その時
眩い光が全てを包んで
俺は、独りで。
光を見た、空の彼方。
軍勢に守られて、
翼、
透明な、
光の、
12枚。
そう、アレは 正しく
天使、そのものでした。
『ただ、只管と西へ、西へ、西へ。
其処には未だ神は無く、
其の時既に神は亡く……――』
【調書】
両軍総計
死者推定6,049人
行方不明2,387人
負傷者多数
入り乱れたその戦場は、敵か味方か己か我か何も何も何も、
分からなくなるほどの乱戦で、 俺はただ前へ前へ前へ。
砂埃が舞って、
血しぶきが舞って、
腕が舞って、
足が舞って、
首が舞って、
臓物が舞って、
大戦でした、
大規模戦闘でした。
どれくらいか時間が経って、
気付いた時には、
俺は独りでした。
すみません、よく覚えていないんです。
さっき話した通りです。
閃光が
弾けて、
すみません、やっぱり、覚えていないのです。
何故俺だけが爆心地の近くで、あんな中心部で、
死者も生者も隔てなく、新地に帰ったあの場所で
生きて帰って来れたのか。
太隕暦0145「砂塵の群狼」作戦
ザクセン諸島連合 議会調書
特務機関・第二種特殊部隊・第一班所属 キリト・ネロクロウ少尉
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