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「「「婚約を破棄させてもらう!」」」

作者:柊ゆう
「アンジェリア・ミーティア! 今日この場をもって貴様との婚約を破棄する!」

 ここはルーデンブルグ王国の王立学園。王国の未来を背負って立つ貴族の令息や令嬢が教養や知識を身につける為に設立された学園である。今日は王妃がご懐妊されて、今後生まれるであろう王子または王女の誕生を祝う為、学園でパーティが開かれていた。そんなめでたい席で上がった突然の怒号。賑やかだったパーティは一瞬でシンと静まり返る。

「これまでのゼシカへ行ってきた数々の非道は絶対に許されぬ! 貴様が侯爵令嬢という高位の身分であったとしてもだ! 私はここで貴様との婚約破棄とゼシカとの婚約を宣言させてもらう!」

 怒号を上げているのはマイルズ公爵令息。この国でも有数の大貴族である公爵家の長男で跡継ぎ。王立学園では生徒会の会長を務めており、優秀な成績を修めている事実上学園のトップともいえる人物。

 そんなマイルズに糾弾されているのはアンジェリア侯爵令嬢。ルーデンブルグ王国の聖女ともいわれるほどの美貌と才知と品格兼ね備えた令嬢で、学園に通う令息は勿論のこと令嬢からも憧れの的となっている人物。

「マイルズ様。本日は王妃様のご懐妊を祝うめでたい席です。個人的なご用件なら後で――」

「はぐらかすな! 貴様というやつはどこまで醜いのだ! ゼシカの月のような美しさに比べて貴様はなんだ、虫か何かか!? 今すぐこの場で貴様が積み上げた数々の非道をゼシカに謝罪せよ!」

「マイルズ様……そんなにも私のことを想って……!」

 めでたい席でのパーティを取るに足らないことで中断させないようアンジェリアは話を切り上げようとするが、マイルズはそれを話をはぐらかそうとしたと判断し、さらに怒りを募らせながらアンジェリアに詰め寄って、ゼシカに謝罪させようとする。そんなマイルズの想いを受け取り目から涙を零して感動するゼシカ男爵令嬢。

 彼女は男爵家の令嬢という低い身分でありながら、多くの男性と交流を持ち、その愛くるしい容姿と笑顔と口先を使って次々と多くの男性を虜にしていった。そんな彼女が目を付けたのが今もっとも国で力を持つ公爵家の令息であるマイルズ。

 彼女はマイルズに婚約者がいるのを知ったうえで近づき、マイルズの関心を自分へと移させることに成功する。後はマイルズにあることないことを吹き込み、アンジェリアに対する悪感情をマイルズに植え付けていく。貯めに貯め込まれた悪感情はついに今日この場をもって爆発することとなった。

「非道と申されましても私には身に覚えのない話です。何かの間違いでは?」

「貴様というやつはどこまで往生際が悪いのだ! ゼシカが嘘をいう訳がないであろう!? 潔く罪を認めて謝罪せよ!」

 あくまで身に覚えのない話だといって否定するアンジェリアに、断固としてそれを認めず罪を認めて謝罪するよう迫るマイルズ。パーティ会場の参加者の中に二人のやり取りを止めようとする者はおらず、遠巻きに眺めているものばかりであった。それもそのはず、二人ともこの会場において一番目、二番目に身分が高く、持ちうる権力も絶大で、割って入ってどちらかに睨まれるようなことがあれば自分の家が吹き飛ぶことになりかねない。皆が黙って嵐が過ぎ去るのを待つ。

 さて、ここでこの物語の主人公を紹介しよう。残念ながらこの物語の主人公は糾弾されている悪役とされた令嬢でも、糾弾している攻略対象の令息でも、頭がお花畑な自称ヒロインでもない。この物語の主人公は――。

「(いつまで続くんだろこのイベント)」

 嵐が過ぎ去ることをひっそりと待ち続けている学生たち(教師も含め)の中で、一人むしゃむしゃと誰も手をつけなくなったパーティ会場の料理を食べているこの男爵令息、リオン・アルティマである。





「貴様との婚約を破棄する!」

「ん? 何事?」

 王妃様がご懐妊されたことを祝い、学園でパーティーが開かれることになり、パーティ料理を楽しみにしていたリオン。彼は実家が男爵家と低い家柄で、特にこれといって他家と強い繋がりを持っているわけでもないので、十五となった今でも婚約者がいない寂しい一人息子である。親からは学園で適当にパートナーを見繕ってこいといい加減な指示を受けて学園に通うこととなったリオンは、親しい友人こそできたものの隣で歩んでくれる女性には縁がなかった。

 縁がなかったのは彼の容姿が悪いわけでも成績が悪いわけでもなく、単純に無理してパートナーとなる婚約者を作る必要もないかな、と親のいい加減な指示を放置して学園でできた男友達と日々楽しく学園生活を送っていたのが原因である。

