友達の存在...(16/57)縦書き表示RDF


この話から高萩と、もう一人…驚きの人物が出てきます。
佐伯と榮波のデート。そして、デート後の2人の思いはどうなったか…。どうぞ、ご覧下さい。
(デートの内容は詳しく書かれてません。)
友達の存在...
作:りす君



friends15:彼の死…私の思い。(4)


約束の土曜日…榮波君とのデート当日。

今日1日、私は榮波君とデートだと思うと…何だかドキドキしてきたんだぁ。普段、オシャレなんて気にしない方なのに、今日の私は妙に張り切って自分なりにオシャレしていた。
肩まで伸びた髪を丁寧に櫛でとかして、この日に用意したリボンを付けた。服も、普段着ないスカートを着用。塗りたかったのか、何故かママのピンク色のグロスを借りた。これで準備は出来た。

約束の時間までまだあるけど、私は待ちきれなくて家を出た。
この時は、秋から冬に季節が移り変わる時期だった。首にマフラーをして、上着を一枚はおり寒さ対策はバッチリ。今日、私は好きなヒトとのデート…と考えると胸の鼓動が徐々に高まった。

待ち合わせ場所の喫茶店には、約束の30分前に到着した。店内に客がいたが、少数だった。私は、温かいミルクティーを注文して外の景色をボンヤリと眺めていた。


時計の針が10を差した時、
(カランカラン…)
と、音がした。私が後ろを振り返ると、そこには榮波君がいたのだ。



(さ…榮波君…。)



彼は、キャップを被っていて黒いジャンパーをはおり、下はジーンズというラフな格好だった。

「…あっ、佐伯さん。待たせてゴメン!」
と、彼が謝ってきたので私は首を横に振って、
「ううん、全然待ってないよっ!」
と、笑顔で答えた。



喫茶店を出た私達は、とりあえず駅に向かって歩きだした。デートなど初めてだったので、何を話していいか解らず、
「寒くなってきたけど…、風邪とかひいてない?」
など、変な質問しか彼に出来なかった。彼は、私の質問にちゃんと答えてくれた。けど…彼は時々、哀しそうな顔をしていた…。

駅の改札で偶然にもクラスの男子、高萩君を見掛けた。

「高萩くーんっ!」

私は、彼の後ろから声を掛けた。

「ん…あぁ、佐伯…それに、蔵瀬。どうした?」


“蔵瀬”は、榮波君の下の名前だ。中1に彼の名前を初めて知ったとき、私は“一風変わった名前だなぁ”と思った。

「高萩君こそ、どこか行くの?」
「あぁ…ちょっと。で、佐伯は蔵瀬と何してんの?」
「えっ?!」
(デートです…なんて恥ずかしくて言えない。)

私は、顔が熱く感じた。

「萩ちゃん、時間は平気なの?」

榮波君が、突然口を開いた。

「…あぁ、ヤバいな。んじゃ二人共、楽しいデートを。」
「なっ?!」

私が言う前に、彼は改札を抜けて行ってしまった。彼には、全てお見通しだったんだと思うと更に恥ずかしくなった。でも、お見通しされて逆に嬉しかった。

「さっ、行こうよ。佐伯さん。」

私が振り向くと、榮波君は笑顔でこっちを見ていた。

「あっ…」

その瞬間、更に彼の事が好きになってしまった。

「…大丈夫、佐伯さん?」

「…ふぇ?!あ…うんっ、大丈夫。榮波君、行こっ!」

そう言って私は、榮波君の手を握った…。



午後7時。私は、家に到着した。
榮波君との初デートは、とっても楽しかった。水族館やバッティングセンターに行き、そして…夕暮れの公園で二人きりで話した。
榮波君はデートしてる間、いろいろ私に気遣ってくれて嬉しかった。彼はホント優しかった。デート中、私はドキドキが止まらなかった…。
彼への好きな思いが私を苦しめていた。
私は自分の部屋に入って、ベッドに潜り込んだ。



「榮波君、好き…大好きだよ…。」



私は、小さな声で呟いた…。























「はぁ…。」

佐伯さんとのデートの帰り道、僕は溜め息ばかりついていた。

(別に彼女とのデートが楽しくなかったワケじゃない。彼女は、優しくて性格も良いし、とても可愛い。。…でも)

僕は、心の中で葛藤していた。

(僕は、好きじゃない人とデートしたのだ…。佐伯さんに対して…悪いと思ってる。彼女は、素直に僕とデートしたかっただろうに…。)

その時、後ろから誰かに声を掛けられた。

「く・ら・せっ。」

僕はその声を聞いて、ハッとした。振り向くと、僕は驚いて目を大きく開いた。

「ま…麻衣…。」

僕の目には、微笑みを浮かべた無垢な少女の姿が映っていた。












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