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その鎌で何刈る気 作者:織田 涼一
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015:宴

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3100PVを超えました。
そろそろ事件を起こしたいと思います。
孤児院に帰るとほっとする。
多分この世界に1人で生きていく覚悟があるかないかの時に純粋な心に触れてしまったせいだろうか。
マザー・ゲイツさん・大将をはじめ返せる恩はきちんと返していこうと思う。

団欒の時間が終わり、明日は早めに食堂に行くことをマザーとシスターに告げる。
そしてお昼には食堂でパーティがあるので時間前には来てくださいと皆に話した。

与えられた部屋に戻ると今まで使っていなかったスキルを使ってみる事にする。
ベッドに座りグリモア:【野菜百選】と呟くとポンっと煙を立て緑の表紙の本が現れた。
パラパラと捲ると野菜の特徴・栄養価が載っている頁と代表的な調理方法が載っていた。
「これ・・・学校の頃の教科書とお料理本とかに載っている料理を混ぜたものじゃん」
記憶が薄れているものもあったがどれも見覚えあるものだった。

明日のメニューを考えてみる。
この村にあった食材・・・玉葱・キャベツ・人参・小麦粉他(キノコ・調味料)。
新しくゲットした食材・・・肉・自然薯

うーん、パンに自然薯をつなぎとして入れて軽く発酵させたら美味しいかもしれない。
自然薯と小麦粉とキャベツと言ったらもう【お好み焼き】しかないよね。
そしてキャベツのページをパラパラ捲ると・・・そうだよ、これがあったじゃん。
急いで魔力鉢に土を詰めもう一品の野菜作成に入った。

翌日、朝から気合が入っていた。
子供達も食事中もそわそわ、花壇前でもそわそわしていた。
背負うタイプのカゴに自然薯と追加の野菜も持ち朝早い時間から食堂へ行く。
大将と女将さんに挨拶を済ませると初めてパン屋のほうで仕事をしている夫婦を紹介された。
「リュージと言います、宜しくお願いします。今日はちょっと変わった料理を提案しますので出来れば一緒に作りたいと思います」と言うと「楽しみだな」と職人風の男性が言う。

パンの作業場にはカマドがあったようだ。
荷物を持ち込むと大将が大きなすり鉢を持ってきた。
皮を3分の1くらい剥いてごーりごり・ごーりごりとすりおろしていく。
「凄いねばりだな、これをパンに練りこむんだな」と大将が言うと興味深げにパン屋の男性が覗き込む。
少し掬うと早速ねばりと小麦粉の配合を考え捏ね出したのでお任せする。

何種類か皿とフライパンを出してもらい作業手順を考える。
パン屋チームにパンの作成をお願いする。この時平べったいパンを検討して欲しいと告げる。
ナンというかプレーンピザのドゥというか肉を挟める柔らかめなものを作れるか検討してもらった。

続けて大将にやりたい事を相談してみる。
メニューは餃子とお好み焼きで大将にひき肉を準備してもらう。
奥さんにはキャベツの千切りとニラのカットをお願いする。
昨日の夜作ったのはニラだった。

お好み焼きは好みがあると思うので少なめに準備し、餃子は多めに準備していく。
ボウルに自然薯・小麦粉を入れキャベツをドバっと入れる。
本当は出汁で伸ばしたいけど水で延ばす事にする。
最後にかけるソースはないので少し塩を多めに入れてみる。
これをフライパンに入れカマドで試しに焼いてみる。

その間に千切りに削ったキャベツを更にみじん切りにする。
追加でキャベツを切り大量のみじん切りを作成し軽く塩で揉む。
清潔な布でキャベツの水を絞り肉とニラと合わせる。
餡は若干塩梅を強めにしている。

お好み焼きはパン屋チームで見てもらう事にした。
その間に大将は肉のカットにはいる、これは焼肉用とスープの下準備だった。
最後に餃子の皮を準備し女将さんに作り方を教え、準備が終わった人から包む作業に合流する。
これもフライパンとカマドを利用して焼きに入りお好み焼き・パン・餃子は一通り試食をした。
野菜多目の餃子は「パリッ、ジュワ」とした触感で試食をした皆は目を開き互いに見詰め合った。
大将は「はぁぁ・・・・言葉も出ないな」と言い、女将さんは激しく背中を叩き「これはいいね、みんな喜ぶよ」と感想を言った。
大量にあった食材は使い切る勢いで調理をしていたが、何とか時間前には間に合ったようだ。

調理の準備が落ち着くと村長や兵士が手伝いに来てくれた。
外で設営をして岩などで作った簡易的なカマドを作っていた。

マザーとシスターと孤児院の子供達は早めに来ていた。
2人は大将と話していたがまるで授業参観のような気分だった。
子供達は食堂の席につきキョロキョロしていた。
食堂チームだけでなくみんなにも食べてもらえば?と言う女将さんの許可を得てパンとスープを出す。
若干もちっとしたパンに驚く子供達、肉や餃子も出してみた。
調理をする姿を見てうんうん頷くマザー、大将からは「助かっていますよ」の言葉が聞こえてきた。
多分聞こえるように言ってるんだろうなぁと気恥ずかしくなる。

お昼になり代官が来て挨拶をし、村長からの日々の労いの言葉が終わると宴の始まりである。
兵士と食堂チームがフル回転し、多くの村人が来ては感謝の言葉を言い軽く食事をして帰る。
本格的な収穫祭はもう少し先にあり、現時点での目の前の脅威がなくなった事で今年も無事に過ごせそうだと村長や兵士・衛兵にお礼を言う。
代官は居心地が悪かったみたいで早めに帰ったようだった。
マザーとシスターも何件か挨拶が終わるとこちらに来て「では、最後まで頑張ってくださいね」と言い食堂を後にした。

皆にはいつもより若干強めの塩で焼肉が振舞われる。
パン・スープ・餃子・一部で人気があったお好み焼きなどどれも好評だった。
次々と注文が入る餃子も途中で焼きが間に合わなくなり水餃子化していった。

一段落しても大将は残りの肉の保存作業をしていて「大量に塩が手に入って良かった」と言っていた。
全ての料理が終わると村長が解散の挨拶をする。
この村の刈り取りは約2週間後、その後仕事の進み具合を見て収穫祭に入る。

今日の作業が終わったら明日は休みだと大将が言う。
異世界に来てから慌しい一週間だったけど初めての休みだった。
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