「私はここで貴様との婚約破棄とゼシカとの婚約を宣言させてもらう!」

「(婚約破棄って家同士の繋がりで結ばれた契約だからそんな簡単に破棄できなくね?)」

 シンと静まり返った会場で嫌でも耳に入ってくる公爵令息と侯爵令嬢のやり取りを聞きながらそんな感想を抱くリオン。婚約を結ばせたのは実権を持っている公爵様と侯爵様のお二人だ。この二人のうちのどちらかが婚約破棄をさせてくれというならともかく、実権のない令息であるマイルズに婚約を破棄するだけの力はない。

 それ以前に婚約というのは相手側の家と結びつきを得ることによって利益を得るために結ばれたいわば政略結婚だ。両者はこの婚約によって何かしらの利益を得ようとしているはず。その契約をどちらかが一方的に、それも婚約を破棄する力もないものが破棄しようとしたなら? 物理的にバイバイされる可能性すらある。

「(アンジェリア様に余程の非があるなら成立しなくもないが)」

 リオンは視線をアンジェリアからマイルズと彼の後ろに隠れているゼシカへと移す。非を認めて謝罪せよと、証拠を提示することなく謝罪だけを求める公爵令息に、彼の後ろで私ったら愛されていると自分に酔っているなんか気色悪い男爵令嬢。どちらに非があるかは誰の目にも明らかだった。

「(よくあれで生徒会の会長になれたな。お金と権力の力? それとも実務は部下にでもやらせてた? 自分は甘い汁だけ吸って生きるぜ、はーはっはっはっ! 良いご身分だな)」

 本人が聞いたら怒り狂って決闘を申し込まれそうなぐらいに失礼なことを考えるリオン。しかし、今の二人のやり取りを見れば会場にいる半分ぐらいは同じような感想を抱きそうな現場である。

「――何かの間違いでは?」

「――潔く罪を認めて謝罪せよ!」

「いつまで続くんだろこのイベント」

 誰も手をつけなくなったパーティ料理を独り占めできるのは嬉しいのだが、先ほどにまであった賑やかな空気が濁ったことは頂けない。本来、美味しい料理も不味く感じてしまう。止めてこようかとリオンが席を立ち上がろうとしたその時のことである。

「私はゼシカとの間に真実の愛を見つけたのだ! 貴様ではなくこのゼシカとの間にな!」

「(ぶっふぉ!!!)」

 思わず吹き出してしまいそうになった口を両手で塞いで、人の目に入らないように頭を下げるリオン。口を塞いでいた両手のうち片方の手を腹の上へもってきて、粉砕しそうになった腹筋を抑える。

「(真実の愛って何!? 何と比較して真実の愛って悟っちゃったのマイルズ様!? やっべえ、超腹が痛い!!)」

 今までの人生であなたは虚偽の愛でも受け取ってたんですか? ご両親やアンジェリア様から幻想の愛でも贈られて育ったんですか? 真実の愛をくれたであろうあなたの後ろのご令嬢は、幻想世界の住人ではありませんか? さっきから男爵令嬢の表情が夢うつつなんですけどねぇ! たぶん、のーみそお花畑っすよその娘。

「(はぁー……笑ったけど状況はだいぶ笑えないなこれ)」

 一通り心の中で笑い終えて冷静に今の状況を分析するリオン。この騒動によって影響を受けることになるのは当事者である公爵令息と侯爵令嬢と男爵令嬢……だけではすまないと思い始めた。整理してみるとざっとこんな感じになる。

Q.
このパーティの主題は?
A.
王妃様のご懐妊のお祝い

Q.
今の状況は祝っているといえますか?
A.
貶しているといわれても否定できません

Q.
王や宮廷にこの話が持ち込まれたらどうなると思いますか?
A.
下手すると死ぬんじゃないですかね俺ら? 良くて廃嫡か追放?

Q.
王族がこの場にいたらどうなると思いますか?
A.
絶対に許さんぞ虫けらども! 二度と表舞台に出られないようにしてくれる!

「(やべえわ、これ)」

 流石に全員に非があるわけではないので死や廃嫡や追放まではいかないだろうが何かしらのペナルティを負う可能性がある。騒ぎを起こした主犯である公爵令息や男爵令嬢から要らぬ恨みを買う可能性はあるが、止めないともっと不味いことになると判断したリオンは今度こそ騒ぎを治めようと立ち上がろうとする。しかし――。

「待て!」

 リオンが立ち上がるより前に立ち上がった者がいた。立ち上がり制止の声を上げたのはリカルド辺境伯令息。公爵令息と侯爵令嬢を除いて一番身分が高く、この騒動を止めて恨みを買ったとしても対抗するだけの力を持った家柄の男だ。

