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異世界に巻き添え召喚されました 作者:鹿鳴館

二章

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64#衝撃 ギガストラム 後編

◇セリアの村◇

マーニャ視点

今日は お姉ちゃんと真の結婚式、村中のみんなに祝福され、村一帯がお祭り会場となっていた。

今や真は、国王さえも認める散水師となっていた。
そして王都に住むように何度も特使が来ていたが、真はそれだけは断っていた。

お姉ちゃんも、シラネの町の指定治癒師となっていたけど、拠点はセリアの村だった。

ブライとユリウスもA級冒険者として、国中を駆け回っている

お姉ちゃんと真の披露宴は夕方になっても盛り上がったままであった。

そして夜……

いつもの5人で村長の家に集まっている。

みんなとの談笑も一区切りついたた時、ボソリと真が呟く。
「あれからもう3年か……懐かしいね……」

「うん……」


「マーニャ、本当に行ってしまうのか?」
ブライが寂しそうに聞いてくる。


「うん……ずっとこの日のために頑張ったんだもん……お姉ちゃんと真も結婚式も見たし、もう心残りは無いわ」

「しかしマーニャ、本当に移動できるのか?」

私はギルドカードを見直す。
そこには『1度だけ任意の場所に瞬間移動する……マーキングは粘膜接触をした対象のみである』

と書いてあった。


「うん、これに書いてある事が事実なら、みんなとは永遠にお別れだね……でも私はお兄ちゃんを選ぶの……」


「さとみ、今までありがとう、行っておいで……」

「マーニャ、法術は心の力とセンスだ」
真が話す。

「わかってるっての」
と私は、親指を上に突き出した。

ブライとユリウスが何かを持って来た。
「これは、オレ達からのプレゼントだ、迷宮で見つけた次元水筒と次元重箱だ、こんな小さいのに10日分飲み水が入るし食べ物も10日分あるし、しかも腐らない……もうアーデルの水も入れてある、重箱にはマーニャの好きな卵焼きを積めてみた」

「ありがとう、でも卵焼きだけで、10日分ってどうなの?」
ブライとユリウスのセンスにはビックリする。


「のぞみ、これは私と真から」

私はお姉ちゃん達から金袋を貰った。
中には、金貨50枚に銀貨150枚入っていた。
もう、お金なんて……私その10倍はあったのに……
私は、長旅には邪魔だと思い、お金の殆どを村に寄付したばかりだった金貨10枚と銀貨10枚を懐に忍ばせて……。


「これはね、神器の1つで重さが10分の1になるのよ、ガルさんが持ってたバッグよりは見劣りするけど……」

「ありがと、お姉ちゃん……」
ちょっと泣けてきた……でも、私は全てを捨ててお兄ちゃんに逢いに行くの。
そして、肉食女子になるのよ。
まったくお姉ちゃんと真ったら私の隣の部屋で事あるごとにイチャイチャして……こっちは、もう欲求不満なのよっ! 私は拳を握りしめる。


そして、私はもう一度覚悟を決め直す。
「じゃみんな、行ってきます 」
私は、どっかの軍隊みたいな敬礼をする。
そして、ギルドカードにお兄ちゃんの所に行きたいと念じた……金色の光が私を包み込むまで念じた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◇マクリード国、鉱石坑道の付近◇


ランディは困惑していた。

突然出てきた可愛美(かわうつく)しい女性が目の前で泣いてる……しかも『お兄ちゃんのバカァ』と……この声と口調には心当たりが合った。

だが、その心当たりと外見が合わない……いや改めて見るとマーニャに良く似てる、しかもマーニャを美味しく実らせた様な感じだ……
だが、どんなに似ていても、マーニャとは違う、何故なら、今いる彼女はどう見ても20歳前後の外見だからだ。

困惑している最中に、泣き止んだ女性が苦情を言う。
「お兄ちゃん、たった3年で私の事を忘れるなんて酷い!」

(う~ん 僕、融合してから約半年しかたって無いんですが……)

ランディの『?』マークの表情に、痺れを切らした女性は「もう、私よ私! マーニャ! 思い出してよ、お兄ちゃん!」

「あのう……僕の知ってるマーニャは、そんなに美人じゃないんですけど……」とランディは答えた。

「えっ!? 美人? そんな……お兄ちゃん、急にやだ……」デレるマーニャ。


そこで、リメインズ軍の隊長が我に返る。

「はっ、ギ、ギガストラム男の攻撃を再開しろ!」

そして兵士に「男が倒れ次第、女を確保!」と命令した。

ギガストラムから光線が吐き出される。

「ぐっ……」
(しまった、僕……大ピンチだったの忘れてた……)


「お兄ちゃん!? 何なの? このセンスの無い石像は? よくもお兄ちゃんにぃぃぃ 砕け散れぇぇぇぇ火炎弾!」


マーニャの攻撃は、1体のメガストラム命中する。
メガストラムは一瞬炎に包まれるが、炎はすぐ消滅してしまう。


マーニャの得意技の火炎弾を見て、ランディもようやくマーニャと認めたようだ。
「本当にマーニャだったのか……あの石像は物理防御と魔法防御がかかってる、防御力だけなら真達と戦ったあの魔族よりタチが悪い、今なら僕が囮になれるから、逃げてく……」

