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スクールボランティアクラブ! 作者:俺のもう一人は私だった
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人間は疲れる

「・・・・・・これで泣いたの二回目です…何回泣かせる気ですか…」

「・・・その言い方だとまるで俺が泣かしたみたいな言い方になるからやめろよ…」

暫くしてようやく泣き終わった明乃なわけだがそう泣き終わってから直後つい最近にも泣いたばかりがまさか今先ほども泣かされるとは思わなかった為に拗ねるようにしては顔隠していた

「あ、あはは…な、泣くことは体に良いですから泣いた方が良いと思いますよ?えっと、体もすっきりしますし!」

泣かしてしまったとそう思っている為なのか雪奈は苦笑いしてはそう明乃へ助言、全くとは言えないがあまりフォローになれていない事に聞いていた陽太は声出さず微笑

「・・・はぁ…部長としての威厳など最初から無かったような気分です…」

「…部長もその部内の部員も立場なんかなにも変わんねえよ、先輩が部長をやってる可能性もあるしもしかしたら自分と同じく学年の友達が部長をやってるかもしれないし、どっちにしても部長も部員もそんな変わんねえよ、もしかしたら本当はそいつが部長じゃなくてその部員の方が部長に向いてるかもしれないしな」

さりげなく元々お前は部長に向いていない、などそんな事言えるわけがなく、でもそれでも陽太から見ては明乃は部長、リーダーにはそこまで向いているとは思っていなかった

思っている事が矛盾しているかと思われがちだがそれはあくまで能力面なだけであって下(部員)をまとめられるようなリーダーとしての必要な能力はないと、陽太はそう思っていた

「・・・」

「・・・悪い、今のは流石に口が過ぎたな」

いつもなら何かしら何倍にしても毒舌を加えてはボコボコにしてこよとする筈の明乃は沈黙としては無言で何も言ってこない事に陽太は改めて口が過ぎたとそう言っては黙り込んだ

「っ…そ、それだけ」

「・・・?」

「?ん?」

沈黙とした瞬間に雪奈がなにか言い始めた事に明乃は耳を傾け、陽太は顔を向けては見た

「・・・っそれだけ、氷野さんが完璧じゃない、って事ですもんね・・・」

「…?」

「?どういう、ことだ?」

理解し難い雪奈のそのよくわからない言い回しに陽太は一体どういう事なのかと思っては口開いた

「っえっと、その…私にとってはなんですけど…氷野さんってとても強くて女の子の中ではトップクラスで運動神経良くて、それで、強くて…頭も良くて…、私にとっては氷野さんはいわゆる完璧な人だと思っていたんです、…でも本当は私達普通の人達と変わらなくて、…しかも普通の女の子よりずっと感情豊かで人を、他人に優しくて……全然完璧な人なんかじゃなかったんです…!」

一見見てしまえばその雪奈が言っている事は明乃を決めつけては否定とまではいかずともこうであろうと決めているように見えるがあくまでそれは雪奈から見た場合の為に決めつけているわけではなかった

「…」

「・・・まぁ、そうだな、俺から見ても氷野は最初の頃は完璧超人、なんでも出来る万能な奴だなってそう思ってたな、…それが今じゃ全然万能な奴なんかじゃなくて思った以上に泣く奴だし落ち込む奴だし下手したらそこらの一般的な女よりも弱いかもな?、いや弱いじゃないか、感性豊か、繊細なのか」

言い方が悪い為に陽太のその言い方では悪く言っている様に聞こえるが陽太はあくまで褒めているわけなのだが、どうも口が下手なのかそんな少し卑屈な褒め方しか出来ず若干冷や汗掻いているのがわかる、そして当然そんな言い方された為なのか明乃は体をビクつかせては顔を上げては陽太を横目で睨むようにしては見た

「っか、狩野くん、もう少し柔らかめに~…」

明乃のそんな視線に気づいたのか雪奈は陽太見てはそう苦笑いしては言い方注意した

「・・・口下手なもんでな、これぐらいが氷野にとっても良いだろ、変に優しくされたら反って気持ち悪いとしか思われなさそうだしな」

あまり他人の事を褒める習慣などある筈がない陽太はここまで褒める事が出来た自分をもう少し褒めても良いのではないか、そんな事を思っていた

当然流石に言い方が悪かった事にたいしては自重している為に反省しているものの陽太にとっての褒め方はこんな風にしかできない為に反ってそこまで反省していなかったのもあった

「……っ…ふふっ…そう、ですね…貴方にはその捻くれ具合が丁度お似合いです…」

いつもと変わらない陽太のその捻くれ具合、それにいつも通りの雪奈の優しい声掛けに、優しい褒め言葉、これが明乃にとって本調子に戻るきっかけなのかはわからないが明乃は鼻でそう笑うなり顔は見せずとも言葉、それに声色からいつもの調子に少し戻ったなのだと陽太、雪奈はなんとなく感覚でわかった気がしていた