 リカルドが立ち上がったのを見てこの騒動もこれで終わりになるだろうと安心して、席で騒ぎが終了する様を見守ることにするリオン。

「リカルド、何の用だ?」

「……」

 冷や水を浴びせられたマイルズはリカルドを睨みつけるも、リカルドは黙って彼らに接近する。いや、彼らというより特定の彼女へと向かって接近する。そして――。

「ゼシカ、君が好きだ俺と婚約してくれ。そして、リーン・オルミリア、君との婚約を破棄させてもらう! 俺は親によって強制的に結ばれた関係より真実の愛を選ばせてもらう!」

「(何してくれてんの、てめえ)」

 リカルドはゼシカへと愛の言葉と婚約の言葉を口にする。そして自分の婚約者だったリーン伯爵令嬢を睨みつけて婚約破棄を宣言した。彼の登場によって場はさらに混沌としたものへと変わることになる。

 騒動を止めるかと思いきや、火に油を注ぐ結果を生んだ辺境伯令息に苛立つリオン。愛を告げられた自称ヒロインことゼシカはというと、今度はマイルズからリカルドへと目移りしていた。恋多き女である。

「貴様! 俺のゼシカに何を……!」

「ゼシカのように美しく愛くるしい天使を狙っているのが君だけだと思ったか? 甘いぞ、この学園にいる男であれば誰もが彼女の虜さ」

「(マジで!? そんな趣味の悪い男ばっかだったのこの学園!?)」

 この学園においてリオンに入ってくるゼシカの噂は、男をまるで身に着けるアクセサリーのようにあれこれと取り換えているという不純な噂。リオンからすればこの学園にいる誰よりも関わりたくない女、それがゼシカだった。そんな気色の悪い女に好意を寄せている男が何人もいるという事実にリオンは戦慄する。

 リオンが戦慄している間に、リカルドがゼシカ求婚したことが皮切りとなり、次々と席を立つ貴族の令息たち。彼らはゼシカへと近寄り愛と婚約の言葉を告げてから身体を翻しこう告げる。

「エネリア、お前との婚約は今日破棄させてもらう!」

「スピカ、君にはほとほと愛想がつきたよ。君との婚約はなかったことにさせてもらう」

「俺は真実の愛に目覚めたんだ! お前との関係は今日で終わりだよレミー!」

「アンナ、これ以上君と一緒にいることはできない! 実は俺……男性が恋愛対象なんだ! このままではきっと君を不幸にさせてしまう! その前に婚約を破棄させてくれないか……?」

 次々と己の婚約者に向かって婚約破棄の言葉を告げる令息たち(一人だけゼシカの元へ行かずに告げたものもいるが)。婚約破棄を告げられた令嬢は黙ってその言葉を受け入れる――はずもなかった。

「レイモンド様、あなたは婚約を何だと思っていらっしゃるのですか? あなたの一存程度で破棄できるものだとでも?」

「我が子爵家を敵に回すとおっしゃられますか、ハイズ様」

「何が真実の愛よ! そんな馬鹿げたもので婚約破棄が成立すると思ってるの!? パパに報告させてもらうからね!」

「レッサー様……! 大丈夫です、実は私も女性が恋愛対象なんです! あなたの苦しみは痛いほどわかります! 反対に私の苦しみをレッサー様は理解して頂けますでしょうか?」

 婚約破棄を告げられた令嬢たちの反撃が始まる。令嬢たちは至極当然の物言いで婚約者たちを責め立て、令息たちはただただ妄想の愛を語る。会場はさらに混沌を増し挙句の果てには皿やワイングラスが飛び交うようにまでなり始める。

 一部なんかよく分からない方たちのカミングアウトについては放っておく。末永くお幸せに。

「皆さん、落ち着いてください、落ち着いて――!」

「ここはめでたい場ですよ、このような騒ぎを起こしては――!」

 嵐が過ぎ去るのを学生とともに待っていた教師も、この事態は流石に不味いと考えて皆を落ち着かせようとするも、教師を遥かに超える人数での喧騒を止めることなどできなかった。

「やべえよ、やべえよ。これは流石にどうにもならん」

 皿やグラスが飛び交う戦場のような光景を前に、リオンは場を鎮めることを諦め始める。もはやただの男爵令息に過ぎないリオンの力で止められるようなものではなく、それこそ王族でもいらっしゃらない限り止めようがない騒ぎと成り果てていた。いらっしゃったらいらっしゃったで理由を知られて全員の首が飛びかねないが。