ランディの言葉を遮るようにマーニャが叫ぶ。
「バカ言わないで! お兄ちゃん! 足手まといになるくらいなら、ここまで来ないっての! これが修行の成果よ……いっけぇぇ 魔破 火炎弾!」

「魔破!?」
さすがのランディも驚いた、何故なら『魔破』とは、高度な魔法耐性を持った魔族をあっさりと突き破る程の威力を持った魔法の称号だからだ。

マーニャの『魔破 火炎弾』は先程の『火炎弾』よりも速い速度でメガストラムに命中し、炎を巻き上げてくだけ散った。


「「何だと!? 」」
隊長と副官が揃って驚愕した。
隊長と副官はメガストラムの魔法強度を知っているのだ……「あの女は何者なんだ? あの見たこともない魔法は……メガストラムは『黒魔光破』ですら耐えられるんだぞ……あの女の炎には『魔天黒龍破』並の威力があるのか……」

副官が叫ぶ「お前ら! メガストラムにあの女を攻撃させろ!」

メガストラムの担当兵士が口々にマーニャを攻撃するように命じる。


メガストラムの光線がマーニャに向かって降り注ぐ。
マーニャに攻撃が当たる寸前、ランディが身体を張ってかばう。

「お兄ちゃん!」

ランディはこの時気づいた。
(相手のビーム攻撃、回避は出来ないが、身代わりなら出来る)と


一方、香織とリリスは離れた場所でこの様子を見ていた。
リリスがランディのピンチになる度に出て行こうとするので、必死になだめていたのだった。

「うそ……あの炎……マーニャちゃん!?」


この後、ランディとマーニャの消耗戦が始まった。

隊長と副官は自分にマーニャの炎の攻撃が来るのを恐れ、ギガストラムを1体づつ防御にまわし、残りの1体の光線と 隊長と副官の『魔光破』がランディに……そしてメガストラムの光線はマーニャに……しかし、これもランディが庇う形で攻撃を受ける。

マーニャの魔法攻撃をメガストラム、ギガストラムにむけて、 魔法攻撃が交差する。

だが、マーニャの『魔破 火炎弾』すらギガストラムは防いでしまう。

「何? 何なの? あの青銅色のバケモノ……『魔破』の魔法でも効かないの!?」

しかし、リメインズ軍の隊長と副官も、ランディとマーニャを化物扱いしていた。

マーニャは10体のメガストラムを破壊し、ランディは魔光破を始め、30回以上の攻撃を1人で受けていた。


だが、ギガストラムがいるかぎり勝利は時間の問題とリメインズ軍の兵士は誰もが思っていた。

それは、マーニャも同じであった。
(お兄ちゃん……口から血が漏れてる……いくらお兄ちゃんでも、これ以上攻撃を受けたら死んじゃう……何とかしなきゃ)


マーニャは真との訓練を思い出す。
~~~~

「ねえ真、あの文献に無い魔法はどこで覚えたの?」

「想いの強さと、かっこ良さかな……」

「なにそれ」

「ご、ごほん、い、今から見本を見せるから、誰にも言わないで」

「はぁ?」(いったい真は何、訳わからない事を口走るのかしら……)

「す~ぅ……里見、好きだぁ!!」
バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!
水の刃が周囲の木々を薙ぎ倒す。

「なっ、あ、え?」
私は、本気で驚いた。

「誰にも言うなよ……これがキッカケだったんだ。でも、これは恥ずかしいから、どんどんしっくり来る名前を付けて叫んでみたんだ……マーニャもやってみる?」

「うっ……」
(さすがの私も抵抗がある……でも、私が一皮剥けるための訓練よ……)
「真、ちょっと尊敬したわ、そしてドン引き……すぅ~~お兄ちゃん大好きぃぃ!!」

ドカン! ドカン! ドカン! ドカン!
辺りに強力な炎が4発飛んでいった。

「うわ~ 本当に出来たよ……この世界の魔法の仕組みを疑うわ……」

「うん……あとは、自分に合う決め台詞を考えるだけだよ……でも……」

「でも?」

「この、山火事何とかしなきゃ……」

「…………」

~~~~

(よし、どこまで私の魔力が持つか勝負よ!)

