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こんな夢を見た-強盗。

作者:青葉台旭
 私は没落した貴族で、貧しかった。
 三日後に(もよお)される友人のパーティーに呼ばれた。
 私は、パーティーに着て行くようなフォーマルな高級服を持っていなかった。
 それで、ボランティア活動で知り合ったT氏とW氏を誘い、近所に住む老婆の家へ強盗に入る計画を立てた。
 計画実行の朝、私とT氏とW氏の三人は、私の車で老婆の家へ行った。
 老婆の家の前に車を停め、私とT氏が見張りをしている間に、W氏が包丁を持って老婆の家へ押し入った。
 しばらくして、W氏が出てきた。
 手に持った包丁が血で濡れていた。
「老婆を刺した」
 W氏が言った。
 私たちは、恐ろしくなった。
 三人で相談して、自首しようという事になった。
 車で町まで帰り、商店街で一旦(いったん)別れて、それぞれの職場に欠勤の届を出した後、再び待ち合わせて私の車で警察署に行こうという事になった。
 二人と別れた後、私は自分の車で職場へ行き、上司に「人を刺したから、これから警察署へ行きます。今日は欠勤させてください」と頼んだ。
 上司は慌てた。そして私に同情した。
 上司からの許可を得て、私は再び車に乗り警察署に向かった。
 行く途中、W氏を車に乗せた。
 警察署に到着した。
 T氏を探したが、居なかった。携帯電話で連絡を取ると、T氏は「仕事があるから遅れる」と言ってきた。
 この一刻を争うときに仕事なんかどうでも良いだろう、と私は苛立(いらだ)った。
 早くしないと老婆が出血多量で死んでしまうと思った。
 死んでしまったら私たちの罪は重くなると思った。
 警察に届け出て救急車を呼んでもらえば老婆は助かるかもしれない。老婆が死ななければ、情状酌量で執行猶予つきになって実刑は(まぬが)れるかも知れないと思った。
 私とW氏が警察署に入ると、一階には売店があり、パンなどを売っていた。
 受け付けは三階にあると売店の太った中年の女に言われた。
 私たちは階段を昇って三階へ行った。
 W氏が代表して受付カウンターに座り、応対した婦人警察官に事情を話した。
 W氏と婦人警察官が話している間、ふと私が部屋の出入り口の方を見ると、小さなキツネがこっちを見ていた。
 キツネは私と目が合うと、廊下へ逃げて行った。
 私は、キツネを追って廊下へ出て、階段を降りて一階まで行った。
 私は、何となくキツネに(えさ)を与えようと思い、売店のおばちゃんからコッペパンを買って、それを小さく千切(ちぎ)ってキツネの前に投げた。
 キツネは床に落ちたコッペパンの欠片(かけら)をうまそうに食った。
 そのとき自動ドアが開いてT氏が警察署に入って来た。
 私は一刻も早く老婆を助けたいと思い、T氏に「早く、早く」と言いながら、三階へ駆け上がった。
 受付に戻ると、背が高くて太った初老の警察官とW氏が深刻そうに立ち話をしていた。初老の警察官はこの警察署の署長らしかった。
 署長は、しきりに「大変だ、大変だ」と(つぶや)いていた。

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