「逃げよう」

 もうどうにもならないと判断したリオンは背を向けて会場から逃げることを選択する。パーティに参加している令息や令嬢の数はかなりのもので、余程の大物でない限り出席者の顔など覚えていない。今から学生寮に戻って風邪で寝込んでいたことにして逃れよう、と打算的なことを考えてリオンは会場から立ち去ろうとする。しかし、彼は立ち去る途中でとんでもないものを目撃してしまう。

「ん? あれは……」

 ふと一人のリオンがよく知っている令息が会場の中を歩いているのが目に入る。その令息はとある令嬢の元へと向かっていた。流れを考えるとその令息も令嬢に婚約破棄を言い渡すことが予想される。その可能性に至ると、リオンの全身に冷汗が走った。

 あれは不味いと。





「こ、これはいったい……!?」

 会場の喧騒にのまれて青い顔をする一人の令嬢。彼女の名前はシンディ・クローディア。クローディア男爵家のご令嬢である。ライムグリーンの長髪に瞳、今年十五となる彼女は両親の愛をしっかりと受けて美しく育っていた。

「ひっ!」

 飛び交う皿やグラスを見て、頭を抱えて震えながら身を守るシンディ。震えながら事態が治まるのを待つことしかできなかった彼女の元へと歩み寄る一つの影。

「シンディ……」

「ライナス様……!」

 ライナス・マッカード。マッカード子爵家の令息であり次のマッカード子爵となる跡継ぎであり、シンディの婚約者でもある人物。彼は婚約破棄騒動で騒いでいる令息と令嬢をかき分けて婚約者であるシンディの元へと駆け寄る。

 婚約者であるライナスが現れたことによってシンディは落ち着きを取り戻し彼の元へと駆け寄り手を伸ばす。自らを助けに来てくれた婚約者へと向かって。しかし――。

「きゃあっ!!」

 ライナスはシンディの手を払いのける。シンディは手を払いのけられた勢いによってその場に倒れこむ。払いのけられた手の痛みに震えながら顔を上げると、そこには鬼の形相を作ったライナス。

「ラ、ライナス様……何を……!?」

「黙れシンディ! 貴様がいては邪魔なのだ! そう、ゼシカと結ばれるにはな!」

 殺気のようなものまで混じったライナスの怒りの言葉を受けてシンディは身体を震え上がらせる。殺気と怒りの籠った感情を浴びせられたシンディの瞳から涙が零れ落ちる。ライナスは婚約者であるシンディを助けに現れたわけではなかったのだ。

「(どうして……どうしてこんなことに……!?)」

 シンディはライナスと出会ってからのことを思い出す。

 初めてお会いした時はお優しい方だった。この人となら良き夫婦としてやっていけると思っていた。でも……この学園に通い始めてからライナス様はおかしくなった。私からのお誘いを受け取らず用事があると拒否をされ、偶然お見かけした時には隣に知らない女性が立っていた。

 自分は何か冷たくされるようなことをしただろうか? 何か彼の気に障るようなことをしてしまったのだろうか? こんな、こんな――。

 まるで親の仇を見るかのような顔で睨まれるようなことを私はしてしまったのだろうか?

「シンディ・クローディア! 貴様との婚約をは――!!」

「ダイナミックお邪魔します!!」

「ガッ……!?」

 私へと向かって何かを告げようとしていたライナス様を包み込むように黒い影が差す。ライナス様の後ろには見覚えのある殿方が手を振り上げてライナス様に飛びかかっていた。殿方は勢いよくライナス様の首に手刀を叩きつけると、身体を守ることなくその一撃を受けたライナス様はその場に倒れこんで気絶された。

「ご無事ですか、シンディ様?」

 あぁ、何年ぶりでしょうか……殿方に優しくされるのは。





「(あっぶねえええ! 今のセーフだよな? ライナス様が婚約破棄を宣言するのを防げたよな俺!? え? 手を払いのけていた時点でアウト?)」

 逃げるつもりで会場を出ようとしたリオンは放置すると不味いものを見てしまったため、慌てて婚約破棄をしようとしたライナスの元へと駆け寄って当身をお見舞いして彼を気絶させることに成功する。

「(ちょっと貴族にあるまじき行為だが……令息や令嬢あいつらが邪魔だからテーブルの上を渡らせてもらった)」

 軽業師のようにひょいひょいとテーブルの上を渡ってライナスの元へと駆け寄って当身を食らわせたリオン。この騒ぎを治めることは叶わなかったが最低でもこの二人の間に起こる騒動だけは治める必要があった。

 というのも、リオンのアルティマ男爵家とライナスのマッカード子爵家は寄子と寄親の主従関係にある。もしマッカード家にとって不都合な事態(例えば今回のような一方的な婚約破棄)が起きたらどうなるか。不都合な事態によってもたらされた被害は主従関係にあるアルティマ家にも及ぶ可能性がある。

