「その旅行ってさ」
「うん」
相槌をうちながら、何があったか思い返しておく。
けど訊かれたのは、ぜんぜん別のことだった。
「シルファ先輩、どうだった?」
「どうって……?」
何を言われてるのかが分からない。
「だから、シルファ先輩の様子。ヘンだったりしなかった?」
「ヘンっていうか……優しいけど、怒ってた……かな?」
おおむねよく面倒を見てくれて、お姉さんみたいだったけど、たまに近づけないほど怒ってたのを覚えてる。
「うーん、じゃぁやっぱりあの噂、ホントだったのかな?」
話を聞いたナティエスが、首をかしげながら言った。
「噂って……?」
「タシュア先輩とシルファ先輩が別れた、って噂」
どうやら寮で、仕入れてきたらしい。
「どっからそんな話、出てきたのさ」
「なんかいろいろ」
そう前置いて、ナティエスが噂の内容を話し始めた。
「最初シルファ先輩が、激怒して学院出てったらしくて」
旅行に行った、その日のことだろう。あのときはものすごい怒り方で、問答無用で連れて行かれた。
「しかもそのあと、シルファ先輩は行方不明。そのうえタシュア先輩も、単独でどっか行った上、独りで帰ってきてる。だから……って」
まくしたてるナティエスに、シーモアが突っ込んだ。
「でもそんだけじゃ、別れたって証拠にはならないじゃないか」
「それはそうなんだけど……でもルーフェも、シルファ先輩怒ってたって言うし」
ナティエスの言葉に考え込む。
シルファ先輩が激怒してたのは事実だけど、行方不明っていうのはあたしがシュマーの島へ誘ったからだ。それにタシュア先輩とも、その島で顔を合わせてる。
ただ会った瞬間いきなり物が飛んだから、ケンカしてるのは間違いなさそうだった。
けどそれが、別れるってとこまで行くだろうか……?
悩んでる横で、ナティエスがさらに噂を披露する。
「あとね、タシュア先輩が浮気した、って話もあったかな」
さすがに、シーモアと顔を見合わせた。
「そういうタマかい、あの先輩」
「違うと思う……」
上手く言えないけどタシュア先輩、そういうことはしない気がする。
「あたしもそう思うんだけど」
そこで一口ジュースを飲んで、ナティエスが続けた。
「タシュア先輩が、年上の美人と出かけて帰ってくるの、見た人がいるって。だからきっとタシュア先輩が浮気してて、気づいたシルファ先輩が激怒して、別れたんだろうって」
「全部違うと思う……」
なんだか腑に落ちない。なにより、「年上の美人」というのが、何か引っかかる。
「うーん、ルーフェ的にはやっぱりそう思う? でも見た人多いって言うし……」
「どんな人か、聞いてないのかい?」
シーモアに訊かれて、ナティエスが思い出すような顔になった。
「えーっと確か、年上で美人でグラマーですごい色気あって、人妻で金髪?」
なんか心当たりがあるのは、気のせいだろうか。
◇制服のイラストをupしました♪

お願いして描いていただいたものです
こちらは以前からのイラスト


なおイラスト等、随時募集中です♪
◇あとがき◇
新作を読んでくださって、ありがとうございます♪ いつもどおり【夜8時過ぎ】の更新です。
ここからリメイクでなく、完全な新作に変わります。
評価・感想大歓迎です。一言でもお気軽にどうぞ。