「はぁはぁはぁ。ねえねえ君。チベット独立については賛成なの反対なの。はぁはぁはぁ」
息がチョー荒い。きもい。
「知らん。そんなことは」
「はぁはぁはぁ。怒った声もまたステキですね。はぁはぁはぁ」
まったくもう切ったろかしらん。
「もう切るよ。忙しいんだから」
「あ。ちょっと待って!」
受話器から手がにゅっと飛び出した。
「ひゃあ!」
思わず、あたしのおさげ髪が上に飛び上がった。
しかも、その手があたしのおっぱいをわしづかみにする。
むにゅう。
「や、やわらけえ」
「いやああん!」
いつまでもいつまでもあたしのおっぱいをつかんだままなので、その手を思いっきり叩いた。
「いてえ!」
手が受話器の向こうへ引っ込んだ。
「叩くなんてひどいじゃないか」
「ひどいのはあなたでしょう? あたしのおっぱい急につかんで」
受話器の向こうで笑い声がする。
「くっくっく。すげえな。あんた。Fカップはくだらねえ」
あたしは顔がかぁと赤くなった。
「声はすごいロリロリなのにめっちゃボイン。もろオレのタイプだぜ」
あたしはだんだん腹たってきた。
「やかましいわアホ! そんなタイプならいたずら電話なんかしてないで堂々とあたしの家へ来たらどうなの!」
無言になってしまった。
「ふん。もう切るよ」
「ちょっと待って!」
今度は受話器から顔が飛び出してきた。
「ひっ!」
顔は朝青龍のようなネコ顔だけどアフロヘアだ!
「な、なに!」
すると、そいつはさらに顔を突き出して、あたしの胸を服の上から舐め始めた。
「い、いやああ」
アフロをばんばん叩いても舐めるのをやめない。
「ペロペロペロ」
「いやっ。いやっ。いやっ」
「ペロペロペロ」
「やめて。いやん。あん。だめ」
あたしは思わず、電源を切った。
すると、アフロ朝青龍の首もちょん切れてそのままポオオンと飛んでいき、あたしの部屋の床に転がった。
「うわああ。怖えええ」
床に転がったそいつの顔はニヤニヤしてる。
あたしは、シャーペンでつついてみた。
びくっと動いた。
「ひえ。まだ生きてる」
あたしはまいった。これ、どうしよう。
とりあえず、怖かったけどそのままにしておいてもしかたがないので、アフロ朝青龍の首を抱えた。
すると、アフ龍がまたあたしのおっぱいをペロペロ舐めてくる。
「いやん!」
あたしは床に叩きつけた。
「ぐええ!!!」
アフ龍は床の上に転がり、動かなくなった。
あれ?? 死んだ????
あたしは、ボールペンでつついてみた。
ぴくっと動いた。
「ひえ。しつこい。まだ死んでない」
あたしはまいった。どうしよう。どうしよう。また抱えたらまた舐められてしまう。
あたしは決めた。
こいつでサッカーをしよう。
近所の子供たちを家に呼び、サッカーの試合をすることにした。
「春ねえちゃあん。来たよう」
「勝った方にお菓子くれるって本当?」
「本当だよ。早くみんな上がって。上がって」
「はぁぁい」
ぴいいいいいいいい。
さっそく試合開始のホイッスルが鳴った。
まずたけしが思いっきり、アフロ朝青龍の首を蹴った。
ぽおおおんと飛び上がった。
それをやすおが胸でとらえ、そのまま蹴りながら走り、ゴールへ向かった。
「はぁはぁはぁ。春ねえちゃん。イクよ。ボク、イクよ」
「うん。いいよ。はぁはぁ。きて。きてえ」
「イク、イク、イクぅ」
「ああ、ああ、ああん」
「うはっ」
「ああっ」
ゴオオオオオオオオオオオル!
「はぁはぁ。気持ちよかった」
「あたしも」
一点入った。
アフロ朝青龍の首はゴールのネットに引っかかっていた。
千秋楽で黒星になったかのような表情をしていた。(了)
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