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異世界に巻き添え召喚されました 作者:鹿鳴館

五章

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152#迷いの森

 ランディと一緒に昇級(ランクアップ)クエストをクリアしたパーティから、合同クエストの誘いを受けたランディは、受けるクエストを聞いてみた。

「聞けば、ランディのパーティはダンジョンばかり潜っているみたいじゃニャいか。 しばらくすると、年に一回の大きな祭りが始まるのニャ。 その食料として使う『ブタシシ』の肉が大量に必要になるニャ。 だからこのクエストを一緒に受けるニャ」

 ジャカルタは、クエストボードをにある『祭りの準備』に向かって、ビシッと指を差す 。


 ランディは少し考えてから、
「わかった、マリオネットさんに言って、クエスト受注しよう」

 すると、ジャカルタの背後いたジャルミネが嫌そうにジャイコに話す。

「もしかして、女五人じゃ足りないの? あたしもハーレムに入れる気なの。 ジャイコも気を付けるの」

「おいおい、人を誘っておいて、その仕打ちは酷いの。言葉の撤回を要求するの」

 ジャルミネの真似をしながら、抗議するランディだった。

 チームワークの不安を残しながら『ランディパーティ』と『フォースターズ』はFランククエスト『祭りの準備』を、受注した。

 今回のクエストは、受注者にブタシシを運べる、荷運び車を、無料で貸し出している。
 もちろん、壊せば弁償になってしまうが。

 貸し出している荷車は大きく、ブタシシを四頭運べる容量を持っている。

 ジャカルタのパーティは一台、ランディのパーティは二台、荷車を借り受けた。

 ジャカルタの作戦では、移動に一日弱、森での捜索に丸一日、帰りの移動に一日~一日半の、三、四日の行程で予定していた。

 ランディ達、地下迷宮の三階で少し狩りをした後、手に入れた魔石を換金して、旅支度をした。

 エフィス達に、このクエストで少し家を空ける事を伝えたら、娘たちに寂しがられていた。

 ……
 …………
 ………………

 翌日、ランディパーティとジャカルタパーティは、都市から近い距離で、ブタシシが多く生息していると言われている『森』に向かって移動した。


 ランディ達は道中、空の荷車を引いているパーティを三回も見かけた。

 話しかけると、一様に同じ事を言っていた。
「おかしい、今年はなかなかブタシシが、見つからない。 去年は同じと考えて、水と食料を少ししか持ってこなかったのが、失敗だった」