 他所の貴族たちがどんな風に転ぼうと知る由もないリオンも、寄親であるマッカード家のライナスが起こそうとした馬鹿を見逃すわけにはいかなかった。治め方がちょっと乱暴ではあるがそこはご愛敬。

「ご無事ですか、シンディ様?」

 リオンはライナスの婚約者であるシンディの手を引いて起こし、彼女の無事を確認する。身体を少し強く強打しているものの目立った外傷は見られず、痕が残りそうな傷も見当たらない。

「有難うございます、リオン様」

「とんでも御座いません、シンディ様」

 お互いに一礼して挨拶を交わすリオンとシンディ。アルティマ男爵家とマッカード子爵家に主従関係があることもあり、ライナスの婚約者であるシンディとリオンは面識があった。といっても軽く顔合わせした程度のもので、この学園においても親しく交流をしていたわけではない。

「シンディ様に対する失礼な仕打ちに関しまして、ライナスに代わって私からお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません」

「い、いえ、どうか頭をお上げください」

 シンディに向かってライナスに代わり頭を下げるリオン。リオンが頭を下げたのを見て、シンディは慌てて頭を上げるよう願い出る。シンディの願いを受け取り「では失礼して」と口にしてリオンは頭を上げる。

「会場がこのような形となりここにいては危険です。一刻も早くここから離れましょう」

「それには賛成ですが、いったいどちらに?」

「まずはシンディ様をお送りいたします。クローディア家のお屋敷はここからどのぐらい離れておりますか?」

「馬車でニ十分ほどでしょうか」

 混沌と化したパーティ会場から離れシンディを親元へ返すべく行動するリオン。一応優先度は寄親の家の長男であるライナスが高いが、その婚約者であるシンディも保護すべきと考え行動を開始する。シンディからおよその距離を確認したリオンは気絶して倒れているライナスを片手で担いで、もう一方の空いている手をシンディに差し出す。

「婚約者でもない愚者の手で申し訳ございませんが、外までエスコートさせて頂きます。婚約が決まっているシンディ様には申し訳ございませんが、しばらくのご辛抱を」

 ライナスという婚約者がいる身で、他の男に手を引かれるというのはあまりよろしくないが、緊急事態故、犬にでも噛まれたと思って我慢してもらうことにする。

「(エスコートの仕方なんざ分からんがこれであってる?)」

 日々を親交のあった男友達と学んだり遊んだりしながら過ごしたリオンは女性の扱い方など心得ていない。手慣れたかのように手を差し出してエスコートしようとしているが内心は不安でいっぱいだった。そんなリオンの不安を他所にシンディは少しの間ライナスの方に目を向けてからリオンの元へと目を戻すと。

「お願いします」

 リオンの手を取るように手を伸ばす。

「お手を拝借……って危なっ!」

「きゃあっ!!」

 シンディの手を取ろうとしたリオンは、何かに気づいてシンディの手を素早く取るや否や手を引いて彼女を自分の元へと引き寄せる。そのまま引いた手を放して彼女を抱きとめて、身体を前に出し、彼女と立ち位置を入れ替えるように前に出る。

「いい加減少しは落ち着けよ。こんなところにまで皿やらグラスを飛ばしやがって」

 リオンはシンディへと飛んだ皿やグラスに気づいて、瞬時に立ち位置を入れ替えて間一髪、彼女に皿やグラスが直撃しないよう防ぐことに成功する。

「申し訳ございません、ライナス様。お体を少しお借りいたしました」

 代わりにその代償を払うものがいた。シンディに直撃しない代わりに肉壁となったライナスの身体に皿やグラスが直撃することになり、彼の上等なスーツは皿に乗った料理と、グラスから零れたワインで台無しになっていた。

「婚約者を身をもって守れたのですから役得ですよね?」

 ていうか今あなたが起こそうとした面倒事で俺があれこれ後始末に動いてるんですから納得してください。ていうかしろ。

「(しかし、手どころか身体にまで触れてしまった)」

 救助目的とは言え軽く身体に触れる、というか身体を密着させてしまうという失態を犯してしまったリオン。後でバレたら説教では済まないと頭を抱える彼に対して、腕に抱きかかえられたシンディの顔は熱っぽいものへと変わり、リオンの顔をじっと見ていた。

「リオン様ぁ!!!」

 ふとそこに、会場の遥か後方からリオンを呼ぶ声が響き渡る。会場が喧騒に包まれている中わずかに聞こえたその声にリオンが振り向くと、騒動の元となったゼシカと目が合う。

「リオン様、おいでになられたのですね! キャー! 隠しキャラのリオン様にようやく出会えたわ! って誰よあの女、モブの分際でリオン様に抱きかかえられるなんて!」

 訳の分からないことを口にするゼシカに唖然とするリオン。彼の中でゼシカの評価は最悪だ。男性を取っ替え引っ替えする不純さ、王妃の懐妊祝いというめでたい席をぶち壊し(たのは公爵令息だが彼女も同罪)、さらに自分に向かって「隠しキャラ」、寄親の婚約者に向かって「モブ」など訳の分からないことを口にするゼシカを見て、リオンはこう評する。

