまれた不思議な地域なのだ。
第1章
第9話 Reader Mind・男殺しのその笑顔
「私たちは練習するとある程度相手の心を読めるようになるの。」
ハンナが説明した。
「心を読む?」
「相手が何を考えているのか、その気になれば分かるってことさ。」
「じゃあ、僕がいま、何考えているか分かるの?」
オリバーは稜哉の目をじっと見つめてきた。
「どうやったらReader Mindができるか知りたい、そんな感じだろ。」
「あた……り……。」
「Reader Mindは8年生になったら教えてもらえるからな。稜哉も来年にはできるようになってるぜ。」
人の心を勝手に読むなんて……。
気味が悪いなぁ……。
「まぁ、そんなしょっちゅうReader Mindはやらないよ。それに100%読めるわけでもないんだ。」
オリバーがニッと微笑んだ。
男の稜哉も十分ドキッとさせられるような笑顔。
「オリバー。そんな色っぽい目を稜哉に向けないの。」
「じゃあ、ハニー嬢が相手ならOKかな?」
「うっさいわねー。」
ハンナはムスッとすると、さっさとカードを一枚引き、場に捨てた。
彼女のもち札、残り1枚。
「ハニー嬢がもう1枚だぜ。」
オリバーが言う。
「ハニーちゃん、ハニーちゃん、残りの1枚はバーバですね?」
ジョンがハンナの目を見つめながらReader Mindをかけようとしている。
彼の瞳は10万ボルト。
稜哉はふと思った。
「存じませんわ。」
ハンナはそう言いジョンから目線を外すとオリバーにカードを引かせる。
「あーがーりっ!」
「上がっちゃったよ。ハニー嬢が。」
「ハニー嬢はやめてってば。」
「さてさて稜、どっちのカードが欲しい?ちなみにこの2枚のうち1枚はババ、1枚はスペードの4.」
オリバーがカードを向けて言う。
稜哉のカードは4とJ。
4が欲しい。
というか絶対ババはごめんだ。
カードを引く。
「ジョーカーだ。」
「てっめぇーオリバー!!お前、稜にReader Mindかけただろ!!『Reader Mindはしょっちゅうかけない』だなんて、さっき言ったことに責任持てよ。」
「ふははは。兄貴よ、世の中はそう甘くはないのだ。」
「僕にババを引かせたの?」
「さぁ?」
オリバーがすっ呆ける。
「稜、いいこと教えてあげるわ。Reader Mindは基本的に相手の目と自分の目を合わせなければかからないの。」
「さぁ、稜、いってみよう。」
手元にはジョーカーと9。
稜哉はなるべくオリバーと目を合わせないようにカードを引いた。
スペードの9。
よっしゃ。
ジョンが稜哉のカード、ジョーかを引き手元は0枚。
「僕も上がり!!」
「はーぁー。で、結局のところ。」
「双子対決になるんですね。」
バチッ。
ジョンとオリバーの間に今、間違えなく火花が散ったよな……。
「これはもう、俺の勝ちだよな、ジョン。」
「ジョンに10デリー賭けるわ。」
「デリー?」
「お金の単位。1デリー≒100円らしいぜ。稜はもちろん俺に20デリー賭けるよな?」
「えっ。僕賭けるなんて一言も」
「まぁまぁ稜。任せとけって。寝るときにはあっという間に30デリーだぜ。」
カードを引くたびに見つめあう双子。
それはなんというか……正直ちょっと不気味な光景。
「あーがーり!」
Reader Mindをさんざんかけあった挙句、オリバーのカードが無くなった。
「30デリーおめでとう。」
オリバーの笑顔がまた稜哉の心を一瞬ときめかせる。
僕って実は同性愛者……?
トランプはその後も続き、みんなが部屋に戻ったのは夜中の12時過ぎ。
ベッドにはいった稜哉は今日1日をなんとなく振り返る。
1日とは思えないほど新しいことがたくさんで――。
明日からはどんな毎日なんだろう。
目を閉じればもう明日に――。
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