友達の存在...(34/57)縦書き表示RDF


9回表、3組チームの攻撃。
高萩は、相手の上位打線を押さえる為に、未だに完成出来ない魔球を投げようとしていた…。
友達の存在...
作:りす君



friends33:起死回生…


(9回表 3組チームの攻撃)



(ふぅ…何とか9回まで来れた。さて…どう投げて攻めようか…。)

俺は、福本の組み立てに注目していた。

「1番、ライト…藍矢君。」

俺は、福本を見た。しかし彼は、なかなかサインを出さない。

(福本どうした?サインを出せ!)

俺は、なかなかサインを出さない福本に、いらついていた。そしてようやく、福本がサインを出した。

(全部外せ。)

何と福本は、いきなり先頭バッターを敬遠しようとしているのだ。俺は当然、困惑した。

(おい、まだランナー(走者)も出してねぇぞ。しかも、先頭バッターを敬遠するなんて…)

俺は、首を横に振った。

(冗談じゃない、全力勝負だ。)

すると福本は、察してくれたのかアウトロー(外角低め)のストレートを要求してきた。

(よし、行くぜ。)

俺は、ミットを見据えながら振り被った。

(ヒュン)
(バシッ)
「ストライーク!」

文句なしのストライクだった。しかし、俺は相手のバッターの様子が変だと気付いた。

(何だ…まるで打つ気無しって感じだな…。なら、嫌でも打つ気にしてやる!)

既に勝ってる気になってる相手に、俺は気に食わなかった。

(福本…俺、アレ投げるぞ。)

俺は、福本にあるサインを送った。しかし、福本は首を振り、相変わらず外せだった。俺は到頭我慢出来なくなり、サインを無視しようと決意した。

(ビュン!)

俺の投げたボールは、ドリル回転してインコース低めでミットに収まった。

(バシッ!)
「ストライーク!」
「っ!!で、出来てる…。」

マグレだと思った。だが、それは正真正銘、魔球の完成だった…。

(ビュン!)
(バシッ!)
「ストライーク!バッターアウト!」

(決して…マグレじゃない)

この瞬間俺は確信した。
“フォーシームジャイロ”の完成だと。



(ビュン!)
(バシッ!)
「ストライーク!バッターアウト!3アウト、チェンジ!」
「なっ!?」
「はぁ…はぁ…はぁ…」

俺は、全力で永山を抑えてしまった。

「よくやった高萩!ナイスボール!」

福本達が駆けよって来てくれた。

「くっ…皆が頑張って守ってくれたから抑えられたんだよ。」
「よし、皆。後はサヨナラ逆転するだけだ。3組にパンチを喰らわせようぜ!」
「はぁ…無謀な。」

藤浦が、溜め息を吐いて言った。

「大体、たった一回の攻撃で5点差を(くつがえ)す事なんて…」
「出来るさ。」
「んな馬鹿な。」
「福本、何か根拠があんのか?」
「ある。」
「マジかよ?」
「マジ、大マジ。」
「じゃあ、その根拠を聴かせてくれ。」
「解った。んじゃ皆、俺の近くに来てくれ。小さな声で話すから。」

福本の一声で、皆は小さな()を作った。

「皆、集まったな。それじゃあこれから、勝利するための作戦を言い渡すから、よーく聴いておけよ。」

それから福本は、長々と作戦の説明をした。説明が終わると藤浦は、ブツブツと呟いていた。彼以外の皆は、互いに説明確認していた。

「んじゃ、作戦開始!」
「オッシャー!」



これから、2組の起死回生攻撃が始まるのだ…。












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