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異世界に巻き添え召喚されました 作者:鹿鳴館

三章

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89#抵抗者(ウイルスレジスタンス)

 ゾンビ達と壮絶な鬼ごっこを繰り返した渡は。

 ようやく、コンビニまで到着した。

 しかし、やっと入ったコンビニには既に目ぼしい物は無く、雑誌や電気小物類以外はまるでなかった。

「うわぁ 乾電池もねえよ……まいったなぁ……」

 しかし、渡は現状を深刻に受け止める事無く、次のコンビニとネットカフェを探しに出た。

 渡は運の良いことに、出会うゾンビ達は少数で、囲まれた事が無い。

 コンビニを7店舗も渡り歩いた辺りで、やっといくつか品揃えのあるコンビニに入れた。

「しかし、生きている人間に会わないのは何故だ? いくらなんでも誰かしら居るだろう?」

 コンビニの中を買い物かごを持って、物色している渡。

 渡は気づかない、品揃えの豊富なコンビニと何も残っていないコンビニの違いに……

 コンビニのバックヤードから3体のゾンビが渡の存在を察知して、やって来た。

「う"お"~」「ア~」「う~~」


 渡はビックリして、大きな悲鳴を上げた。

「うわぁぁぁぁぁ!」

 慌てながらも一番近くにいるゾンビを鉄棒で殴る、しかしゾンビにダメージを受け止める様子は見られない。

 渡が苦戦している間に、渡が悲鳴を上げた影響で、バックヤードからさらに数体のゾンビがでてきた。

「だ、だめだぁ!」

 商品の棚を崩して、なんとか脱出する隙を見つけた渡は一目散に逃げた。


 ……
 …………
 ………………

 幸運にもゾンビ達から逃げ延びた渡は、念願のネットカフェに逃げ延びた。


「ちっっくしょうっ! 停電でネット使えねぇぇぇぇぇ!」

 渡は心を切り替えて、軽食類をかき集め、明るい場所を選び、大量の漫画本を抱えて、休むことにした。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 七日目 (5月11日)

 渡の体に異変がおきた。


「あれぇ、なんか体の調子が悪いなぁ……ゾンビ物のマンガを読みすぎかな?」


 渡は現状の対策をゾンビに物の漫画を見る事で、対策を練ろうとしていた。

 内約は『ゾンビ恋愛物』『学園ゾンビ物』『ゾンビ刑事物』の漫画本で、完全に的外れだった。


 しかし馬鹿な渡でも、『怪我』と『不調』の単語からある事が思い浮かんだ。
 それは『感染』の2文字だ。

 渡は自分の腕にある2つの傷を見る……触ってみる。
 痛くない、まさかもう感染してるのか?
 不安気な渡だった。



 時間もだいぶ経過し薄暗なってきて、漫画が読めなくなった時間帯、渡の具合は本格的に悪くなっていた。


 既に渡の意識は無く、うなされている……

 渡はうなされながら、幼少時代の夢をみていた。


 ~~
『我が息子……渡は残念だが馬鹿だ……このまま普通に育ててはまともな大人にならないだろう……』

『どうします? あなた』

『レールを敷こう……今から徹底的に鍛え上げ、将来、私たちがいなくても、辛い思いをせずに生きていける環境にぶち込もう』

 それから、多彩な格闘技を習い、塾にも通った。
 出来ない事があれば出来るまでやらされた。
 そして休日は、遊びと言う名の拷問、『ブロックで飛行機とロボット作れ!』と言われて出来が悪ければ何度もやり直しをさせられた。

 成長してからも、高度な工作もやらされた。

 そんな、両親との地獄の日々を思い出していた。
 もう、忘れたはずの苦い記憶だったのに……
 ~~


 翌朝……

 渡は目が覚めた。

「ふう……よい寝覚めだ……しかしなんだ? 体が軽い……力がみなぎる……頭がすっきりした感じもする」

 渡は腕を見る……

「傷が治っている!?……俺はゾンビにならずに済んだみたいだな」

 渡は改めて、これからの自分の行動を考えた。


 もう今はまともな世界じゃ無いんだ。
 今生きている人達を探して、協力して生きよう。
 そして余裕が出来たなら、父さんと母さんも探そう。

 ついでに彼女も作ろうかな……なんで父さんは、あれだけ俺を鍛えたのに、女性の口説き方を教えてくれなかったんだろう。

 でも、今の僕に策がある……こんな世の中だ……大部分の男共は自己中心的な嫌な男になってるだろう。

 俺は日々頑張るだけでモテモテになるはず……。


 渡は既に次の目的地を決めている。
 軽い足取りでネットカフェを後にした。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ここは 某ホームセンター。

 渡はここにたどり着くまで、10体のゾンビと遭遇した。

 その10体との遭遇で、ゾンビの特徴をある程度理解した。

 ①ゾンビは目が悪い。
 ②ゾンビは音に対して敏感だ。
 ③ゾンビは力が強い。
 ④ゾンビの動きは鈍い。
 ⑤ゾンビは食欲だけで動いるかも(予想)
 ⑥ゾンビは押す、引く、掴む、噛む、叩く以外の動作は出来ないみたいだ(予想)

 既に少数のゾンビでは、渡にとって驚異にならない。
 しかし、ゾンビ達から逃げれると言うだけで倒す術は持っていない。


 渡は油断すること無く、このホームセンターで、ゾンビ対策アイテムを考え作成していた。

 そして、3つのゾンビ対策アイテムが完成した。

 1つ目は大型の虫網の様な物だ。
 この虫編みでゾンビを被せ、ワイヤーを絞ると対象の両腕を拘束出来る仕組みだ。

 2つ目は大型のマジックハンドの様な物だ。
 このマジックハンドで脚を掴み、対象の移動を困難にする仕組みだ。

 3つ目は頑丈な2mの棒にU字のフックを取り付けただけの物。
 ゾンビの単調な動きを想定して、ゾンビから身を守る道具だ。
 
 そして、大型のハンマーを用意して少数のゾンビを探しに出掛けた。


 幸運な事に、2体のゾンビを渡は見つけた。


 ゾンビの脚が交差する瞬間を狙い、両膝の拘束に成功した。

 ゾンビは簡単に倒れてしまった。
 渡の睨んだ通り拘束を外そうとする知能は無い。

 もう1体のゾンビを軽やかに避けながら、虫編みを持ち構える。

「あっ……」

 ゾンビは両手を前に付き出した姿勢で迫っている。
 これでは虫編みが腕まで入らない……

「虫編みは失敗か?」
 と言いつつゾンビとの距離を取ると、ゾンビの両手をはだらりと、下がる……

「今だ! 」

 ゾンビに虫編みを被せる事に成功した。
 そして、虫編みを被ったゾンビにドロップキックをお見舞いする。

 ゾンビ2体は、拘束をほどく事が出来ない。
 力は強くても、拘束紐を引きちぎる力は無いようだ。


 芋虫の様に迫るゾンビに、
「ごめんな……ふん!」

 ハンマーで頭を叩き割った。
 するとゾンビの活動が止まった。

 やはりゾンビの弱点は頭なのだ。


 渡はゾンビに対する事項を増やした。
 ⑦ゾンビは人に近づくと手を前に出す習性があるみたいだ。

 虫編みの柄の部分を2mに改良して、出来る限り大量生産した。

 大量に作ったゾンビ対策アイテムを、自作のリヤカーに乗せ、まだ生きているはずの人間を探すため、ホームセンターを後にした。



~こうして 100万分の1の確率で『抵抗者(ウイルスレジスタンス)・荒波 渡』が誕生した。

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