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人の末路よ。なんぞ哀れなる?(私の人生考察瞑想ノートより)

作者: 舜風人

終りは、いつも、あまりに、情けない、末路の哀れは人の常。



認知症のドキュメンタリーをTVで見たことがあります。


Aさんというおばあさん、70歳代、見るも無残にやせ細り


胃ロウという、チューブがつけられています。


もちろん本人は寝たきりで食べることも、会話もできません。


時々胃ロウからチューブで栄養液?を流し込む、


それだけが命を支えているのですね。


この方の50代頃の写真が欄間に掲げられていました。


ふくよかなお顔で、知的な雰囲気で、なんでもカルチャーセンターの講師をされていたとか、、。


そして目をベッドに移すと


そこにはまるで別人の、やせ細りどろんとしたうつろなまなこの


まるで、生けるしかばねが横たわっています。


人間って、こうも変わってしまうんですね。


しかしこの人に限ったことではありませんね。


誰だって


ある意味こうなるのです。


権力の頂点を極めて絶対権力を行使したかつての英雄にしても、


末路はなんと哀れなのでしょうか。



独房に閉じ込められたり、


流刑地で果てたり、


ギロチンの露と消えたり、


権力者の末路ほど無残なものもありません。


まあそれに比べれば


この認知症の御老婦人など


むしろ幸いですらあるかもしれません。


とはいえ、


以前のお元気で、活躍されていたころを知る人には


あまりの落差に呆然とするしかありませんね。


でも仕方ないのです。


人はみな老いぼれて


あちこちに故障が出て


寝たきりになったり


呆けたりして


死んでいくしかないのですから。


その昔、


名政治家として信望厚かったお方が



老いぼれて口の筋肉がダメになって口をだらしなくあけたまま、


よだれを垂らしながら


杖を突いてよたよたあるいているのを見たこともあります。


あるいは一世を風靡した


花形女優が


老いぼれて


認知症になり


『腹減ったよう。飯をくれよう』


と、白髪を振り乱してわめいているのも


見たことがあります。


でもそれもこれもみんな


仕方がないことなのです。


誰でも


おおかれ少なかれそうなるしかないのですから。


そうです、


終りはいつもあまりにも情けないのです。



そして人の末路は


哀れなのが常なのですから。



仕方のないことなのです。


人はみな老いて病んで呆けて


無残な姿をさらして


死んでいくしかないのです。


それが人の運命なのですから。


誰も


どんな若いからといって


どんな健康だからといって


そんなもの何の


保障にもなりませんよ、


ある日無常の風が吹けば


次の日には


荒れ野で


白骨と化しているかもしれない、


それがはかない命の定めだからです。


ですから、、、



今を生きるのです。


今を輝かせるのです。


今しかありませんよ、


明日?


明日なんかもうあなたにはないかもしれませんよ。


いつやるというの?


今でしょ、


やりたいことがあるなら今やるのです。


今を輝かせるのです。


今を精いっぱい生き切るのです。


でないと、


あっという間に


闇が迫ってきますよ、


足元の明るいうちに


光ある間に


光の中を歩むのです。


寝たきりになってから


ああすればよかった


こうすればよかったといっても


どうにもなりませんよ。



それでは、、、ここらで今回もおしまいですよ。



最後に、、



こんな古歌でも聞いていただいて、


悟ってみるとしましょうか?






「明日ありと、思う心の仇桜、夜半に嵐の吹かぬものかは」




「鳥辺山、谷に煙の燃えたたば、はかなく見えし、吾と知らなん」


訳、 鳥辺山の谷に煙が燃え立ったならば、

  それは儚く見えた私を今、火葬しているのだと知って下さい。




「ついに行く道とはかねて、聞きしかど、昨日今日とは思はざりしを」




「この世をば、どりゃ、おいとまの、線香の煙とともに、灰、さようなら」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 朝から質の良い哲学を読んだ気がしました。 生まれた以上、死ぬのは定め。そののところの(たぶん目を反らしたい部分を)うまく文字に置き換えていると思います。 親戚が胃がんで胃ろうになったし、最…
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