第3話:変入?編入?始まる学院生活♪
窓から日がさし。一日が始まる…
ふにっ
「ふにっ?」
眼を開けるとそこは真っ暗。なんだか柔らかいし、甘い匂いがするしって…
「なっ…!?」
司羽は、上に抱き付く様に乗っかっていたルーンを無理矢理剥して、起き上がった。全くこいつはなんて危ない事を…
「うにゅ…うー司羽おはよう…」
「昨日あれ程止めろと言った…」
こめかみを引くつかせてルーンを睨み付ける。いや、別に嫌じゃないんだが毎日やられるとその内理性を保てなくなる心配があるからな
「うにゅ…司羽…早くしないと遅刻しちゃうよ…?」
「は…?」
よく見るとルーンはもう登校服だ。学院は服装は自由らしい。まぁどっちにしろ昨日の今日で俺の制服を用意しろってのは無理だが…
「なんで制服来たまま寝てるんだ?」
「ふにゅ…?僕は司羽を起こしに来たんだよ…?でも司羽が気持ちよさそに寝てたし…」
なるほど…?つまりは俺をルーンが起こしに来てそのまま寝ちまったと…って
「なにぃぃぃぃぃ!?はっ!時間は!」
バッっと時計の方を見る。この世界は地球と時間の見方が変わらない。学院までは30分、登校時間は8時半、今の時間は…
「8時15分…?」
遅刻だ…
「くそっ…着替えだ!朝飯食ってる時間もねぇ…!おいルーン!?何寝てるんだ、起きろ!!」
こうして慌ただしい一日は始まった
「ま、間に合った…頑張ったよ俺…マスター…俺頑張ったよ…」
まさか5分前に着くとは思わなかった。日頃から鍛えているとはいえあの距離をルーンと荷物を抱えて10分…うん、頑張った
「ほら、ルーン。着いたぞ、起きろ。」
背中で寝ているルーンの頬を肩でつつく
「うにゅ〜…いやぁ…司羽連れてってぇ…」
「ルーンのクラスの場所を知らないし、大体俺は今から職員室だ…」
転校初日は30分前に着こうと思ったのに…不覚…
「…しょうがないなぁ…自分で歩くよ…」
そう言ってルーンは背中からスルッっと降りて自分で昇降口の方に向かった
「さて、俺も行くか…異界の学校の先生か…どんな人なんだろ…」
司羽は期待半分、不安半分の気持ちで職員室に向かった
「此所が職員室か…」
時間ピッタリ。なんだか早く来るよりこっちの方が良かったと言う感じもする
「ふぅ…行くか…」
深呼吸をして中に入る
「失礼しま…っ…!?」
ヒュン
職員室の扉を開けた瞬間に中からクナイ手裏剣が跳んでくる。司羽はそれを指で挟んで受け止めた。
「ほぉ…拙者の手裏剣を指で処理するか…」
そこにシュバッっと現れたのは忍者っぽい格好をした女性で、黒い髪を後ろで簡単に束ねている美人。なんだか、凄く地球の方何じゃ?と思う位に忍者服が似合っている
「い、いきなり手裏剣…」
「ふふふ…面白い…確かにこやつならば最高クラスに入れても良かろうな…」
一体なんなんだ?この人も先生なのか?忍者な先生を訝しげに見ていると周りからおっとりとした声が聞こえた。現れたのはピンク色のウェーブの掛かった長い髪にピンク色のドレスを着込んだこれまた美人
「ごめんなさいねぇ?シノハちゃんがどうしてもって言うから…。あっ私はミリク、こっちのシノハちゃんと貴方のクラスの担当になっているわ♪」
「は、はぁ…」
いきなり過ぎて訳分からん…。HRの様な物が在ってもおかしくないから教師が誰もいないのは判るが誰か説明してくれ…。最高クラスってなんだ?
「ミリク…何かこいつ挙動不信だぞ?本当にこいつなのか…?」
う…しょうがないじゃないですか…分からない事だらけ何ですから…マスターちゃんと説明しといてくれたのか?