「純粋にキモイ。シンディ様参りましょう」

「あ、はい!」

 リオンはシンディを起こして彼女の手を引いて会場から立ち去る。一応ライナスも運んでいるが扱いは荷物のように担いでいる有様。会場を飛び出すと後ろからゼシカの喚くようなはしたない声が聞こえてくるが無視して進む。しばらく進むと使用人服を身に纏った男と出会う。

「あ、お貴族様。会場で何かあったのでしょうか? 騒ぎ声が聞こえてきたのですが」

 誰とも知らない使用人。恐らくこの会場の清掃や料理を運ぶものとして臨時で雇われた使用人だと推測する。

「知らない方がいい。それより君、馬車の御者経験はある?」

「え? い、一応御座いますが何か?」

「俺に今日から雇われるか、このままここに残って不幸な目に会うのを待つのどっちがいい?」

 半ば脅すような形で使用人に詰め寄るリオン。令嬢の手を引いて貴族を荷物のように運んでいる恰好を加味すると一見、犯罪者のように見えなくもないが、令嬢が抵抗する様子がないところから何かから逃れようとして走ってきたようにも見える。そんな一行を見て、使用人は困惑するしかない。

「お、お貴族様、何がどうなって?」

「二度は言わない。五秒以内に返答しないと放置しておいて行くから。五、四、三……」

「は、はい! お貴族様のもとで働かせて頂きます!」

「よしっ。今日からお前は俺の使用人な。最初の命令、この鍵で三十番の馬小屋から馬車を引いて表に回せ。もし、そのまま馬車で逃げたりしたら地の果てまで追いかけて殺しに行くんでよろしく」

「は、はいぃいいいいい! た、ただいまぁああああああ!!」

 リオンから鍵を受け取った使用人は、全速力で馬小屋へと駆け抜けていく。使用人を見届けた後、ふぅ……と一息つくリオン。

「リオン様、今の一件は?」

「御者の真似事は自分にも務まりますが、道中で少し考えたいことが御座いましたので雇わせて頂きました。このままここに残っていると不幸が訪れる可能性も零ではありません。王妃様のご懐妊祝いのパーティがこんな状態となっては参加している貴族は勿論、雇われた使用人にもペナルティが及ぶ可能性は御座います」

「あっ……」

 シンディはリオンの言葉で事態の深刻さを理解して顔を青ざめる。青ざめたシンディを見てリオンは「大丈夫です」と口にして彼女を安心させる。

「こういっては失礼ですが、ライナス様もシンディ様も私もこの会場で注目されるほど大きな家の生まれでは御座いません」

 なぜか騒動の元となったゼシカ男爵令嬢はこちらのことをご存じだったが……あれは恐らく例外だろう。あれの頭の中まで理解したくないのでいったん放置。

「今すぐお屋敷にお戻りになられてパーティには病気で参加していなかった等、理由をつけて自分たちは参加していなかったので無関係だ、と巻き込まれるのを回避しましょう。いえ、私の浅知恵よりもっと深い見識のあられるグローディア男爵のご判断を仰いだ方がいいかもしれませんね」

「お父様の……」

 とはいえ、それは彼女にやってもらう必要がある。俺はライナス様こっちを何とかしないといけないし。

「ともかくまずはシンディ様をクローディア男爵様のお屋敷までお届け致します。会場での出来事を男爵様にお伝えして、後は男爵様の判断に従ってください」

「は、はい。分かりました」

 シンディが頷いたのを確認してリオンは彼女の手を引いて外へと出て、馬車を表に回した使用人と合流しクローディア男爵家のお屋敷までシンディを送る。彼女を無事に送り届けた後、ライナス様おにもつをマッカード子爵家に届ける為、今度はマッカード子爵家の屋敷へと向かう。





「あ、あの、そちらの方はどちら様で?」

「うちの寄親の家の長男。起きると面倒なんで寝かせてある。起きたらもう一度寝かせるから安心して」

 マッカード子爵家の屋敷へと向かう馬車の中にライナスが寝かされている。リオンはそんなライナスをどうしようもない生き物を見るような目で眺めながら髪を弄りながら考え事をしている。

