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 何回も鳴り響く目覚まし時計の無機質な音。
「うぅ……」
 布団の中からのそのそと顔を出す。
 目覚めは最悪だ。
 いつもよりも早く起きたこともあるのだろうけど。
 乱暴に目覚ましを止め、枕に顔を埋める。
 昨日のことが頭の中をぐるぐると回る。
 よりにもよって……理穂の誕生日だったのに。
 くそ……あいつら、どういうつもりだよ。
 思い出されるあの瞬間。
 理穂の悲しそうな顔。
「気にしすぎ……なのか?」
 しかし……悪い方向にしか考えられない。
「あぁ……駄目だ駄目だ」
 むくりと起き上がって、顔を手のひらで叩く。
 そうだ。こんな事ばっかり考えてないで、理穂を迎えに行こう。
 こんなときぐらいは一緒に。
 一緒に学校にいくだけでも違うだろうし。
「よし」
 理穂は、俺が守るから。
 そう、決めたんだから。
 顔を洗い、着替え、軽く朝食をとった。
 鞄を持って家を出る。
 向かうは理穂の家。
 あいつの家は比較的俺の家から近い。
 早歩きで道を進む。
 空は昨日の雨がなかったかのような青さだ。
 すぐに理穂の家の玄関前にたどり着いた。
「久しぶりだな……」
 そういえば最近ここにあまり来たことがなかったな。
 登校時間も違ってたし。
 まあいい。
 もうそろそろ理穂も家を出るはずだ。
 壁にもたれかかって数分。
 玄関のドアが開き、その向こうから理穂が顔をひょこっと出した。
「あれ…?」
 かなり驚いているようだ。
 いきなりだから仕方が無いか。
「おはよ、理穂」
 笑顔で言った。
「どうしてここにいるの?それにいつももっと遅いんじゃ……」
 困惑した表情で尋ねる理穂。
「ん~、なんか急に一緒に行きたくなったからね。そのためなら早起きだってできるさ」
 俺はそう言った。
 本当のことだし。
「そっか」
 理穂は少し顔を赤くして、一言だけ言った。
 やっぱり可愛いな。
「理穂は俺なんかと一緒に投稿するのは嫌か?」
「全然!」
 即答。
 直後に理穂の顔がまた赤くなる。
 嬉しい。
「じゃ、行こうぜ」
「うんっ」
 理穂は笑って大きく頷いた。
 確かに、笑顔だった。



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