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天空飛翔オラシオン
作:桐原蒼月



第九話 再出撃準備


第四宇宙拠点を奪還した地球軍は、残りの宇宙拠点も制圧すべく、疲弊の少ない部隊の一部はそのまま残りの宇宙拠点へと進軍、疲弊が出ていた残りの部隊は補給を受けた後、先に進軍した部隊と交代することになっていた。
如月の部隊は如月の拠点攻略に用いた弾薬類の補充の為、第五宇宙拠点へと向かうことになっていた。



「疲れた……」
如月内のSF格納庫の片隅で涼がぼやく。

背中を壁にもたれさせて、右手に雷鳴作戦の現状を記した資料を持ち、コーヒーのボトルを床に置き、やる気なさげにとしている。
「はいはい」
遥が涼の言葉を軽くあしらう。
彼女はベンチに腰掛け、資料とマーティのコーヒーを横に置き、コーヒーを飲んでいる。
「遥、マーティはどこ行った?」
「シグルスのハンドシールドの交換を手伝ってる」

「ごめんな、シグルス」
マーティはシグルスのハンドシールドの交換を手伝いながら呟いた。
「ラスウェル中尉、残りの作業はこちらでやるので、次の戦場に備えておいて下さい」
技術員の和哉がマーティに休憩を進めてくれた。
「頼むよ」
マーティは涼と遥が休憩している方に向かった。
「相棒の修理は終わったか?」
「もう少しで終わる。残りは和哉さんに任せてきた。」
「そうか」
「マーティ」
遥がコーヒーのボトルをマーティに渡す。
「ありがと」



如月のブリッジで天本は宮部と共に地球軍本部から受け取ったレポートの内容を確認していた。
「敵軍は第四宇宙拠点の残存戦力を第一宇宙拠点に回しているらしいな」
天本が宮部にレポートの確認をする。
「ええ。それに宇宙連盟軍の増援のSF空母と護衛艦隊の部隊が宇宙拠点にもう少しで到着すると、予測されます。」
「宮部副長、我々はどういった手を打つべきだと思う?」
「私としては地球軍の残りの宇宙拠点奪還作戦を遊撃で援護していくべきかと」「そうだな」
そこにオペレーターのジーナが地球軍本部からの通信を報告した。
「艦長、如月とフェザー小隊SFの補給、及び修理作業、全て終了したようです」
「よし、アレニウス中尉、全艦放送に繋いでくれ」
「了解、全艦放送に接続します」
ジーナが全艦放送に接続する。
「本艦は直ちに残りの第一、第二、第三宇宙拠点の奪還作戦を再開する。まずは第三宇宙拠点の奪還からだ!進軍を再開するぞ!総員、第一戦闘配備!」



「第四宇宙拠点を奪われたか」
宇宙連盟に奪われている第三宇宙拠点でR1――JCSFー07tipeAボレアスのパイロット、エミール・ワイズ中尉が独立連盟軍からの通信を受け取り、愚痴をこぼした。
「連中も本気ということか」
R2――JCSFー07tipeBゼフュロスのパイロット、ジェフリー・アーノルド中尉が答える。
「独立連盟軍からの命令は?」
R3――JCSFー07tipeCノトスのパイロット、ダニエル・レイシー中尉がエミールに質問する。
「残りの宇宙拠点は死守しろとのことだ。」
「ここの宙域の奪取した宇宙拠点を防衛するよりも宇宙連盟本部の防衛をした方が良いと思うがな」ジェフリーが呟いた。
「宇宙連盟の上層部は地球に対して侵攻する為の足掛かりが欲しいのだろう」
エミールが答える。
「だが、連中も今回の作戦にはかなりの戦力を導入している。厳しくなるな、この戦いは……」
エミールが一人呟くと、
「ワイズ中尉、宇宙連盟本部からの命令が届きました。第一宇宙拠点の防衛につくようにとの事です。」
宇宙連盟軍の通信士官がエミール達に報告した。
「了解した」
「御武運をお祈りします」
エミール達は第一宇宙拠点に向かうイストリア級SF空母に乗り込んだ。



「地球軍の新型SF?」宇宙連盟軍本部特務部隊、部隊長、里見純は宇宙連盟本部のオフィスで報告に来た女性士官に質問した。
宇宙連盟軍特務部隊は宇宙連盟本部直属の他の部隊とは別ルートで作戦を実行する部隊である。
主だった任務は、少数精鋭のSF部隊による、遊撃が中心になっている。
「はい、なかなかの戦果を上げ初めているようです」
里見が報告書に目を通していると、
「失礼します」
特務部隊のエースSFパイロット、望月保が入室してきた。
「保か、少々厄介な敵が出てきた。ところで、妹さんはどうした?」
「唯は俺達が乗ることになるジュピター・インダストリーの新型SFの書類を受け取りにいってます。俺はその報告でここに。ところで、厄介な敵と言うのは?」
「地球軍の連中も新型SFを配備したらしい。俺達の部隊で相手をする事になるかもな」
「失礼します。新型SFの資料を受け取って来ました。」
そこにもう一人のエースSFパイロット、望月唯が入室してきた。
「ご苦労様。二人にはこれからその専用のSFが配備される事になる、期待しているぞ」
「任せて下さい」
「はい」
保と唯の二人が力強く返事をする。
「では、専用SFを受け取りに向かってくれ」
了解、と二人は声を揃えてオフィスを出ていった。



如月が第三宇宙拠点に進軍を開始してから一時間、味方の部隊とは三十分前に合流し、そろそろ敵部隊との可能性が考えられる為、地球軍の部隊の間には緊張感が高まっていた。
「そろそろかな」
オラシオンのコックピットから涼がマーティと遥に声をかける。
「多分な」
マーティが答える。
「いきなり後ろからあの三機が来るかもね」
「遥、お前にしては珍しい冗談かも知んないが、演技でもない。何回もあれの相手はしたくないね」
「同感。私もあれの相手はしたくない」
「同じく」
三人がそんな会話をしていると
「フェザー小隊、敵部隊の接近を確認。発進して下さい」
「了解!フェザー1、オラシオン発進するぜ!」
「フェザー2、シグルス発進します!」
「フェザー3、アタランテ発進する」
三機のSFが如月から発進する。
「さぁ、行くぜ二人共!」
「OK!」
「任せて!」
フェザー小隊のSFは地球軍のSF、WSFー11アイオロスと共に宇宙連盟軍のSF、JSFー09テセウスの部隊と戦闘を開始した。














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