「写真と同一人物なのは間違ないでしょ?でも本当にいきなり学院長に転校生を最高クラスに入れるって言われた時には驚いたわ…ねぇ?どんな手を使ったの?」
興味深そうに司羽を観察し始めるミリク。顔を近付けられて、顔が紅くなるのを感じた
「俺も良く分かりません…全部任せろって言われたから任せただけですし…。それより、最高クラスって何ですか?」
司羽の問いにシノハがニヤリと笑って答える
「最高クラスとは極めて合法的に生徒を苛め抜く事が出来る私達教師にとって至福極まりない…むぐぅ!!」
なんだか凄い危ない事を言おうとしたシノハの口をミリクが押さえる。何か行きたくなくなってきた…
「と言うのは冗談で、下から5ランクあってA、B、C、D、Fと言った感じになってるの。格ランクにも3クラスあってA-クラス、B+クラスとかね。ちなみにAの方が優秀な子を集めるんだけど…。貴方は何故か誰かに最高クラスのA+に推薦されたらしくて、昨日の今日で通っちゃったのよ。その推薦が…」
なるほど…。マスター何やったんだろ…。エリート高っぽいのに昨日の今日で最上のクラスに無償編入って…
「まぁ、腕はまぁまぁ立つ様だし…拙者は構わんがな…無論、弱ければ直ぐに切り捨てたが…」
シノハが面白い物を見る様に笑う。この先生怖いよ…
「ふふふ…私も美形男子なら何の問題もありません♪男の子って弱いからなかなか上がって来ないんですよねぇ…」
この先生も危ない…気をつけないと…色々な意味で…
「さて、早速クラスに行きましょうか♪」
司羽はミリクを筆頭にA+のクラスへと向かった
ミリクが教室のドアに手をかけて開けるとざわめいていた教室がシンと静まる。少し待っててね♪とミリクに言われて教室の外で待たされる。シノハ先生と二人にしないで…怖いよ…
「皆さーん♪今日は新しいお友達、つまり転校生がいまーす♪」
ミリクが言うと同時に教室がざわめく。うーん、これが転校生の気持ちか…
「はーい♪司羽くーん、いらっしゃ〜い♪」
シノハ先生に連れられる様に中に入る。連行されてる見たいな気持ちだ…シノハ先生のプレッシャーが…。教室が再びシンと静まる
「司羽です…よろし…」
よろしく、と言おうとした瞬間にすぐ近くから聞き慣れつつある声が聞こえた
「司羽ってここのクラスだったんだ♪これからはクラスまで運んでもらえるね♪」
「は…?」
窓側の前から3番目、横から2番目の席では、さっき背負って来たばかりの少女が嬉しそうに手を振っていた
「ルーン…?最高クラスだったのか…?大体ルーンって同い年だったのか…?」
まさかあのルーンが最高クラス?あの朝に人のベッドに入って来り、買い出し忘れたり、俺に背負われなきゃ遅刻確定なルーンが…?そしてあの小ささで17歳?
「ルーンさんは学院の現首席ですが…お知り合いですか?それにルーンさんは15歳ですよ?」
「首席…?それに何で15歳が同じクラスに…?」
分からない事だらけだ。流石異世界、システムが違うらしいな。それにルーンが首席なのもおかしい…。司羽が混乱しているとルーンがクスッっと笑って説明する
「司羽の所とは違ってクラスに年齢は関係ないんだよ♪クラス分けの成績も強い人順だから勉強面の問題無し♪…でもいきなり此所に入って来るなんて司羽何したの?先生を籠絡したとか…?」
「はぁ…籠絡なんてしてない…。そして、何故かは俺も聞きたい…」
籠絡って…15歳がそんな言葉使うなよ…
「それでは司羽君はルーンさんの隣りと言う事で♪ルーンさん、司羽に色々教えてあげて下さいね♪」
「任せて下さい♪」
ミリクの言葉にルーンは嬉しそうに答えた。そして、司羽の学院生活が始まった |