「今年はどうなってやがんだ、丸二日も探して、一匹も見つからねぇ」

「半月前にこの森に来た部隊も、例年の半分も見つかってなかったらしい、もっと遠くの森に行けばよかった」

 とブツクサと愚直っていた。

 ……
 …………

「思ったより早く着いたニャ、少し森に慣れるために、二時間ほど入るニャ」

「解ったよ、ニャーさん」

「……早くも、その呼び方に慣れてきたニャ」

 森の中はかなり深く、人や獣が踏み潰して出来た道から外れると、すぐに迷ってしまいそうなほどの密林だった。

 森から戻って来た、ランディ達はジャカルタ達と合流して、話し合っていた。

 ……
 …………
 ………………

 翌日、ランディは朝から森の中に入っていった。

 一時間ほど歩くと、ランディが皆に現時点で解った事を話した。

「この森は方位磁石でも持ってないと、迷うような密林だね。 まあ、この世界に磁場があるか判らないけど、この獣道は迷いやすいように意図的に造られていると見ました」

「意図的に? 迷路なら、ずっと片側を選択すれば攻略出来るよね? 」

「香織ちゃん、この道は大きな8の字を幾つか組み合わせて造ってあると思う。 だからその方法じゃ無理かな」

「お兄ちゃん、なんでそこまで解るの?」

「感ですが、何か?」

「マーニャ、主殿のは人知を超えておるのじゃ」

「吸血姫に、人知を超えてると言われてもなぁ」

「そう言うひなたも、エルダーゾンビってらんでぃが言ってたよね?」

「で、ランディは対策とかあるの? 」

 香織の言葉に、ランディは親指を立てる。

「カミーラとひなたんが、ソードを使って、バッサバッサと道を切り開いて下さい。 適当に進んだら僕が『人物捜索』呪文を使います」

「ねえランディ、ブタシシって人物なの?」

「うっ……たぶんいけるかなぁって……ちょっとなんで、みんなジト目で僕を見るの? さあ、行くよ!」


 カミーラとひなたが、密林を切り開く事十分、ランディは呪文を唱えた。
「第7レベル呪文……人物捜索LVⅡ」

「つっ、第7!?」
「お兄ちゃん? 第7?」
「えっ? 何? みんなどうしたの?」
「ランディが第7レベルの呪文を初めて使ったぁ」
「ぬっ? 主殿は今までは第6レベルまでの魔、呪文までしか使用出来なかったのか?」

「あっ、いい忘れてたわ……おっ、反応した……あっちだ、行こう」

「人物捜索で不特定の動物が見つかる……主殿はなんでも有りか?」

「カミーラさん、気にしちゃダメだよ」

 暫く歩いて行くと、整備された道に出た。

「舗装されてる?」

 光の道は、ほぼ舗装してある道と並走していた。

 そして、光りの道が十数本に分かれていった。
 ランディは、これをみて集落の可能性がある、しかも密林に迷路を造ることが出来る、規模と頭脳を持った集落があると。
 そして、さらにこう思った。

 もし、集落が大きく、全体を敵に回したら……マーニャに本気を出してもらうの不味い、ならば戦力の補充は強力すぎるが、アレを使おう……と考えていた。

「リリスたん、ちょっと強敵の予感がするから、裏リリスたんに手伝ってもらうね」

「うん、わかった」

 リリスは素直に頷く。
 ひなたとカミーラは、夜に声色の違うリリスと何度か会話した事はあったが、その真の力を見たことはない。

 なので、ランディの行動に理解が追い付いていない。

「第6レベル呪文……リバース……リムーブカース」

 と唱えリリスに触れた瞬間、一気に気圧が変化したと共に『キーーン!』と耳鳴りを周囲の人々は感じた。

「うわぁ」
「なに!?」
 後ろにいるひなたとカミーラが小さな声を上げる。


 ピキ……ピキッ……ピキキキ……
 リリスを中心に、何かがひび割れる様な音がする。

 パキ……パキパキ……パキキ……バキッ
 その音は、少しづつ大きくなっていく。

 パキバキ……バキッ……バキリ、バキバキッ……
「空気が……大気が割れるじゃと!?」とカミーラが言う。

 バキバキバキバキッ……ガッシャャャャャン!!

 またしても気圧が一気に変化する。

『ランディ……この状態で会うのは、久しぶりじゃの。 しかし、(わらわ)が必要な場面かの?』

「うん、僕のいくつかの予想が、最悪のパータンだった場合、リリスたんがいると助かるんだ」
(うわぁ、なんか話し方がカミーラと被るな、声色は全く違うけど。 それにマーニャに任せたら、火の海になっちゃう可能性があるからなぁ)

 ランディがマーニャをじっと見つめていたら、マーニャと目が合い、マーニャがデレていた。

 ランディ達は、それから間もなくして、集落を見つけた。

 その集落はゴブリンの集落だった。
 そして集落の入り口には、五人のゴブリンが守備兵として立ちはだかっていた。

 地下迷宮のモンスターとちがい、瞳は赤くなく、知性もあった。
 その証拠に、守備兵のゴブリンは人語を話してきた。

「隠れ里『ゴズリ』へようこそ。 だが、族長の許可なしに、中には入れない。族長を呼ぶから暫し待て……」

 守備兵のゴブリン一人が奥に行ってしまった。

「らんでぃ、ごぶりんさんって、顔は面白いし、いい人なんですね」

 ランディは無言だが、脳内で突っ込みを入れていた。
(リリスたん、あなた悪い人に騙されますよ? 僕は他人の悪意に敏感だから、めったに使わないけど、たまには使いますか。 せっかく一日一回覚えれるんだからな)

「第3レベル呪文……ディテクトイービル」

 ランディは多数の敵対反応を確認した後、もうひとつ呪文を使った。

「第5レベル呪文……テレパシー」

 ランディは念話を使い、みんなと会話する。

(あー、あー、聞こえますか? 聞こえますか?)