「俺の場合はただ捻くれてるわけじゃない、ちゃんと理由も言っておいて捻くれてるんだ、そこらの卑屈捏ねた弱虫捻くれ野郎と一緒にするな」

「考え方が少しずれてるから捻くれてると氷野さんは言っていると思うんですけどね…」

いつもの軽い冗談言う陽太、それに突っ込みを入れては苦笑いする雪奈、そしてそんな二人を黙っては横目で優しく笑み浮かべる明乃、前髪のおかげかあまり目元が見えないが口元が歪んでいる事から微笑んでいるのだと、わかった

「・・・そんな事は知らん、それよりだ、もうこれは・・・話、終わったって事で良いのか?」

なんとも曖昧な、中断というわけでもないが途中明乃、雪奈が泣いては話が途中になってしまった事を陽太は逃げるようにしてはそう問いかけた

「…っぁ、そういえば・・・氷野さん、その…」

「・・・・・・もう、どこまで話したか、忘れてしまいましたね…」

わずかに残る涙声、そのおかげなのか言葉通り妙に説得力がある事に陽太は何故だか思わず感心してしまった、勿論陽太自身何に対して感心したのか全く気付いていない様子だが

「・・・さっきは丁度氷野が謝って、そこでいきなり泣き出して、夜桜が慰めようと自分もさっきまでの事を謝って…、とりあえずそんな所か?」

普通ならこんな所まで来た場合この話はとっくに終わっていて振り返る必要性などないと、そう思う陽太だがとりあえず言っておこうなど思っていた

「…そういえば、そうでしたね・・・」

「・・・はい、丁度氷野さんが泣いてしまい、そこで私も先ほどまでの事を謝り、お礼を言うと同時につられるように泣いてしまい…」

「…ふふっ、今だからこそ思う事なんですけど…、私達が今先ほどまで怪我してまで喧嘩していた理由、とても…」

「・・・くだらないとは言えないがなんでこんな事で言い争ってんだろうな」

ようやく本当の意味で冷静になる事が出来たからこそなのか陽太達は先ほどまで修羅場としていた理由があまりにも幼稚過ぎた事に思わず苦笑いしてしまっていた

「…つい最近も確かこんなような事ありませんでしたっけ?」

「・・・もうそこまで思い出す気力もねえな、本当に…」

空になったコップを机、テーブルの上へと置くなり陽太はどっと頭、体へ襲ってきた疲労感にそんな雪奈が話しかけてきた事に適当に欠伸掻いては返すなりソファからぎりぎり頭が落ちるのではないかと、そんな体制とっては寝転んだ

「あはは…ここ一週間の間にだいぶ色々な事がありましたからね、氷野さんはどうかわかりませんが狩野くんにとっては多分そうなのでしょうね」

笑み浮かべてきてはそう言う雪奈、陽太はそう言われては昨日、一昨日も思った事だがこの一週間の事を振り返ってみては本当に色々な事が一気に起きたなと、正直この16年生きてきた中で一番大変な時間帯だったのではないかと、そう思うまでもあった

ただそう思うも雪奈のその笑みを見てはやはり何か癒される何かがあるのか陽太は一瞬だが心が落ち着くような、そんな感覚を味わっていた

「・・・今まであまり思った事はなかったがニート、引きこもり、それに専業主婦、今初めてなってみたいと、そう思ったな…」

本来そこまで人と関わる事を得意としない陽太にとって、これからも色々な人達と何十年間も生きている内は過ごさなければならないと、そう考えてなのかわからないがふと億劫な気持ちになってはそんな事を口に出していた

「・・・ニートはともかく今の内に依頼のお金を稼いでおけばそのような暮らしは一応できるのではないですか?」

「氷野さんの言っている事はよくはわかりませんけど、狩野くんならきっと良い優しいお嫁さんが見つかりそうですね、ニート、引きこもりは出来たらあまりやらない方が良いかと思いますけど」

優しいのか優しくないのか、もしくは興味がないのか、興味があるのか?よくわからない明乃、雪奈のその言い回しに陽太は思わず溜息付いた、別にこれと言って二人に気があるわけではないのだが特に二人に共通するその他人事のような無関心さに、しかも雪奈にとっては笑顔なのにその無関心だとわかる言い方に陽太はそのような溜息が出てしまっていた

そして二人に聞こえないように、自分だけに聞こえるようにボソッと陽太はある事を思い出しては呟く





「・・・やっぱ一華と一緒に住んだ方が良いかもな…」

決して忘れていたわけではないのだが一人、実の妹という特殊すぎる例だが兄妹同士一緒の家に二人暮らしするという事はそこまで珍しくない事にそのような考えが浮かんでいた

勿論そのような「性」な面では見てはいないが



現実の女の子なんてこんなもんだよな…(無関心さ
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