「は、はぁ……」

 自分は何か取り返しもつかない犯罪に巻き込まれているのではないだろうかと勘繰る使用人。そんな使用人の心境を察してリオンは安心させるように声をかける。

「別に不味いことをしているわけじゃないから安心しろ。むしろ君にとってはあの場にいた方が不味い可能性がある」

「え、えーと……ちなみにどのような?」

「聞きたい? 本当に聞きたい? 俺の推測混じりの君の末路が聞きたい?」

「い、いえ、遠慮しておきます!」

 事情を知りたがる使用人を軽く脅して黙らせるリオン。安心させるつもりが脅す結果になってしまったが、リオンからすれば中で起きた騒動を下々のものに知られたくはない。下手に事情を知られて吹聴されても困る。

「(知りたがりなところはあまりよろしくはないが……)」

 言えば理解するからまずまずといったところか。ことが済んで自分が五体満足であれば約束した通り使用人として雇うとしよう。労には対価で報いる、タダ働きさせるつもりはない。

 今後の使用人の扱いについて検討し終えたところで、自身の今後取るべき行動について考え始める。

「(まずはマッカード子爵様に仔細を報告。今後自分たちが取るべき行動は子爵様のご判断通りに従った方がいいだろう。クローディア男爵家との関係は……難しいな。婚約破棄の宣言は防げたけど、ライナス様これがシンディ様に手を上げたことはどうあがいても言い訳しようがないし……子爵家側に非があることは否めない。もしかしたらライナス様これの未来はないかもな。子爵家には次男も三男もいらっしゃるし)」

 泥船に乗る趣味はないリオンは、どうすれば自身にとってアルティマ男爵家にとって都合が良いか模索し始める。寄子、寄親の主従関係こそあるが、アルティマ男爵家とマッカード子爵家はそこまで密な関係を築いているわけではない。

 加えてリオンはライナスの直臣というわけではなく、子爵家にいくつかある寄子の家の長男というだけ。個人的な交流もシンディより少し多い程度のもの。これが長く親交を持った親友であれば、庇うなり事前に馬鹿な真似をしないよう忠告するなりしていたかもしれないが、不利益を被ってまでライナスを庇う理由はリオンにはない。

 無情ともいえるかもしれないが、リオンにとって大事なのは自分と家族と男爵家と自分の領地の民である。

「まぁ、まだ分からんか。お目覚めになられて馬鹿なことをした、と反省されればまだ目はあるかもしれないし」

「は? 何かおっしゃいましたか?」

「何でもない、独り言だよ」

 揺れる馬車の中で頬杖をつきながらリオンはまた考えを巡らせる。アルティマ家にとってより良い未来に繋げるよう最善の手を選べるように。





 結論から言うと無事に済んだ。俺とライナス様、シンディ様の実家の三家で協議した結果、ライナス様が重病を患った為、その見舞いとして婚約者であるシンディ様と寄子の家の長男である俺はパーティがあった日には子爵家を訪れており、パーティに参加していないという話になった。まあ、そういうシナリオをでっちあげて、自分たちは無関係ですよと装ったのだが。

 婚約破棄騒動については、世間に知られることなく闇に葬られることになった。そりゃあんな数十人単位の婚約破棄騒動なんて世間に知られたらこの国大丈夫かってなるしね。だから事件の発端となった公爵令息や、主犯ともいえる男爵令嬢がどうなったかは俺も知らない。男爵家の長男程度にそんな情報は降りてきやしないし。

 まぁ公爵家については跡継ぎが長男から次男に代わったというのは風の噂で聞いた。後、他の家も跡継ぎが次男に代わったり、婿養子を迎えようとしたりする動きがあるって父から聞いたから多分そういうことだと思う。あ、学園はしばらく休校になった。学園関係者たちにも何らかの処分が下されて学園を運営できる状態じゃとかかな。

 それと、残念ながらライナス様はあの後、意識を回復することなくお亡くなりになられ、子爵家は次男が跡を継ぐことになる。まぁ、実際は目を覚ましたんだけど……。

「俺はシンディと婚約破棄してゼシカと結ばれるんだって言って聞かなかったから、だめだこりゃと見放されたんだけどね」

 そんなわけで、ライナス様は子爵家のとある一室に監禁されることになった。死ぬことはないが表舞台に出られる機会は二度と来ないだろう。あ、先方の子爵様と男爵様からはお礼のお言葉を頂戴した。子爵様からはずっしりと重い金貨の詰まった袋を贈られた。たぶん迷惑料と口止め料。後、今後もお付き合いよろしくねってことだと思う。それで男爵様、つまりシンディ様のお父様からなのだが――。

「よく来てくれたねリオン君」

「え、えーと、急なお呼び出しでしたが、いったい何事でしょうか?」

 何故かクローディア男爵家のお屋敷に呼び出されることになった。呼び出されたと言っても強制ではなく、あくまで招待という形ではあるのだが、特に断る理由もなかったので訪れたところ……なんか男爵様の顔が凄いニヤニヤとしたものになってて、少し怖い。

