光る君
人になぜか憎まれるように
人になぜか愛されます。
いいえ、
愛というほど、大仰なものではないかもしれません。
ただ私にそっと、清涼なコトノハを届けてくれる。
静かに、
まるで負傷を気遣うように。
暗いものに、黒いものに私が染まらずにいられるのは、
あなたがたのおかげです。
ぎゅっと手を握れば痛みを超えて
きらきら眩い輝きがこぼれるのです。
一粒一粒があなたであり、あなたです。
御自分のことだとは、お思いでないかもしれません。
これをお読みでない方もおられるでしょう。
返せるものを持ちませんがせめて、清涼たらんと欲します。
容易なことではありますまいが、そのように臨み続けたく思います。
お元気でいらしてください。
顔を合わせることもないであろう人も、多くおられますが。
私の人生の嵐において、
あなたがたは確かに、私にとって光る粒でした。
砂金のごとくでありました。
あなたがたが、あなたの胸に咲く勲章を知らずとも
私は先の生涯においてそれを忘れることはないでしょう。
けれど、人に吹聴するのも勿体無いので、
そっと胸の底に沈めます。
沈めて黙り、そして誇らしく微笑します。
あなたがたが、名もなき私の勲章です。