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Chapter:7 孤島にて
Episode:81
「休暇期間をどのように使おうが、私の自由だと思いますがね。
 私が約束を破ったということであればいくらでも責めは受けますし、シルファの機嫌も取りましょう。」
 前もって何かしら一言あれば都合をつけただろうし、ましてや無視して出かけたりは決してなかった。

「ただ、今回、私は彼女が旅行の予定を立てていることを知らなかったのですよ。
加えるなら、予定を開けておいてくれ、と頼まれてもいません」
 何かしていることに感づいていたのは事実だが、本人が隠そうとしていることを詮索するような真似はしない。それに詮索したところで、シルファはまともに答えなかっただろう。

「それを言ったらタシュア、あなたも同罪だわねぇ」
 カレアナが、可笑しそうに言う。
「予定を知らなかったのは、シルファも同じ。だからこそ、あなたと旅行に行こうと思ったわけだしね。」
 珍しく話を寄り道させず、ストレートに来た。

「ただあの子なら、空いているかどうかくらいは、訊いてきたんじゃないかしら? なぜその時に、予定があると言ってあげなかったの?」
「聞かれていませんが?」
 何かそういう話があったのならともかく、何もなかったのだ。訊かれもしないことなど、分かるわけもない。

「あら。じゃぁどこで空いてるって知ったのかしら」
「予定表でしょう。夏期休暇中の上級隊の当番は、発表されますからね」
 それを見て「空いている」と思い込むのは、どうかと思うが。

「なるほどね。でもそれにしたって、タシュアあなたいったい、何処で何してたの? 1人で観光なんて洒落たこと、するガラでもないでしょうし」
「その一人旅です。殺伐とした任務が多いものですからね、人気のないところに行きたくなるのですよ」
 カレアナが笑い出す。

「その割には、ずいぶんと人の多いところへ行ったわねー。まぁ目当ては、例の武器商でしょうけど」
「さて、何のことやら」
 そう返したが、やはり調べあげていたようだ。この調子では向こうで誰と会っていたかも、分かっているのだろう。

 それを裏付けるかのように、カレアナが訊いてきた。
「あそこをシルファ絡みで突付くなら、いろいろ必要でしょ。口の堅いとこ、手配するわよ」
「そのシルファですが、いつになったら私の質問に答えていただけるのですかね?」

 一瞬の間。
「なんだっけそれ」
 本気で帰ろうかと思う。サリーアのほうも、呆れ顔だ。

「ですからおばさま、シルファさんのご機嫌を誰が取るのか、の話ですわ」
「あー、そうだったかしら?」
「正確に言えば私に何をしろと、という質問ですがね」
 これでよく、前線で生き延びられるものだ。しかも答えは、さらにあらぬ方向へ行った。

「その件、もう置いときましょ。シルファはうちで預かる、これでいいじゃない」
 今までの話を、たったこれだけですべて無しにしようとする。

「タシュア、あなたは今晩はここへ泊まって、明日にでも帰ればいいわ。桟橋のところで誰かに言えば、船を出してもらえるから」
「『勝手』という言葉を、そっくりお返ししたいですね」
 連れてこられたうえ、時間の浪費としか思えない議論をさせられ、挙句に帰れというのではたまらない。身勝手にもほどがある。




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