マーニャが叫ぶ。
「魔破、火炎陣(かえんじん)!」

3体のギガストラムが、同時に炎に包まれる……
「す、凄い……」
ランディが思わず声を漏らす……

しかし、ギガストラムは炎の中から ランディに光線を放つ。

「ぐっ…………」

(お兄ちゃん!?)
「このぉぉ、魔破、爆炎燼(ばくえんじん)!!」

灼熱の炎がギガストラムを襲う……
しかし、マーニャの攻撃はまだ止まらない。

「魔破、灰塵流(かいじんりゅう)!!!」
渦をまく炎の槍がギガストラムに命中する。

マーニャの火炎3連攻撃は、ランディや兵士達を完全に黙らせる程凄まじさだった。


あまりの高温の炎に、ギガストラム中心に小規模のファイヤーストームが発生していた。
……
……
……
……
……
……
そして、しばらくたち、ファイヤーストームは消えた。

そこには悠然と立ち尽くすギガストラムの姿があった。

その姿を見て、隊長が興奮する。
「そ、そうだ、ギガストラムは無敵だ……驚かせやがって……ギガストラム! 女から殺せ!」

しかし、ギガストラムは何の反応もしない……

「どうした? ギガストラム? 何故反応しない……ギガストラム!…………ま、まさか……」
ギガストラムは姿こそ残していたが、機能は完全に失われていた。


魔力が枯渇して座り込むマーニャ、それと同時にランディが隊長に向かって走り出す。


慌てた隊長が魔法を唱える。
「はっ……我が力、魔の下に凝縮し魔光となり弾けよ。魔光破!」
おびただしい数の細い光が、隊長の左手の先に集まり直径30cm程の禍々しい光の玉に膨れ上がり、光線となった。

しかし、ランディは攻撃を受けても全く怯まない。

「この化物め! いったい何回攻撃すれば倒れるんだぁ! 」
ランディに接近を許した隊長はなすすべも無く、ランディに倒される。

それを見た副官は「た、退却……退却だぁ!」

副官は全兵士に退却命令を出す。
そこで、ランディに捕まってしまう。

「う、うわぁ 我が力魔の下に凝縮し……ぐぼぅ!
、ぐぎゃっ、ギャフン!」
副官も倒れた。


「あ、悪魔だぁ! 逃げろー!」

散り散りなって逃げて行く兵士達、それを追いかけ1人づつ始末するランディ。

ふと、1人の兵士が何も無いところで転倒する。

「なっ?」

すると、何もなかったはずの場所から、1人の少女が姿を表す。

それは今まで我慢に我慢を重ねて待機していたリリスが、足を引っ掻けていたのだった。

そして、倒れた兵士が突如痙攣する……
兵士の首はナイフのような鋭い刃物で切られていた。

そこに、もう1人の女性が現れる。
「ごめんね、人を殺すの抵抗あるんだけど……ランディの敵だもの、仕方ないよね」
と、呟く女性はリリスと同じく待機していた香織だった。


2人の援護もあって、ランディは1人の兵士も逃がさずに倒すことが出来た。


そして、疲れきってるマーニャに集まる。

ランディはマーニャに優しく微笑みかける。
「マーニャ……本当にマーニャなんだな……」


「うん、お兄ちゃん久しぶり……ずっと会いたかった…………うわぁぁぁぁん」

マーニャは疲れきった体に鞭を打って、ランディ
抱きつく。

「私、私3年間ずぅぅっと頑張ったんだよ、すぐにお兄ちゃんに逢いたかったけど、足手まといにならないように、頑張って、頑張って……そして、お姉ちゃんの幸せも見届けたし、全てを投げ出して、逢いにきたの」

香織がビックリしながら、会話に交ざる。
「マーニャちゃん!? 3年ってどういう事?」

ランディも「そうだマーニャ、3年間頑張ったって精神と時の部屋でも入ったのか?」

「お兄ちゃん、それ私にしかわからないと思う……でも、なんで3年、3年って驚いてるの?」


「マーニャちゃん、まだ私たちマーニャちゃんと別れてから、まだ3ヶ月くらいしかたってないのよ」
今度はマーニャが驚く番だった。
「えっ? 3ヶ月? そういえば、お兄ちゃんも香織さんも全くかわり無いですね……でも本当に3ヶ月しかたってないんですか?」

「うん、そうだよマーニャ」

リリスがモジモジしながら会話に参加する。
「あのぅ……ランディ、この人はだぁれ?」

マーニャもようやく、リリスの存在に気づいて、
「私はマーニャ、お兄ちゃんの恋人(候補)だよ、あなたは?」

「私は、リリスって お姉さんもランディの恋人なの?」

マーニャ『も』の一文字に反応した。
「『も』? まさか香織さんに続いてこの子もモノにしちゃったの? お兄ちゃん?」

ランディは心のなかで、反論する。
(僕、恋人なんて1人もいないんですけど……確かに香織ちゃんは大好きだけどね、もう5回くらいイチャイチャしたし……)

「私は恋人って訳じゃなくてランディの主って言うか、でもずっと一緒にいるって誓いあったよ」

ランディはさらに反論する。
(いつ僕がそんなこと誓いましたか? リリスたん)

「ずっと一緒って、もう夫婦じゃん、お兄ちゃん手が早いよう……」

(いやいやいやいや、結婚とかしてないし、話がおかしな方向に進んでますよ……)

マーニャはキョロキョロしてから、「お兄ちゃん、ところでガルさんは?」


ランディはハッとした。

「ガルゥゥゥ いったい 何処で何しとんだぁぁぁ! 死ぬとこだったつうの!」

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