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私の中の宇宙

作者: 海豹

私がここにいる理由ってなんだろう?

毎日を一生懸命生きる私たちには見えていないのかもしれない。

この大きな命の流れの中に自分たちがいることを……

 ふと思い起こすことがある。


 私の体は私だけのものではないと。

 それはもちろん私を生んだ親がいるからであり、私を大切にしてくれる人々があるからだ、と世間一般には言われている。

 しかし、それは人間が自らに打ち立てた価値観の中で生まれる考え方だ。それは美しい考えであり、私も大切にしなければならない考えの一つだとは思う。

 ――しかし、最近の私が思うのはそういった意味ではない。


 私の体を構成するすべての者に命があるのではないか、と思うのだ。


 人間に一つの命が定義されるように、


 いぬやねこ、動物たちに、


 たんぽぽや、バラの花のような植物たちに、


 目に見えない微生物たちに、


 命という定義を当てはめるなら。


 私というものを作り上げる一つ一つの細胞にも命があるのではないだろうか。

 物事を判断する。血を作る。皮膚を作る。脳からの信号を伝える。病原菌と戦う。

 私をつくる何億、何兆というものすべてが命が宿ってるのなら……

 私は、私だけの命という考え方を覆すことになるに違いない。


 人間の世界でも会社という組織が存在する。

 統率する者、お金を管理する者、商品を作る人、商品を運ぶ人、売る人……

 そのさまざまな役割を持つ者が集まって会社という輪郭のない集まりが成り立っている。

 いわば働く人々は、会社を構成する細胞と一緒なのだ。


 ならば私たちは、一人でありながらも多くの命を抱える一つの集合体なのだろう。

 意識を持つ私はそれらの代表なのだ。会社の統率者がついてきてくれる仲間の為に覚悟を決めるように、私は私を作るものたちの為に決して私を諦められない。


One for All , All for One


 もしかすると、私も何かを形作るための一員なのかもしれない。

細胞たちはおそらく私の体の中で働きながらも、彼等一つ一つの意識の中に、私という存在を作り出していることを理解している者はいないに違いない。

 私も理解していないだけで、見えていないだけで、実は大きな何かの命の一部なのかもしれない。


One for All , All for One


 宇宙に出た飛行士たちは地球を見て、海や大陸、飛び出ている山脈を見て“生き物のようだ”という感想を持つそうだ。

 海は人が血を巡らせるように水を循環し、大陸や山は皮膚を作るように何万年の時間をかけて形を変える。人が体温を持つように、地球には灼熱のマグマがあり、中心にコアという骨格を持つのだ。


 もし地球が大きな生命体だとするのなら、その上にいる私たちは地球を形作る役割を担っているのかもしれない。自覚は無いのかもしれない、私の中の細胞たちがそうであるように。


One for All , All for One


 そしてこの果ての無いかのように思える宇宙でさえ、実は大きな生き物の中なのかもしれない。

 多くの惑星、銀河、ブラックホール……私たちにはその姿を垣間見ることはできない。

 私の中の細胞たちがそうであるように。


One for All , All for One


 一つはみんなの為に、みんなは一つの為に。

 私は私の中にある宇宙の為に今という人生を生き、遥か壮大な生き物の一部として今日も生きていくのだ。






挿絵(By みてみん)






――くしゅん。

 私のくしゃみがひどく小さく響いた。

衝動的に書きました。

学生の頃に国語の教科書に載っていた論文(?)に宇宙飛行士が地球を見た時、地球自体が大きな生き物に見えたという一文を読んだ時から「もしかして……」と思っていたことを勢いのままに書き殴りました。


かなりクサいし、堅い文の回し方ですが、「うおおおおおお!」と書いたのでご了承ください(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] 美しい詩ですね^^ 最後の落ち?もよかったです。
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