美咲と李君縦書き表示RDF


登場人物

霧原美咲きりはら みさき…警視庁公安部外事4課の刑事。
李舜生リ シェンシュン…中国人留学生。青年。
石崎香那美いしざき かなみ…美咲の友人。
美咲と李君
作:うつりぎ


 久しぶりに明日は非番だ。
 仕事に一段落つき、外にでると、もう辺りから冬の冷たい空気が肌に感じられた。
 都会の夜はなんて明るいのだろう。いまさらそんなことをふと思い、一人でくすりと笑ってしまった。
 最近はこの都会を見ることなく、休む暇もなく働いていたせいだろうか?
 ――契約者…
 契約者は主に夜活動する。
 彼らを追う我々の生活も、自然と夜に向いているのだろう。
 知らず知らずのうちに、自分でも気がつかない疲れがたまっていたのかもしれない。
 一度背伸びをし、私は乗り慣れた愛車を走らせた。
 夕飯はどうしようか。
 ひとりでレストラン?それともコンビニ?
 …うーん…
 しばらく考え、前方に見えたコンビニにベンツをとめた。

 今日は疲れたし、明後日のためにも早く寝よう。



「…霧原、さん?」
 
 入ってそうそうに声が聞こえた。
 まさか自分に向けられた声だとは思ってもみなかったため、思わずあたりを見回した。
 黒い髪でTシャツとジーンズ…
 今はコンビニのロゴマークが刺繍された制服を着てはいるが、すぐにわかった。

「李、君…?え、どうしたのこんなところで…」

 動転して分かり切ったことを聞いてしまった。
 恥ずかしい…。

「僕ですか?…バイトです。霧原さんは、お仕事の帰りですか?お疲れさまです。」

 …いつもと同じ…
 笑顔の彼に会えて、少し嬉しかった。

「え、えぇ…。李君もバイト、大変ね。」
「ありがとうございます。…あ、携帯…でなくても、いいんですか…?」
「え?…あ…」

 いまのいままで、携帯がバイブしていることに気がつかなかった。



「…で?コンビニでバイト中の彼と偶然あって、私の電話にでるのが遅れたと?」
 
 一旦外にでて電話にでると、相手は高校時代からのつきあいの香那美だった。

「だからごめんって!悪かったよ、香那美…」
「ふうん…ま、いいけど?…それで、噂の彼とはどうたったの?いい雰囲気?」

 相手がにやりとしている顔が思い浮かぶ。
 私は少しムキになって答えた。

「だから、そんなんじゃないって、何度もいってるじゃない!彼とは、ただ以前事件で知り合って、それで、たまに偶然街中で…何回か会うって、だけで…」
「へえ?偶然?偶然にしちゃ、仕事で忙しくて、なかなか休む暇もないあんたとよく会うって、なんだかね―………
 ――運命とか?」
「だーかーらー!」
「わかったって。まったく、あんたってからかいがいがあるよねぇ」
「まったく、人で遊ばないでよ…それはそうと、何か用事があるんでしょ?」
「え?えーー…なんだっけなぁ…」
「ちょっとぉ!」
「冗談、冗談。明日、美咲も非番でしょ?」
「そうだけど…?」



 電話を終えると、李君がそこに立っていた。
「え…ど、どうしたの?お店は?」
「ちょうどさっき、交代の時間だったんです。だから今日のバイトはもう終わりました。霧原さんは、もう電話の方、終わったんですか?」
「うん、ちょっと友達からね…明日非番だから」
「そうなんですか…。じゃあ、僕はこれで。
 ――おやすみなさい」

 彼が笑顔でいった。

「うん、おやすみなさい」

 私も笑顔でかえす。
 彼にあえて、少しだけ元気がでた気がした。


ここまで読んでいただき、ありがとう、お疲れさまでした。
こんにちは、うつりぎです。

この、DARKER THAN BLACKという作品で短編を書かせていただいたのも、この作品で三つ目となりました。
本当に早いものです。

原作のアニメのほうは、もうだいぶ前に最終回を迎えてしまい、私としてはとても寂しいかぎりです。

以前の二作は、どちらもマオヘイで書かせていただきました。
そして今回、美咲と李です。
本当にどきどきしています。
小説全体としては、いままでとおなじく、特に何も起きないごくごく普通のお話でした。
ただ、私としては、もっと美咲と李の会話を書きたかった、というのが本音です。
しかしながら、どちらの人物もかきなれていないため、うまくかけるのか不安でしたので、このようになりました…
次回、またこの作品で小説を書くのかは未定でありますが、今度は、もっと上手に、この作品のひとりひとりを書いていけたらいいなと思っています。

長くなりましたが、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
また、感想や意見をいただけるとうれしいです。













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