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Chapter:4 ノネ湖にて
Episode:49
「見えると……困るんですか?
――あ、たしかに狙撃されたら、困りますね」
「……」

 戦闘向きはいいとして、このズレ加減はやはり問題だ。
 同時に、まず着替えさせようと思う。中途半端な状態で止まっているのは、「見えているだけ」よりさらに悪い。

「と、ともかく着替えて。急がないと、いけないだろう?」
「あ、はい」
 素直なこの子が、いそいそと服を着る。

 その間に私も、急いで必要なものを出した。とはいえ任務で来たわけではないから、用意できるものは限られている。
 少々心もとないが、手持ちでどうにかするしかなかった。もっとも精霊と武器はあるから、何とかなるだろう。

「ルーフェイア、行けるか?」
「はい」
 あっという間に戦闘態勢になった後輩を連れて、部屋を再び出る。
 だがルーフェイアが、私を引き止めた。

「あの、先輩、武器は……?」
 私が手ぶらなのを、いぶかしんだらしい。
「そういえば、ルーフェイアは見たことがなかったな」
 言って、手にはめていたブレスレットを見せる。

「えっと、あの、これ、武器ですか?」
「まぁ、そうだな」
 そう答え、部屋から少し先、広くなっている場所まで来てから、私はブレスレットを外した。
 手のひらの中に、光りが灯る。

「すごい……」
 ルーフェイアが声を上げるのも、無理はないだろう。ブレスレットが淡い光を纏いながら、形を変え、大鎌サイズへと変化したのだから。

「便利、ですね♪」
「そうでもないぞ……」
 この子は何か期待しているようだが、これはこれで意外と不便だった。

「不用意に外すと、元に戻る。だから……場所によっては、危ないんだ」
 海やプールでうっかり外れでもしたら、大変なことになる。ルーフェイアの表情が一瞬強張ったのも、似たようなことを想像したからだろう。

「携帯にはたしかに便利だが、常にはムリだな」
「ですね……」
 事実安全を考えて、外して問題のなさそうな場所に置いておく事は、けっこう多かった。それも可能なら、武器に戻して置いておくくらい、扱いには気を使う。
 まぁそれでも持ち出すのが簡単なだけ、この大きさの武器としては扱いやすいほうだろう。

「でも……これ、あの、どうなさったんですか……? ふつうに手に入る武器じゃ、ないですよね……?」
 武器のこととなるとルーフェイアは、興味が尽きないらしい。

「精霊かなにかと、関係が……?」
「よく分かったな」
 この子の知識の広さに感心しながら、話だす。

「私の使っている精霊が、いるだろう? 彼女に、もらったんだ」
「もらった……」
 ルーフェイアが目を丸くした。




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