「以前あった時も言わせてもらったが、うちのシンディを助けてくれて本当にありがとう。君のおかげでシンディは身と心に深い傷を負わずにすんだよ」

「恐れ入ります」

 男爵のお礼の言葉に委縮するリオン。

「(本当に恐れ入るんだけどな。本当の目的はライナス様……もうライナスでいいか。ライナス後始末がメインだったし)」

 結果的にライナスの元婚約者であるシンディも助けることになったが、本来の目的はこちらの被害を最小限に抑えることにある。シンディを助けることを最大の目的として動いていたわけではないので、礼の言葉を言われるのは恐れ多かった。

「ライナスのクソガ……そうそう、病気だったね」

「(今クソガキって言おうとしたな)」

 両家の間で話の決着こそついたが、男爵様ご自身は恨み骨髄といったところか。これライナスが婚約破棄を宣言するところまで行ってたらどうなってんだろ……宣戦布告?

「ライナス君を病気で亡くすことになり、残念ながらシンディは婚約者不在という状況になってしまった。このまま、あの娘が未婚で生涯を終えるのはとてもとても可哀そうなのだが……リオン君はどう思うかね?」

「そ、そうですね(なぜそれを俺に聞く!?)」

 なんとなくではあるがどういう目的で問いを投げかけられたかはリオンも予測できる。恐らく婚約者として立候補してみないかという問いだと推測するが、なぜよりにもよって自分なのか。子爵家の次男と再婚約という手もあるだろう……もしかしてライナスの件があるから避けたか? 信用できないと。

「ふむ、この話は置いておいて。シンディが是非とも、もう一度あってお礼を言いたいと言っていてね。是非ともあっていってくれないか」

「そういう話であれば喜んで」

 ライナスという婚約者がいる状態で会うのはあまりよろしくないが、婚約者不在の状況であればそこまで問題にはならないだろうと考えるリオン。男爵に一礼して席を立ってシンディの元へと向かおうとするリオン。そこに男爵からある言葉が。

「これは独り言なんだけどね。あのパーティ会場でシンディを助ける為とはいえ、シンディの肌に触れた男がいるらしいんだ」

「い゛……!?」

「勿論責めるつもりなんてこれっぽっちもないんだけど、男なら責任を取るべきだと思わないかね? いや、勿論独り言だよ、気にする必要なんてないんだけどね?」

 責めるつもりはないと言いながらねちっこい言い回しで独り言を告げる男爵。席を立とうとしたリオンは笑顔のまま固まり、全身に冷汗をかく。

「……この狸親父」

「何か言ったかねリオン君?」

「いえ、何も? もしかしたら誰かの独り言では?」

 小声ではあるが男爵の評価を正直に告げるリオン。部屋を後にしてリオンは頭を抱える。家柄は同じ男爵家ということもあってつり合いは取れていて相手に不足はないが、ろくに女性の扱い方を知らないリオンはこの後どうすればいいのか悩む。

「口説けってか? 俺にシンディ様を口説けってか?」

 こんなことなら友人に女性の扱い方や口説き方を教わっておけばよかったと後悔するリオン。しばらく立ち止まって悩みはしたが、まずお会いすることが先決と考えてシンディと面会することにして、彼女に会う。

 何故かこちらに向かって好意全開で礼を告げてこちらへと迫るシンディ。そんな彼女の態度を見て、リオンは困惑することとなった。





 それからしばらく時間が経ち、騒ぎで休校となっていた学園が開ける。学園へと通うリオンの腕にはぴったりとくっついたシンディの姿があった。学園に到着すると驚く光景を目の当たりにすることになる。なんと、学生の数が半分近く減っていたのだ。減っているのは恐らく婚約破棄騒動を起こした令息たち。男女比は目測だが一対十程の恐ろしい数字となっている。

 残った男たち、婚約破棄をしなかった令息や、リオンの男友達は無事学園に復帰していた。バタバタしていたとはいえ、あの騒動で友人を気遣えなかったことに少し胸が痛くなる。そんな残った令息たちはというと――。

 ご令嬢たちに絡まれていた。

 恐らく婚約者がいなくなり、婚約者不在となったご令嬢たちが即アタックを仕掛けたものと思われる。そんな彼女たちを見てシンディのリオンの腕を掴む手の力が強くなる。

「絶対に離しませんので覚悟してくださいね、リオン様!」

 にこっと笑いながらリオンに微笑みかけるシンディ。そんなシンディの頭をかわいいなと思いつつ、空いた方の手で撫でながらリオン。頭を撫でられた彼女はくすぐったそうにして喜んでいるように見えるが、こんな対応でいいのだろうか、とリオンはひとりごちる。




「誰か女性のエスコートの仕方を教えてくれ」

 後日そんなことを友人たちに相談したリオンは、友人たち全員から蹴りを貰うことになった。

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