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Chapter:1 学院にて
Episode:14
――あ、でも、少し違うかな?
 この間は行きも帰りもシュマーの高速艇だった。
 そう思うと、ちょっと楽しくなる。この列車に乗ったのは、イマドと一緒に学院へ来たときが初めてだった。

 あれ以来、あたしの生活は一変した。
 本当に、ぜったい無理だと思ってたことが叶って、夢みたいで……。
 と、先輩が立ち止まった。

「あの……?」
「チケットだ」
 それだけ言って、先輩が列車の切符を差し出す。
 行き先は、首都のイグニールだった。出発時間はお昼過ぎだから、まだ少し先だ。

「――先輩」
「なんだ?」
 少しひるんだけど、今を逃したらさすがに後がないような気がして、勇気を出してたずねる。

「あの、連絡だけ……してきて、いいですか?」
「え?
――あ!」
 先輩が、初めて気づいたという表情になった。

「その……来て、平気なのか?」
――えっと。
 平気じゃなかったら、付いて来れないと、思うんだけど……。

「えっと、あの、行くのは平気です。
 でも……あの、一応連絡しないと、いけないと思って……」
「学院にか? それなら、私から言おう。そのほうがいいだろうから」
 先輩、少しいつもに戻ったみたいだ。

「あの、そしたらあたし、知り合いのほうに連絡してきます」
 どこへはともかくとして、いなくなること自体言わずに行方不明になったら、実家から捜索隊が出されかねない。
 冗談抜きで、それだけはやめて欲しかった。

「――ルーフェイア」
 先輩が少し視線をそらせて、訊いてきた。
「本当に……いいのか?」
「はい!」

 これだけは、はっきりと答える。
 どこへ行くのか、分からないけど。でもどこかへ旅行できる。それだけで嬉しい。
「――そうか」
 先輩が、安心したように微笑んだ。

「連絡してくるといい。まだ出発までには時間があるから、そうだな――」
「あ、でも、すぐ終わりますから」
 本当に連絡するだけだから、いくらもかからない。

「分かった。そうしたら、もう一度ここで落ち合って、少しゆっくりしてから昼食にしよう」
「了解です」
 なんだかうきうきしながら、あたしは連絡するためにすぐ近くの、シュマーの隠れ屋へ向かった。





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