(あっ、頭の中にらんでぃの声が)
(ほう、これが主殿のテレパシーと言うやつか)
(ランディ、なにかあるのね)
(ランディの悪巧みの気配がするぅ)
(お兄ちゃんどうしたの?)

 因みに女性同士の念話は、成立していない。
 ランディとの相互念話のみである?

(報告です、敵対反応の数が半端ないから、合図をしたらガンガン戦ってくれ)

 ランディはみんなに説明し終わったあたりで、複数のゴブリンが、やって来た。

 そのうちの一人が話し出す。
()()よ、族長が会うと言っていた。 付いてくるがいい」


 ランディ達が集落の中に入ると、集落と言うより、村に近い規模の居住地があった。

 自然に生えてる樹木を利用して家を造っている。
 台風が来れば吹き飛びそうな屋根であるが、しっかりと作成してあった。

 集落の中には、ブタシシや他の家畜まで飼っているようで、集落の奥まで進むと、土を焼き固めたブロックを使って出来た、建物まであった。

 ランディはこの世界のゴブリンの認識を改めた。
(家畜に、レンガ、大木を大黒柱にした家、そして数種類の衣類、かなり頭がいいゴブリンだな)

 ランディの瞳には敵対反応を見抜く呪文をかけているが、一部のゴブリンにその反応は見られない。

 そして柵の中には、伝え聞いた姿をした『ブタシシ』が飼われていた。
(ブタシシが人間慣れ……ゴブリンなれしてる。僕はゴブリンをなめていたようです)

 そして、ランディ達が奥に進むと、今までより手の込んだ造りの建物が三つもあった。

 ランディは、真ん中の家が族長の家と判断し、両側の倉庫の様な建物に敵対反応が多数あるのを確認した。
(左右合わせて、四十人近くいる……リリスたんを覚醒させて正解だね)

 族長と思われる家の前には、オークが三人いる。
 真ん中の一人は緑色で、明らかに毛並みが違っていた。

 ランディは気づいていないが、両側に大剣を持っているオークは、ジェネラル級のオークで、真ん中に座してる緑色オークは『オークメイジ』の亜種で、キング級の強さを若干超えるほどの強さだ。

 この、圧倒的強さで、ゴブリンの集落の頂点として君臨していたのだ。


 案内役のゴブリンが武器を預かると言ってきた。

 ランディが『向こうも、武器を持ってるじゃん』と難色を示すと、オークジェネラルは武器を、別のゴブリンに預けた。

 ランディはこの行動を見て、警戒の度合いを一段階上げた。

 頭もいい上に、実力に自信がある。

「じゃあ僕達も武器を預けるので、見えるところで保管して下さいね」

 ゴブリンに話しかけた直後に、ランディはみんなにテレパシーを使い、指示を出す。

(リリスたん、左右に倉庫っぽい建物の中に敵がたくさんいます。 合図したら遠慮なく殺っちゃって下さい)

(ランディ、分かったぞ)


(マーニャさん、マーニャさん。 リリスたんの攻撃合図にマーニャも戦闘開始して下さい。 標的はリリスたんの打ち漏らしの相手を燃やしてあげて。 でも、周りに燃える物が多いから、火弾より強い魔法はだめだからね)

(お兄ちゃん、山火事になんかしないって。 了解)


(あー、あー、ひなたん。 合図が出たら、向かって右側のオークを殺っちゃって下さい)

(オー! 了解だぁ)


(カミーラ、連絡です。 戦闘開始の合図がでたら、左側のオークの始末をお願いします)

(主殿、武器を取られているので、全力でいくがよいか?)

(思いっきりやって下さい)


(香織ちゃん、連絡です。 あいつらはやっぱり敵だったので、合図のあと『ファイヤーボール』で、正面の家を燃やしてあげて。 その後は、消えてもらって、武器の回収を頼む)

(そう、やっぱりね。 作戦は解ったわ)

 裏で作戦を伝達しながら、ランディとオークの対談が始まる。

ひさしぶりの投稿なので、ランディ達の人格が変わってないか心配です。
+注意+
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